Taiyo Mikuni
3 min readDec 8, 2015

『全員加速中』(中国版『逃走中』)がとても面白いと思える3つの理由

中国で毎週放送されている『全員加速中』(簡体字だと『全员加速中』)という番組がある。湖南衛視というバラエティ番組に強い(たぶん)テレビ局がフジテレビから『逃走中』のフォーマットの権利を買って(利用ロイヤルティを払って?)制作・放映している番組らしい。この『全員加速中』、中国の勉強を兼ねてYouTubeで観ている番組のなかでも、最近一番のお気に入りとなっている。

中国版の中味は元祖の『逃走中』と同じ「真剣な隠れんぼ」で、たとえばハンター出現時の音響効果といった細かい点まで一緒。ただ、日本の元祖と何かが違う。最近フジテレビで最新版を(はじめてきちんと)観て、その点を強く感じた。

その違いについてざっと思いつくところを書き出すと、次の3つになるかと思う。

1)仕掛けが大きい
毎週、中国各地にある撮影所やテーマパーク(もしくは遊園地)などを使ってロケをやっているようだが、この仕掛けがまず大きい。文末に付したビデオは11月下旬放映の遊園地編のものだが、広い敷地全体が一時真っ暗になるーーそのなかを黒いスーツを着たハンターが、蛍光ライトの付いたジャケット姿の参加者=タレントを探したりする。また時には夜空に花火が上がったりもする。たいそうお金のかかった拵えであることが伝わってくる。

2)シナリオが凝っている
参加者に課されるミッションの前提となるストーリーのシナリオが毎回とても凝っている。悪いお妃に捕まえられそうになった姫を助けるとか、あるいは中国の時代劇に舞台を置き換えたシンデレラみたいなものなのだが、この前提のストーリーがすごく手間をかけて撮影されていて、いつも見どころのひとつと思える。

3)編集が上手い(たぶん)
テレビ制作の本職でないので自信はないが、長時間(1時間半以上)観ていて飽きることがないので、おそらく編集が上手なためではないかと思う。

また、この『全員加速中』に限らず、湖南衛視の番組に出てくるあちらの芸能人には正統派の美女だったりハンサムだったりする人が多いのもポイントのひとつ。ただ人の容姿などは、観る人によって大きく好き嫌いがわかれたりするので・・・。

『全員加速中』でいまひとつな点は、ハンターの追跡がどことなく甘いところ。ただ、捕まえるときには捕まえるので、さしたる難点とも思えない。

湖南衛視が「バラエティ番組に強いのかも知れない」?と改めて感じたのは、11月11日にあった例の「独身の日」のオンライン特売セールで、主催のアリババがやっていたイベントを日本のニュースでちらりと観たときのこと。特売セールの景気づけでたぶん前日夜からやっていた大がかりなライブイベントのステージ上に、汪涵(バラエティ番組『天天向上』メインホスト)と何炅(同『快乐大本营』メインホスト)という2大司会者が出ていた。このふたりは、10月までやっていた『偶像来了』というリアリティ番組(第二季の放映が待ち遠しい)でさんざん目にしていたので、すぐに認識できた。

なお、現在別の曜日に放映されている『一年級・大学季』もなかなか面白い。また今週から人気歌手・実力歌手が競い合う『我是歌手』(I Am Singer)の新シーズン(第四季)も始まったようだ。第二季のG.E.M=邓紫棋や、第3季の韓紅のような、物凄い歌手が出場しているといいのだが。