iOSDC Japan 2023にオフラインで参加してきました
iOSアプリエンジニアの夏の風物詩にもなっているiOSDC Japan 2023に参加してきました。
今年は前年に引き続きオンラインとオフラインのハイブリッド。ですが、人数制限などのさまざまな感染対策の撤廃などがあり、コロナ禍前の状態での開催となりました(とはいえ、マスク着用を推奨していたりはしていますが)
おなじみの朝ごはんのミスド(たしか昨年は感染症対策とかの理由でなかった気がする)
お菓子も盛りだくさん。パーティー並みに揃ってました。
こういうのを見ると、ああいつもの日常の中に戻ってきたんだな、と感じました。
前夜祭と呼ばれるDay 0は子どもの看病で参加ができず、Day 1とDay 2の2日間参加してきました。
両日共に見たいセッションがとても多くて、どこに参加するのが良いか非常に悩みました。
その中でも個人的に良かったものを書いてみます。
UIのブラックボックスを探る
noppeさんのセッション。個人的にUI周りを作るのが大好きで、どうやってUIやコンポーネントを作るのか?みたいなことを考えるのが好きなので、こういうUI周りのセッションはとても興味津々。
個人的にとても良かったのは、Human interface Guidelineに書かれていることに留まらず、それを超えた先の話が展開されていたこと。
例えば、インタラクションの部分で語られていたハプティクスの話で「Appleのアプリは意外と使われていない。この使われていないところを意識する」という点はかなりなるほどと思った。使われているではなく、使われていないを意識するというのは納得するものでもあり、視点を拡張するようなものだった。
モバイルアプリの行動ログの運用つらさ解消法
cookpadのあおいさんが発表されていたログ周りの話。
ログ周りの話というよりも、ログ周りの負債解消に対するチーム発足から取り組みまでの話。かなり泥臭い話で、聞いていてつらみを感じる部分もあった。
話の中ではエンジニアが中心的に動くという話だったが、ログ周りは会社全体の問題でもあるので、エンジニアだけでなく他の部署も一緒に取り組むべきものだとも個人的には思っているのだが、なかなかそうはいかないよねー。
セッション内で「目の前で火事が起こっていたら、それを見過ごすことはしない。だが、歩いている途中に落ちている空き缶を見過ごさずに全部拾うことは難しい」というたとえ話があった。ちゃんと目の前の出来事に真摯に、愚直に取り組む姿勢が大事だよね、というところを聞いて、背筋が伸びる思いだった。
CoreHaptics入門
自分がiPhoneで使える触覚フィードバックの教科書という技術書を頒布しているという手前、このセッションは見逃せなかった(実際に書籍にはこのCoreHapticsは難しい話になるので割愛した)
CoreHapticsはいろんなパラメーターの数値を設定して、触覚フィードバックを自作できる仕組みで、かなりニッチなものだと思っている。今回のセッションは入門ということで、パラメーターの説明が主だった。
Q&Aのコーナーで「誰がこの振動のデザインをするのか?」という話になり、「企画とデザイナーが中心となり、デザイナーがこれをデザインする」と話していた。なかなかデザイナーの責務も大きいなとも思いつつも、このあたりをデザインする担当って結局いないよなーって思った。
何のゲームだったかは忘れたが、スタッフロールに「振動アーティスト」と書かれているのを発見したことがある。振動というのはかなり感覚的な部分を扱うので、その専門の人がいるのか…と驚いた記憶がある。
それを踏まえると、CoreHapticsはかなりコストとしてはかなり大きいものになる。これを安易に取り入れるのも大変だなーと思いつつも、これを使ったベストプラクティスがあれば…みたいなところを知りたい。魅力的なものではありつつも、難しいというところを改めて感じた。
ひたすらiOSのことを考えられる時間だった
直近の自分の仕事がiOSアプリエンジニアではなく、プロジェクトマネージャーなので、久しぶりにiOSのことを考えられる時間でした。
いろんな感覚が戻ってきて、やっぱりiOSのアプリ作るの好きだなーみたいなことを懐かしく思えたし、特にUI周りの実装を無心でやりたいな、と思えた。とても良い時間でした、本当に。
もちろん各セッションを見て、聞いて、とても触発された気持ちになり、みんなすごいなーという幼稚な言葉にはなってしまうのだが、それぞれに苦労があるところも垣間見えた。
こういうカンファレンスに参加すると、来年こそは自分も…と思う。
あと、今回ははじめましてのごあいさつをする機会もあり、前から会いたかった人に会えた。だけど、それを直接伝えることができなかった。自分のコミュ障さが憎い。
だから、来年はおひさしぶりです!とまた挨拶して、いろんな話をしたいなーとも思った。
オンラインで家からも参加ができて、セッションをオフラインと同じように視聴ができるけども、やっぱりカンファレンスはオフラインが良い。これはライブにも通じるところはあるけれども、実際にオフラインでのコミュニケーションや、熱気や雰囲気を感じ取るだけでも得られるものはあると思った。
楽しかった。気持ちがアップデートされた。
なので、来年を今から楽しみにしている。
参加された皆さん、お疲れ様でした。