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2020年4月に、これまで仕事の関係で住んでいたダブリンから日本へ帰国しました。帰国経路はダブリン空港(DUB)発、ロンドンヒースロー空港(LHR)経由・羽田空港(HND)着です。
もともと3月の転職に伴って帰国予定だったのですが、奇しくも近年まれに見る感染症流行期に重なる形となったので、今後のためにも体験を記録しておきます。
利用便は2020/4/26発で DUB-LHRがEI168/BA5968(AerLingus 運行)、LHR-HNDがBA4600/JL44(JAL運行)でした。

*ここに記載した検疫等の対応は日本における新型コロナウイルスに関する水際対策に寄るものとなり、4/26 時点での体験に基づくものとなります。将来的に変更される可能性があるので必ず最新情報をチェックしてください。

フライトの予約とキャンセルと変更

  • 年明け頃から4月中旬-下旬の帰国を目指していたものの、退職手続きや転職後のトレーニング等忙しさにかまけて帰国準備はあまり進んでいなかった。そうこうしているうちに欧州各国でロックダウンが始まり、世間の様子を見ているうちに時間が経ち、結局ちゃんとフライトの予約を取ったのは3月下旬ごろ。
    アイルランドで外出自粛が始まった当初はイースター(4/19)頃までは少なくとも自粛、という情報だったので、その後少しでも誰かに会える可能性を考慮して遅めの時期を選択。当時は徐々に各航空会社が運行を取りやめ始めていて、比較的残りそうなところを見極めようともしていた。結果的にはBritish Airawaysも日本の緊急事態宣言のタイミングで直行便は取りやめていたためこの読みは外れたが、自分はたまたまJALとのコードシェア便だったのでキャンセルされずに済んだ。
  • その後、DUB-LHRのフライトを運行するAerLingusが同区間のフライト縮小を発表、これによって当初予約していたDUB-LHR便がキャンセルされた。LHR-HND間は有効だったがBAのオンラインシステムでは変更ができず、頑張ってBA窓口に電話して同日の別便に変更してもらう。平日に何度かけても電話まちのキューにさえ入れてもらえず、土曜の朝に窓口に繋がったときは心底ほっとした。

引っ越しからダブリン空港まで

  • フライトが運行されることをひたすら祈りつつ、前日の4/25に引っ越し作業を済ませ、ダブリン空港近辺のホテルに移動。よく空港までの足として使っていたAircoach(空港バス)は運行停止となっていたためタクシーを呼ぶ。FreeNowという配車サービスを使ったがなぜかクレカ決済が停止されており、現金での決済のみになっていた。
  • フライト前日の宿泊先は Clayton Hotel Dublin Airport。直前に宿泊予定に変更がないかreconfirmされたりチェックイン時にフライト目的や経路情報を求められたりと必要最低限の顧客に絞る前提で営業中だった。レストランは必要最低限で営業していたが、久しぶりにパイントグラスに注がれたビールと運ばれてきた温かい料理が心に染みた。

ダブリンからヒースローへのフライト

  • フライト当日。朝食に貴重なアイリッシュ・ブレックファストを楽しませてもらった後、ホテルのシャトルバスで空港へ。バスは貸し切り状態。
  • 空港は案の定、乗客も職員も少ない。自動チェックインも閉まっている。ガラガラの窓口でチェックインして荷物を預ける。AerLingus窓口でのチェックインだったせいか、荷物はHNDまでのスルーチェックインだがチケットはDUB-LHR分だけで、LHR-HND分は到着後に再チェックインが必要である旨を告げられた。
  • アイルランド内はマスクしてる人はそれほど多くなく、自分も未着用で外出したりしていたが、流石に空港では準備していたものを使用。
  • 人が少ないのでセキュリティで焦ることもなく通過。なお、アイルランドは出国手続きはない(これは普段通り)。
  • ダブリン空港内の免税店等はほぼ全て閉まっている。普段は免税店の中を歩いてゲートまで行くところだが、通路がすべて閉まっており短い迂回路を抜けてすぐにゲートへ。
    飲食店は2つのターミナルのうちターミナル1側で開いているところがあったようだが遠かったし用もなかったのでスルー。ターミナル2も自販機などは稼働している。
  • フライトは便数が減って乗客が多少集中したのか座席に対する搭乗率は 4–5 割くらいか。短いフライトかつAerLingusクオリティなので(失礼)機内サービスもないし、空いてるスペースが多いもののいつもと違う感じはしない。

