心理的安全性が高くアジャイルな組織設計
心理的安全性の高いチームを作るためにサーバントマネージャーに徹する話などを聞くことがありますが、なんか大変そうだなーと考えてたら、これは組織設計の課題だと思ったわけです。
サーバントマネージャーは過渡期と割り切って、本来の仕事である課題解決に時間を使えるようにしていったほうがいいです。
心理的安全性とは
他者の反応に怯えたり羞恥心を感じることなく、自然体の自分を曝け出すことのできる環境や雰囲気のことを指します。
だそうです。失敗するかも…と早めに言えることはアジャイルな組織には必須です。
心理的安全性は1人のメンバーが日常的にコミュニケーションする相手との視座、視野、視点が近いと高くなると仮説を立ててみました。
- 視座が離れてる例:リーダーが超ベテランでメンバーが超若い、リーダーが役員でメンバーは平社員
- 視野が離れてる例:一方はエンジニア目線で他方は営業目線、一方は独身で他方は子持ち
- 視点が離れてる例:一方は個人目標のばかり話し他方はチーム目標のばかり話す
チームの中で自分と近い人がいればまだ良いのですが、孤立しちゃうとだいぶ辛いです。
営業組織の中にエンジニア1人とか辛いですね。逆にエンジニア組織の中に営業1人も辛いでしょう。
なのでチームの中の視座、視野は極力均質化してあげるか、離れているなら間を埋めるような人を入れてあげるのが、アジャイルなチーム作りに不可欠です。
視点については、とにかく同じゴールを目指すチームだと思ってもらうのが最良です。目指してる先はここで、それを達成するためのチームが私達です、と何度も意思統一するのです。
とはいえ
ビジネスが大きくなるには色んなスキル・バックグラウンド人の力が必要になっていくものです。
そんなときは、ちゃんと似たグループごとに境界を引いてあげるのが良いのでしょうね。自分のチームのチャンネルだけ見てれば仕事ができる状態とか、同じ趣味や職域の人が集まれるチャンネルを作ってあげるなど。
チームには近い人がいなかったとしても会社全体ならいる場合もありますよね。卓球台を置いたり、TGIFをやったり、エンジニアだったら社内勉強会をやったりは、そのための施策なのです。
世の中には「社長を部屋から出すな」という会社もあるようですが、視座の差があるコミュニケーションは慎重さが求められます。来週のための実装をしているのに、いきなり1年後のための要件を言われても戸惑うだけです。フラットな組織はある意味理想的ですが、ちゃんと階層構造をつけて権威勾配をつけてあげるのも重要なことです。
全員がどこでも好き勝手に発言しても良いとしたら、どうしても声が大きかったり数が多かったり優遇されてる職種の発言力が強くなってしまいます。それでは全員にとって心理的安全性が低くなります。
ただし
誤解なきように書いておきますが、決してエンジニアチーム、サポートチーム、営業チームのように分けるべきというわけではありません。むしろそれはアジャイル的には逆効果です。
サポートの課題を解決できるチームはサポート+エンジニアチームでしょうし、営業の課題を解決できるチームは営業+エンジニアチームでしょう。
特定職種が増えすぎてあまりに組織のバランスが悪くなるようであれば、そこを減らすエンジニアリングをしたり、その部分を外部に投げるのも手でしょう。
例えばサポート5人チームとエンジニア5人チームを横に作るよりは、サポート2人(+サポート外注3人)とエンジニア5人のチームを作ったほうがサポートの課題が解決されるチームが作れます。