思考力とはどう鍛えられるものなのか

Takayuki Shimizu
Sep 2, 2018 · 6 min read
thinking

ロジカルシンキングとか、事業戦略とか、なんとか思考というたぐいは、ポピュラーだが、人気の反面しっかりそれを身につけるのはかなり難しいし、具体的にどうしたらいいかと言われると難しい。

仕事で1on1やメンタリングなどしていても「エクセルが早く使えるようになること」や「プログラミングができるようになること」「簡潔なコミュニケーションができるようになること」などは具体的にとてもアドバイスしやすいが「戦略を考えられるようになりたい」とか「物事を論理的に考えられるようになりたい」とかについては、なかなかこうやればOKといったことは言いにくいなと思うことがよくある。

自分自身もいろいろ試し、あまりうまくいったほうではないと思うが、小さな経験数からの今の結論は

  • 自分より思考力の高い人に
  • 丹念にフィードバックをもらって
  • 同じ論点に対して複数回考えて
  • フィードバックがなくなるまで
  • 以上を繰り返す

ことでしか鍛えられない

のではないかと思う。多くの人にとっては、という前提はつけたほうがいいかも知れない。
当たり前のようだが、思ったよりこれ以外にいい方法がないのかもしれないというのが今回のポイントになる。

思考力が上がるというのは、自分の考え方に対してPDCAが回るということであり、自分の思考の間違いに気づき、意識しながら考え方をかえ、正しい考えでなにかしらのアウトプットを出す、という成功体験の繰り返しからうまれる。
なぜそれが上位の他者から教えてもらわないと伸ばしにくいのかを、3点にして整理していく。

  1. 思考力向上の基本は体験学
  2. 思考法ほど自分で認知しにくいものはない
  3. 正しいフィードバックをすること自体が難しい

1.思考力向上の基本は体験学

一つの思い当たる理由が、思考力というか考え方というか、そういったマニュアル化しにくいものというのは、たいていが「体験学」で、本を読んだり研修にいったりして知識としてインプットしたあとに、その方法で実際に新しい思考の方法を繰り返す必要があるスキルだからだと思う。

思考力を上げる/身につけるというのは、ある意味スポーツに近く、知識として知ったことを体になじませるという感じで、なじませて思考方法それ自体に頭のメモリを割かないで、具体的なお題を考えられている状態になること。そこまでいったときに初めて思考力が上がった(変わった)といえるのではないかと思う。
たとえば、英語で話すというのもある意味新しい思考法を学ぶことであるが、会話のときに勉強した文法ばかりを考えていると、英語の文法はわかっていても、なかなかいいアウトプット(会話)はでない。思考法自体にメモリを割かずに思考のアウトプット(会話)ができるようになって初めて、新しい思考法を身につけたといえるだろう。

2.思考法ほど自分で認知しにくいものはない

これ以外に方法がないかも知れないという2つめの理由は、多くの場合自分で自分の今の思考方法にたいしてフィードバック(差分に気づき・言語化する)をするのはとても難易度が高いからだ。
まず目に全く見えず、あとから振り返るということが非常にしにくい。
ではリアルタイムで、と考えても、自己認知・メタ認知が得意で、自分の思考それ自体にリアルタイムでどう考えているかというメタをかけらればできるとは思うが、基本的にその方々は例外で、フィードバックは、その思考法について自分よりできる人か、その思考法を教えることの専門の人からもらうしかなくなってくる。

もちろん例外は考えられる。
たとえばプログラミングは比較的例外で、悪い考え方で実装したり、デバッグしたりすると、動かない・時間がかかる等の具体的なフィードバックが得られるから、比較的自分で「自分のここの考えが間違っていた」ということに気付かされやすい。ただこれも人によってできる/できないはかなり差がでる。
また起業家の人などは、基本自分が意思決定のてっぺんのため、基本レビュー相手はおらず、その状態で思考力が上がっていれば例外かもしれない。これは相対的に自己認知力が高く結果から自分で学び済んでいるケースが考えられる。

ただそういった方でもメンターのようにフィードバックしてくれる相手がいる場合も考えられるし、やはり他者から明確なフィードバックを貰えることに越したことはない。
ゆえにこれ以外に誰にでも勧められる方法があまりないように思える。

3.正しいフィードバックをすること自体が難しい

最後の3つめの理由は、思考力にたいしてのフィードバックそれ自体が難しいということ。フィードバックするということは、以下の3つをすることになる。

  1. あるべき姿が見えていて
  2. 現状が正確に把握できていて
  3. ギャップを整理してわかりやすく言語化して伝える

まず、自分で1~3をやることのハードルがすぐ高いことがわかる。自分がまだできてない思考の理想を自分で描いてギャップを知るというのは、自分でも書いていて何をいっているか混乱するが、難しいだろう。できたら苦労していない。
また単に他者から、というのも、同様に1のあるべき姿が正しく描けている人からでないと効果は下がるので、ここも注意が必要になる。1がわか っている人でないと3はできない構造だからだ。
また3も施工方法についてというのはおそらく特に難しいので、理想はこの人は人に教えることも上手だ、という定評のある方に。

ゆえに自分より明確にできる人からのフィードバックが望ましい。

まとめると:弟子入りしよう

まとめると、思考力を上げる方法は

  • 自分より思考力の高い人に
  • 丹念にフィードバックをもらって
  • 同じ論点に対して複数回考えて
  • フィードバックがなくなるまで
  • 以上をを繰り返す

と冒頭に書いたが、もっとシンプルにいえば

良き師を見つけて、弟子入りする

とも言えるだろう。

別に物理的にでなく、心の中でいいので師匠を探し勝手に弟子入りすればよいので、気軽に。自分自信もいろいろ迷ったが、この点に関しては

  • 準備として:本などからインプットして自分で試行錯誤しておき
  • 行動あるのみ: あとは師匠にぶつけて教えを仰ぎ、このサイクル量を増やす努力に集中する

でよいとのではないかと考えて行動してる。どうやったら、で不安で迷っていたり無駄にインプットばわりしていては時間がもったいない。準備ばかりしていてもなにも変わらない。

今読み返すとなんだか至極当たり前なことのようにも感じるが、銀の弾丸などないと思って、地道に努力し続けるしかないかと思っている。

Takayuki Shimizu

Written by

VP of Engineering & Product Manager at FiNC Technologies,Inc.

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