ヒースロー空港でトランジット

  • ダブリンからは1時間ちょっとでヒースロー空港(LHR)到着。到着後も特段待たされることなく順次降機。空港はダブリン同様ガラガラで、セキュリティも焦らず通れる。現地15時位の到着だったが、空港全体でこの日予定されてた残りの便は25便くらいだろうか。
  • 乗り継ぎ先の羽田便が出発するターミナル2まですぐにたどり着いたものの、トランジットチェックイン用JALカウンターに人がいない。20社分くらいカウンター並んでいるが、人がいたのはルフトハンザだけ。一応様子を聞いてみるとフライトのある会社の担当者は後でくるはずとのことだったのでそのまま待つ。
  • 到着から出発までは4時間くらいあり、とりあえずターミナル内を見て回る。営業しているのは W.H.Smith(コンビニ・書籍・お土産物)とBoots(薬局)のみ。未チェックインだとチケットがないので何も買えない。仕方なく椅子で休みながら待機していると、出発3時間前にはJALの担当者が来てくれて無事チェックインできた。チェックイン時に発熱やCOVID-19関連の症状有無、及び過去14日間の接触歴を確認するフォームへの記入を求められる。
    チェックインを済ませ、売店でポテトチップス、チーズなど軽食、消毒グッズなどを購入。Salt&Vinegar味との別れを惜しむ。
    LOVE HEMPという攻めた名前の飲料も売っていた。
  • 出発ゲートはターミナル2のメインエリアから15分くらい歩くBゾーンと案内される。こっちは店舗の営業は一切なく自販機がちらほらおいてあるのみ。トイレも絞られていて使用可能なのは1/3くらい。自分たちが移動したタイミングではBゾーンの他のゲートにも結構人がいて、テヘラン行きの便などが出発していた。
  • 少し早めに移動したこともありゲート到着時にいた羽田便の乗客は数組程度だったが、最終的に搭乗したのは恐らく20組ぐらい。年齢・性別も様々。時間まで、近くに座った人と身の上話とか羽田到着後の手続きについて雑談して過ごす。搭乗前にはCAさんが回って来て検温。合わせてチェックイン時に体調確認のフォームを記入したか確認される。
    時間になると一応通常のフライトと同様優先順位の案内があり、順次乗り込む。小児連れだったので早めに乗らせてもらえた。

ヒースローから羽田へのフライト

  • 機内搭乗。すぐに気づくぐらいCAさんが多く手厚い態勢。乗客と1対1くらいの人数がいたのではなかろうか。皆さん丁寧にご案内していただき大変ホッとしました。
  • 機内は当然ガラガラで、3人連れでの搭乗だったが夜?は3人共中央の4列シートを1列ずつ抑えて横になれた。おかげで到着後の時差ボケも少なく大変助かった。
  • 搭乗後、税関書類と一緒に帰国者向けの質問票が配られる。帰国後の滞在先、過去の体調などを申告。ちなみに引っ越しで別送品があったので税関申告書も2枚記入。
  • 機内食や各種サービスなどは通常通り提供される。写真でメニューが選べたり非常にきめ細やかな対応でJALのサービスレベルに感動する。機内販売があるフライトに久しぶりにのった。
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  • よく寝られたせいで逆に機内での映画観賞は進まず、スターウォーズのエピソード8を見たあと9にたどり着けなかったのが悔しい。攻殻機動隊SAC2045もダウンロードして乗ったけど少ししか見られず。

