お金は人の気持ちを映すメディアになる

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◇シェアで人がつながっていく

シェアリングエコノミーとは、個人や法人の遊休資産を使いたい人に貸し出すのを支援するサービス群のことであり、国も力を入れている注目の領域だ。配車タクシーサービスのUberや利用していない部屋を旅行者に貸し出すAirbnbに代表される。貸し手は、遊休資産を活用することで収入を得ることができ、借り手はモノやサービスを所有することなく、カジュアルかつリーズナブルに利用することができる。

経済的なメリットも大きいシェアリングエコノミーだが、得ることができるのは金銭だけではない。数多くのシェアリングエコノミーサービスによって、これまでになかった人々の交流やつながりが生み出されている。経済的なやり取りから、人間的なやり取りへと発展するケースが多く見られるのは、人々が金銭報酬だけでなく感情報酬を大事にしているからだろう。

◇信頼さえあればお金は集まる

クラウドファンディングとは、クラウド(群衆)×ファンディング(資金の調達)を掛け合わせた造語であり、あるプロジェクトに対してインターネット経由で、不特定多数の人々から資金調達を行う方法である。代表例として、アメリカではKickstarter,Indiegogo,日本ではReadyfor,Campfire,Makuakeなど、数多くのサービスが立ち上がっている。

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クラウドファンディングでは、様々なクリエイターがプロジェクトを立ち上げ、それに対するパトロン(資金提供者)を募っている。資金を投じてくれた人に対しては、成果物や特典など様々な対価が払われる。もちろん投資リターンが魅力的な場合もあるが、経済的なインセンティブが魅力的でない場合でも人々が投資するのには、そのプロジェクトや人を応援したい気持ちからきていることが多い。そしてプロジェクトの信頼度が高いほど、資金は集まりやすい。信頼を獲得すれば、お金がなくともお金を集めることができる時代なのだ。

◇お金は気持ちを移すメディアに

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ITの力によって、点在していた人たちがお金を介在してつながり、気持ちの交換をしている。物々交換をしていた時代のように、人々は経済活動を行うことで、コミュニティを強化する。歴史的にも中央集権的な機関に託していた信頼が、再び個々人へと回帰しているといえるかもしれない。

お金はテクノロジーによって、人々の気持ちを反映するメディアとして機能するようになっている。その先に、経済活動を通じて人々の思いが寄り集まり、大きな動きとなって社会を動かしていくようになれば、もっと世界は豊かになっていくだろう。