「第8回ニコ技深圳観察会」に参加させて頂きました!

武樋恒
6 min readApr 16, 2018

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「第8回ニコ技深圳観察会」に参加させて頂きました!

簡単ながらその感想など書いていければと思います。

ちなみにこれを書いている今は、フィンランドのヘルシンキからエストニアのタリンに向かうフェリーの中という感じです。

前回の自己紹介の通りVRの会社をやってますが、前職はハードウェアスタートアップにいたんだど、深センには色々と思うところがあり、4年前にも一度日帰りながら訪問したこともあったのでその違いを感じるためにも参加させて頂いた次第です。

時系列の細かい訪問先のお話などは他の方に譲り、私は全体の感想という感じで書かせていただきます。

■ファーストインプレッション、全体を通じて

前回来たときはスマートフォンケースなどを大量生産して安く捌くといういわゆる流行り物デバイス付属品の大量生産卸しみたいな感じの印象が強かった深セン。

ちなみに当時はブランド物の香水ケースをもしたスマホケースが数百円(国内だと数千円)みたいな感じのお店がたくさんありましたw

しかし今回はまさにハイテクデバイスの大量生産からの独自で改良された高機能デバイスまで揃うハイテクシティと言う感じ

いたるところにスマートフォン本体が並び、ドローンや最新デバイスのオマージュ(だが、独自の改良が加えられてる)がいたるところで売られ、単なるパクリデバイスの販売からいくつか進んだ状況を目のあたりにする結果となり、スピード感がこれほどまでに違うのかと驚愕しました。

さらに特筆すべきは決済方式ですね。

既に現金、紙幣は過去のものとなり、WechatPayをはじめとするスマホ決済が主流、というかそれ以外受け付けないレベルの普及をしており、一度会計で現金を出そうものなら嫌な顔をされる、驚かれるレベルの状況になっている。

こんな事すると、外部から来た人困るだろうと一瞬思ったが、むしろ外部から来て困るような人はいらず、来るならこっちのルールを知ってから来てね、行くときはこっちから製品持っていってすぐに市場シェアを取るからね、という有る種のプライドすら感じる状況となっている。

実際この状況に適用できない人は深センのスピード感、ビジネス観に合わないと思うし、事前にふるいにかけるという意味でも効果的だと思う。

とはいえそれが出来るのはすごいし、実際にそれで回っているということも日本のビジネス環境からの目線からは驚くべきことだ。

特にVR(しかも特定のデバイスを必要とするハイエンドVR領域)を生業とする私にとっては、以下に先方に理解してもらい、各種便宜を図った上で、少しでも活用が進むように日々活動しているので、ギャップに驚くばかりであった。

しかし生き馬の目を抜くようなこの発展状況、市場感の中で大きく成功するためにはこれぐらいシビアに取り組まないと成功は無いのだなと改めて考えるきっかけになった良い機会だった。

次は製造レベルについて。

昔は安かろう悪かろうという見られていた深センの製造現場だが、現場を見た限り必要十分なクオリティを担保しつつ(むしろそこラインに達して留め)

生産利益の最大化を図ってる、そして更に高めている状況が見て取れた。

過去国内の各種生産工場もいくつか見てきたが、やはり安心感やきめ細かさは日本が断然高いと考える。しかしその細かさは本当に必要だろうか、それで世界に勝てるだろうか?

早いサイクル前提の大量生産で世界を取ることが必要な現状において、高レベルの小~中量生産は必要なく、必要許容レベルの大量生産が重要であり、ただそのポイントを突き詰めているだけという事実をこれでもかと突きつけてくる。そしてその結果ビジネスとしても伸ばしている。

そしてその生産実績で培った技術と利益で新しい技術を研究開発して、イノベーションを起こし続ける。まさに言うことなしである。

更に、スタートアップにたいしてのインキュベーションの制度や対策、民官連携、大企業からのサポートからM&Aによるイクジットサイクルなど新しいイノベーションを生み出す体制と失敗してもまた再起出来る文化、さらに雪だるま式に拡大出来るような市場構築が綺麗な形でできていることもポイントだと考える。

そんな市場と現場の状況、国からのサポートなどがうまく回っている現状はどこまで伸びつづけるのか非常に興味深いと感じ、帰路についた今回の視察でした。

一応VR企業らしく、深センにできたViveスタジオにもしっかり行ってきました!!

■個人的な今後のウォッチ対象

しかし1点、個人的に今後注目したい点としては、この労働状況がどこまで続くのかということである。

現在9-9-6(9時~21時まで週6で働く)という労働状況が深センのスタートアップ、新興企業では普通との話をよく聞く(某T社によっては9-10-7とのこと)

この話を聞くと思い出されるのばバブル期の日本、まさにそのものではないでしょうか。

現場としてもやはり不満の声も出ているが、同僚とのポスト争いや、競争の為にやらざるを得ないという話を、今回現場で働く現地の方から聞いた。

スタートアップ側として、そのような働き方はやってきたし、必要があるとも考えるが、一生そのやり方で続くとは思えないし、正しいとも考えていない。

人口の違いや市場の違い、有り余る資本による確実なリターンなど前向きな要素は多々あるにせよ、いつ、どのタイミングで体制がかわるのか、それとも現状のままうまくやる続けるのかその点については引き続きウォッチしていきたい。

簡単な感想の羅列になりましたが、今回の深セン視察は非常に学びがあり、やはり自分の目で見て肌で体験することはとても大事だと改めて思った視察でもあったので、興味の有る方はぜひ一度自分の足で深センを訪れてこの空気に浸って見て欲しいと思います。

そして一人でも多くの方がより未来に対してワクワクして行動を起こすようになれば良いなと北欧の海の上からぼんやり考えながら締めの言葉とさせて頂きます。

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