着陸から入国

  • 着陸後はすぐに降機。事前に調べたときは機内待機で待ったという話もあったが、自分の時は人数が少ない分むしろ早かった。
  • その後、一旦待合エリアに通され検疫・入国手続きの説明を受ける。同便で到着した乗客全体に案内があったあと、一人ずつ書類内容を確認し、PCR検査の検体採取用のラベルを渡される。
  • 渡されたラベルをもって空港の廊下に設置されたエリアで検体採取を受ける。検査エリアは7–8区画ぐらい用意されていただろうか。子供にも慣れた手順で実施してもらい大変感謝。鼻の奥に綿棒様のものを突っ込まれるやつで、自分は初体験だが軽くむせた。
  • その後再び書類の確認に進む。ここで滞在先の確認を取られ、自宅等に帰る人以外は採取した検体の検査結果が出るまで引き続き空港内待機となる(2020/4/26現在)。空港内待機の場合の検査結果通知は1日程度と言われた。自宅に帰る場合は陽性だと3日程度かかる、陰性なら連絡はもっと後回しになるかもという説明。また、帰宅後も日次で体調を申告する必要があり、LINE社でのデータ取扱に同意する場合にはLINEアプリ経由での報告が可能になることが説明された。LINEではない場合保健所からの電話確認とのこと。
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同意書の一部
  • 自分の場合は親戚所有の物件を待機場所として使わせてもらえることになっていたので自宅相当の場所として説明し、そのまま帰宅ルート。この手続きを済ませると通常の検疫ゲート(サーモグラフィと靴底消毒)、入国審査、チェックイン荷物の受取、税関手続きとなる。行列全くなし。回収した荷物にはJALの方に丁寧なメッセージを添えていただき改めて感謝。
  • 空港で対応頂いた係員の防護状況もまちまちで、検体検査の方はPPEを身につけられていたが書類チェックなどはマスク一枚の担当者の方で済ませている状況。限られた物品で対応頂いている結果なのかと思うと申し訳なかった。

その後

  • 空港到着後は待機場所まで借りた車でそのまま移動し、外出せずに待機している。LINEを使って厚生労働省に日々健康状態を報告しつつ、昨日からは仕事も再開。
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日々の報告内容。LINE botで実装されてるように見える
  • PCR検査結果は3日ほどでメールで家族全員分の陰性の通知がきた。陰性の場合は時間がかかると思っていたので正直ホッとしている。
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検査結果通知メール
  • 帰国時に住民票がない・外出できない状況になるので携帯回線の新規契約などは難しい。国内居住者に契約してもらうよう頼むか、レンタルルーターを調達して置くといった方法が有効だが、最近はテレワーク需要でレンタル在庫も少なめになっていて若干厳しい。
  • 電話番号はアイルランド渡航時に使い始めたSkype番号をそのまま利用した。携帯回線がなくてもWi-fi経由で使えるので便利。ちなみに国際通話料もそんなに高くないのでアイルランドの番号への連絡などもここからかけてたりする

まとめ

  • 何よりこの時期に国をまたぐ引っ越しを大きな問題なく進められたのは現在の状況でも業務を維持して頂いている各社の担当者の皆様のおかげです。今回お世話になった皆様には心から感謝するとともに、今後ともご安全をお祈りしております。
  • 羽田は現在は帰国者数も落ち着き、大きな問題なく各種手続きが進められている状況に見えました。これから帰国される予定のある方は事前に内容を確認し帰国後の待機期間のプランを準備されておくのが良いかと思います。私の場合は外務省の海外安全情報、厚生労働省のQ&Aを読みつつ直近の状況を Twitter で確認するなどしていました。また同行者がいる場合はできるだけ情報を共有し、帰国後の流れとそれに対する事前準備などを話し合っておくと良いと思います。

ダブリン アドベントカレンダー、 少し遅れてしまいました23日目の記事です。アイルランドといえばアイリッシュパブ、ということで1年住んでみたダブリンで、改めてアイリッシュパブというものについて書いてみたいと思います。

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アイリッシュパブがアイルランドを語る上で、無くてはならない存在である事は間違いありません。
その数をとってみても、日本のコンビニとまでは言いませんが、スーパーマーケットくらいの感覚で、どこの街角にもパブが建っています。大きな街だけでなく地方の小さな町にもほぼ必ずパブがあり、地元の人で賑わっています。

また、数の多さもさることながら注目したいのがパブごとの個性です。例えばダブリンの観光スポットの一つであるテンプルバーのパブにはたくさんのパブが密集していますが、どこも夜になればアイリッシュ音楽の生演奏が聞けてとても賑やか。料理も美味しく、アイルランドの魅力を凝縮したような濃いパブ体験ができるのではないかと思います。 tsbさんの記事でも出てきましたがThe Temple Bar はまさにその代表。その他The Old StorehouseThe Porter House Templebarあたりも、賑やかで楽しめます。

また、観光エリアから少し外れたあたりには都市型のアイリッシュパブとでもいいましょうか。街中で働いてる人たちが、仕事帰りに集うようなパブがあったりします。こういったところはふらっとグループで訪れてくつろいだり騒いだりできるような、居心地の良さがあります。よく行くところとしてはThe BargePortbello なんかのカナル沿いのパブ。夏場、まだ明るい会社帰りに水辺で飲むビールは格別です。

