ネオバンク(デジタルバンク)系スタートアップまとめ
まだ日本では大きなトレンドには至っていない新しい銀行の形である「デジタルバンク」(ネオバンク)とも呼ばれる企業をいくつかまとめて紹介します。
元々最初のキャリアで銀行員として働いていたからこそ、そのサービスがいかに革新的なのかよくわかる気がしています。
フィンテックによりデジタル化した銀行はどのようなサービスを提供するのか、どんな強みがあるのかを紹介していきます。
そもそもネオバンクとは
Wikipediaでは”Neobank”として以下のように定義されています。
A neobank is a type of direct bank that is 100% digital and reaches customers on mobile apps and personal computer platforms only.[1][2] Neobanks do not operate traditional physical branch networks. Neobanks are technology-driven and may adopt machine learning and artificial intelligence technologies whilst not being constrained by legacy systems of traditional banking competitors.
ネオバンクは、ダイレクトバンク(オンラインバンク)の1種で100%デジタルでモバイルアプリやPCをプラットフォームとして顧客にサービスを提供する銀行です。ネオバンクは従来の銀行のような支店網を使ったサービス提供は行いません。それは従来の銀行が時代遅れのシステムに制約される一方でネオバンクはテクノロジーを活用し、ときには機械学習や人工知能を駆使しています。
簡単に言い換えると、『新しい技術を使ってスマホやwebを介して金融サービスを提供する銀行』とまとめることができます。
ただ、スマホやwebを通じてサービスを提供するだけでは、革命的なサービスとは言えません。
ここから紹介する具体的な企業・サービスの事例でいかにネオバンクが革新的かがわかると思います。
Revolut
Revolut(レボリュート)はイギリス発のフィンテック企業で、創業からたった3年弱で時価総額が1700億ドル(1900億円)にまで成長した超注目のフィンテックです。
2015年創業で、金融機関出身の2名のFounderによってサービスがスタートしました。
Revolutの最大の特徴は以下の3つです。
- 無料で数分でアカウント(銀行口座)を作れること
- インターバンク・レート(最優良レート)で両替ができること
- 海外送金も、両替も無料で行えること
サービスのローンチ時から東ヨーロッパからイギリスへの出稼ぎ労働者を中心に利用者が急増しました。広告宣伝費を一切かけないというポリシーで、サービスの圧倒的な利便性と口コミだけで広がっていった超優良フィンテックです。
N26
ドイツ発のネオバンク系フィンテックサービスです。当初は、圧倒的に使いやすいユーザーインターフェースを用意して、アプリの裏側は従来の銀行と提携することでサービスを運営していました。
その後、利用者数が増えたこと、資金調達をして資本力がついたことでN26自体が銀行のライセンスを取得して、正式にネオバンクの仲間入りをしました。
Revolutと同様に多くの金融サービスを安価に提供するとともに、家計簿や旅先での保険など付帯サービスにもワンストップでしかもストレスなく使えることで若い世代を中心に人気を博しています。
Nubank
上記2つが欧州で展開するネオバンクである一方でNubankは南米で新しい銀行の形を実現するフィンテック企業です。
Nubankは他の地域と違って、住所がなかったり、身分証が足りないなどこれまで銀行口座を持てなかった人たちにも口座を持てる機会を提供する革新的な企業です。
現在はブラジルを中心にサービスを展開、今後の南米を中心としたエリアでの拡大を目指して急速に成長を続けています。