2024年の段階でも買いか?SONY (ソニー) FE 70–200mm F4 G OSS SEL70200G(2014年発売)

Oda Nobunaga
May 12, 2024

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もう発売から9年近く経ち、ソニーの新型カメラの、超高速120コマ追従と、A1あたりの秒30コマ連射、フォーカスブリージング(Focus Breathing)補正未対応など今となっては古い部分が出て、さらに初期の電子バイワイアMF採用レンズで少し反応が鈍い、やや古くなった手ぶれ補正などのことはあります

ので、新品が現在も販売されていても、14~16万円が新品の相場では、その値段に見合った性能かという話は出てきます

ただ、高級ズームレンズとして発売されただけあり、単純な描写は現在でもかなり良く、CameralabやOptical Limitsといった海外のレビューサイトは、新しいマクロ機能付きの2型が出た、現在でも一型は、特に安くなるなら堅実な選択肢であると、あえて一型を選ぶのは悪くないと書いているのは特に不思議でもないです。

フォーカスブリージング自体は、200mmのときそこそこあるくらいで、他のズーム域では、フォーカスブリージングを抑え込んである設計で、最新のカメラのフォーカスブリージング補正が効かなくても別にどうでもいいともいえます(2型は、200mm時のフォーカスブリージングはほぼなく、70mmのフォーカスブリージングが大きくなっている)逆にフォーカスブリージングを活かす撮影も動画ではごく普通に行われるので、さわぎすぎの人がいるのはw)

写り自体は、2024年に、ちょいと機会があって、試したところ、200mm付近の開放F4あたりで周辺が甘くなる撮影距離があるといっても、今でもほとんどの撮影で大事な中央中間部は,さすが高級ズームレンズらしい描写をします。

昔、Nikon Fマウントで、トキナー、ニコン、タムロンの70–200mm F4クラスを、ご丁寧に三本とも揃えていた時期がありますが、そのどれよりも実際の写りはいい(平面のテストチャートでの解像テストではなく、立体物の撮影という意味で、ボケの評価も加えての話。中心部のキレは一眼レフ用の同クラスより上)

ネットの、情緒感が出るとかいう評判を見ていると、30年前くらいの上品なにじみのでる、トキナーのレンズみたいな感じを期待する人が多いでしょう。ですが、実際はいかにも21世紀のレンズで、パープルフリンジも大部分のケースで、ほぼ目立たず、一眼レフ時代の70–200mm F4より、切れ込みの鋭い描写をします。

ボケも新型のG2 Macroより良好という噂通り、二線ぼけになりやすい状況でも、なんとか踏みとどまる。

ボケ自体は、他のボケが上質だとされるレンズに比べて、ものすごくよい訳でもないんですが、どちらかが良いぼけだとと、反対側のボケが悪くなるのが普通の、前後ボケに、このレンズはさほど差がない(比べればやや前ボケが有利)という特徴があり、

さらに他のレンズだと、ボケが荒っぽくなりやすい、明るいごちゃごちゃした背景などでも、二線ボケや輪郭などが出るのをなんとか踏みとどまる、「ボケが荒れにくいレンズ」という、結構使いやすいのがこの1型の特徴でしょう。

一型のボケは、結構あちこちの評価サイトで絶賛があったが、二型になると、良いボケとは評価されるが、そこまでの評価はない。まあ2型はシャープになった分、若干ボケは硬くなる状況があるということ

薄暗い場所では、玉ねぎボケが目立つこともありますが、明るいところではほぼ無視できる

あまり目立ちませんが、ちょいと意地悪な条件で、わずかにSuperochromatism(雑に軸上色収差フリンジと呼ばれている)のパープルフリンジが、等倍以上に拡大すると、うっすら見れたりすることもある。

と完璧ではないですが、現在でもかなり良い水準の性能。Optical Limits, Cameralabといった評価サイトが、新型のマクロ機構付き二型が出たあとも、まだ十分現役の性能があると評価してるのも、なんの不思議もないです

上の動画7:50から、ライバルとされた今は生産完了のTamron 70–180mm F/2.8 Di III VXD(初代バージョン)がF2.8とひと絞り明るいことから、良いとする人もいるのですが、暗い場所だと、ソニーの方がコーティングが良くて光線の透過性能が高いのか、カメラが示す露出はどっちも大きな差にならない現象を解説しています。

この一型の弱点は、接写能力が低いことですが、接写リング(10mm+16mmをかけ合わせた26mm)を装着したところ、接写リングはあくまでも非正規の使い方で、

このためカメラ側では、レンズ収差の電子補正のデーターが狂って有効に効かなくなるため、倍率色収差(Affinity Photoなど、画像の倍率収差を自己分析して、レンズデーターがなくても、倍率収差を補正できるソフトが有る)起因のブルー系のフリンジが、このレンズに接写リングをつけると、やや増えたりしますが、

200mm側での接写リングでの描写は、ピントが合った部分のシャープなど、全体的には悪くはなく、むしろ開放絞りF4こんなに写るのかと驚愕したw

ケンコー・トキナーの、高級タイプのACクローズアップレンズNo.2との相性もよく、開放から切れる描写

新型=二型の市場価格が20~22万ということで、この一型は14~16万円くらいです。まあTamron 70–180mm F2.8Gが14~16万くらいですが

この一型は、開放F4の割に高いと発売当時から言われてきたのですが、カスタム操作ボタンが3つもつき、金属製の胴体と、製造コストはかかっているので、まあ悪くはないですが、三脚座もなくカスタムボタンもなく、プラ製の、Tamron 70–180mm F2.8Gと、同じ価格でも仕方ないかも。

ただ、今から新品で買うかとなると、電子連動の性能がやや古いため

新品なら12~14万、中古で9~11万円

というところかな?それだと、新型の二型を買うよりだいぶ少ない出費ですし

発売時の記事

フルサイズ対応Eマウントレンズ「FE 70–200mm F4 G OSS」発売日が決定

2014年03月07日 18時50分 公開 Irmedia

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Affinity Photoは所々で妙に優れていて、他のソフトの倍率色収差補正では全く修正されない色のにじみが、

Affinity Photoの倍率色収差補正をかけると、あっという間に補正される話は、

倍率色収差起因のカラーフリンジの補正【写真レタッチAffinity Photo使いこなし入門】

で記事にしました

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