そして、そこからさらに離れた住宅エリアにはまさに地元密着型とでも言えそうな、地域に根付いたパブがあります。地元の人が集まるお店は敷居が高い感じもありますが、個人的にはとても好きなタイプのパブです。

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おすすめは週末、少し早めの時間での訪問。まだ来客もまばらなテーブルエリアに、ご近所の老夫婦がゆっくり食事をしていたり、子供を連れたグループがビールを飲んでいるところに出くわすんじゃないかと思います。夏から秋にかけてはアイルランドのスポーツ、ゲーリックフットボールの中継を眺めながらギネスのグラスを傾けて、地元の人々が憩ってたりします。観光客の多い都心のパブとは一味違う、ゆったりとした時間の流れるパブの様子を見ることができます。

私が今住んでいる Blackrock では Jack O’Roukes というパブがまさにそんな感じで、このエリアでだいたい200年くらいやっている老舗。本来の意味である”Public house”、地元の社交場としての役割を感じさせるようなお店です。

12 pubs

もう一つ、せっかくのアドベントカレンダーなのでパブとクリスマスにまつわるアイルランドの習慣を一つご紹介。その名も “12 pubs of Chirstmas” です。

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基本的なルールは12軒のパブを順番に巡って1パイント(≒568ml)ずつ飲むというもの。それに加えて「利き手じゃない方の手で飲む」「人と靴を交換して飲む」「外国アクセントでしゃべる」など1軒ごとにお題があり、これをこなしながら飲むというルールがあります。
最近になって普及してきたイベントのようですが、もしアイルランドでクリスマスを過ごす機会があれば是非やってみてください!

ダブリンアドベントカレンダー18日目、と思って書いたらすでに埋まってたので19日目。先日アイルランドのマイナンバーことPPSNのことを書いたので、そこから少し派生して、若干生々しいですがTaxのことを。

アイルランドの課税年度は日本と同じく 1/1–12/31。年度が終わると翌年2月ごろに前年度の総括となる P60 というドキュメントが発行されます。これが日本で言うところの源泉徴収票にあたるもので、ここから税額の還付申請をしたい場合にはTax Return の申請を行うことになります。Tax Return の締め切りは10月末ですので、日本よりはのんびりしたスケジュール感です。

さて、アイルランドで働き始めて1年ちょっと、初年度の納税関連の手続きが一通り終わったので、税制の観点で日本と比べて面白いなと思った点を書いてみます。

その1. Joint tax assessment

アイルランドでは日本と同様課税は個人ごとの所得に対して行われますが、配偶者やcivil partnerがいる場合には両者の収入額を考慮した税率を適用する仕組みがあります。

Taxation of married people and civil partners

配偶者を考慮した課税の仕組み、というと日本では扶養者控除・配偶者特別控除みたいなものが思い浮かびますが、アイルランドの場合にはもう少し大胆に、課税税率の切り上げポイントが引きあがったり( =低税率の対象となる額が増えたり)、税額控除の金額が増えたりします。

ちなみにこの joint tax assesment 自体の適用は任意なので、場合によっては個別に税額を計算することも可能です。
また、夫婦に限らず Civil partner であれば適用対象になるというのも柔軟さを感じるポイントで、同性同士のカップルでも利用することができます。

その2. Tax Credit

日本の場合基礎控除・給与所得控除など一般的な控除は所得から差し引く形で適用される、「所得控除」の形式のものが多いかと思います。翻ってアイルランドでは所得を元に計算された課税額から直接差し引く「税額控除(Tax Credit)」の形式が取られているものが多いです。

例えば Joint Assesment を適用した場合の Married or Civil Partner’s Tax Credit や在宅で子供の面倒を見ている家族がいる場合に適用されるHome Carer Tax Creditといったものがあります。

Home Carer Tax Credit

どちらが良い、というものでもないでしょうが制度設計の違いとして面白いと感じました。

その3…も書こうと思ったのですがあまり良いポイントが思いつきませんでした。強いて言うならTax refund の項目の多さとかでしょうか。質問票を埋めるのが面倒臭かったことを思い出しました。

総じてアイルランドの税額は日本と比べて安くはないのですが、実際に払う身としてはその中身をちゃんと理解したいなと思う次第です。

About

t2hnd

山籠り中のサポートエンジニア。2016/10–2020/04までアイルランド・ダブリンに住んでいました。アイルランド生活/言語/Techなどについて綴ります。

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