林青霞に欧陽娜娜も・・・シーズン2が待ち遠しい『偶像来了』(湖南衛視)

昨年の8月から11月半ばにかけて中国湖南衛視が放映していた『偶像来了』というリアリティ番組があった(番組名のピンイン=発音はたしか”wo xiang lai le”だったか)。毎週YouTubeで欠かさず観ていたほど私はこの番組のことが気に入っていたが、いまになってそのことを書こうと思ったのは、昨夜なんとなく観ていた『恋する惑星』(ウォン・カーウェイ監督の映画、1994年公開)のなかに「謎の金髪女」役で林青霞(Lín Qīngxiá)が登場していることに気付いたから。ブリジット・リン(Brigitte Lin)というカタカナ(英語)表記のクレジットで、あの林青霞だと気付くまでに少し時間がかかった(謎の金髪女がずっとサングラスをしていたせいもあったかしれない)。いま改めて観ると、金城武もトニー・レオン(梁朝伟)も驚くほど若いが、その話にはここでは深煎りしない。

台湾出身の林青霞は1970年代から90年代前半にかけて活躍した元大人気女優で、94年にした結婚を機に芸能界から引退・・・といったことがwikipediaのページには書かれてある。

『偶像来了』の内容は、60代から10代まであわせて10人の人気(元)アイドル(女優や歌手、タレントなど)が中国各地のさまざまな場所に出かけていって、いろんなゲームをやったり、そのほかさまざまなこと(テレビ番組の制作とか、京劇ふうの舞台とか)に挑戦したりといった比較的たわいもないもの。ただ、屋外ロケが中心でとれもきれいな景色が観られることや、介添え役(?)である2人の男性司会者(湖南衛視の番組でよく見かける常連)も含めて出演者全員がじつに面白いキャラクターであったことなどもあり、毎回2時間近くもあるのについお終いまで観てしまっていた。

いま、中国版wikiのページを確認したところ、撮影現場について海南島、内蒙古、北京、湖南、安徽、上海と記されている。また製作スタッフ200人、カメラ70台を動員みたいな一節もある。

今年春に日本でもCDをリリースしたという欧阳娜娜(台湾のタレント、チェロリスト)は、あの欧陽菲菲の姪っ子。『偶像来了』の初回には、全員が顔合わせという場面で、林青霞がほかのメンバーに「あの菲菲さんの・・・」と娜娜のことを紹介するシーンもあった(欧陽菲菲と林青霞が若い頃からの知り合いで、その縁で青霞は娜娜のことを以前から知っていた、との可能性も思い浮かぶ)。『偶像来了』に出たことで娜娜は全国的な知名度を得た、ということかもしれない。

余談になるが、ずっと昔、麻布の消防署の近くにあった中華料理のレストランで、ある日曜の午後に、式場壮吉---欧陽菲菲の夫婦が大勢の家族を引き連れて飯を食っていたのに行き会わせたことを思い出す。菲菲が流行歌手としてテレビに出演することも少なくなっていた当時の話で、われわれのほうもむしろ「伝説のレーサー」式場のことを(小さな声で)話題にしていたかと思う。その式場が亡くなったと聞いてちょっとビックリしたのは先月のことだが、無論「第1回日本グランプリで・・・」云々と昔話をできるような年輩でもないので、この話も脇におく。

『偶像来了』の初回にあったメンバーの顔合わせは、だれが来るか=選ばれたかがわからないという趣向だったが、林青霞が姿を見せた時にみせたほかの出演者の反応が物凄くて、とても面白かった。いずれも名前の通ったタレントのはずだが、そんな連中が大騒ぎとなり、なかには感動のあまり涙ぐんでいる者さえ複数いる(以下の場面がそれ)。

この熱狂ぶり・絶叫ぶりの背景には、『恋する惑星』撮影から間もなく家庭に入った林青霞が、もう20年以上ほとんどタレント活動をしていなかった、という事情もあったようだ。それから、この番組中ではこのあとずっと林青霞は「教主」と呼ばれつづけるが、この愛称は90年代前半の大ヒット作『東方不敗』のなかの役名にちなんだものらしい。

そんな林青霞を筆頭に美人揃いの出演者が観られる『偶像来了』の新シーズン開始を心待ちにしているが、湖南衛視も最近では番組の規模が以前よりこじんまりとしてきているようなところも感じられる — たとえば、以前に紹介した『全员加速中』もシーズン2がしばらく前から始まっているが、前シリーズとくらべると規模が小さくなり(エキストラの数も減り、舞台設定も簡単になった、といったこと)、面白味もだいぶ減ってしまっている。また番組名こそ同じものが引き継がれていたが『我是歌手』という歌番組なども、以前とはすっかり違った内容になってしまっていた。そうしたことも考えあわせると、『偶像来了』のような豪華な出演者を揃えた番組が再びつくられることがあるのかどうか・・・そこが些か気がかりなところである。

Like what you read? Give Taiyo Mikuni a round of applause.

From a quick cheer to a standing ovation, clap to show how much you enjoyed this story.