広報という「マインクラフト」での初期装備

こんにちは!広報アドベントカレンダー2日目に広報経験半年で無謀にも突っ込んできた、ワカタビタキエと申します。どうぞよろしくお願いします。

2017年6月から、とある渋谷のIT企業に勤め始めています。未経験から、広報のほか、採用や営業アシスタントやオウンドメディアの編集的なこともやっており、毎日新しいことに触れ、刺激的な日々を送っています。

広報はマインクラフトのごとし

すべて未経験の中、ちょうど今のポジションを始めて半年ぐらいとなります。その中でも広報の職務にフォーカスして「私みたいなベンチャー系の未経験広報さんはこれをやっておくといいんじゃないかしら」というものを、この半年の経験を振り返りつつまとめていきます。もっと効率の良いやり方があるかもしれません。その場合はぜひ教えてください……!今回は、実際に20名ぐらいの会社で一人兼務広報の人がどういう感じで「うわあああ!わかんねえよおおお!」と言いながら前転と後転を繰り返してるか、みたいなところが垣間見える記事としてお取り扱いください。

なんでマインクラフトなの?と思っているそこの方。ベンチャー企業で未経験で広報を任されるということは、ほとんどノーヒントでマインクラフト(以下マイクラ)を始めることと同じです。マイクラを知らない方はぜひ始めてみてください。面白いです。オタクなのでゲームで例えることしかできなくてすみません。最初は、空は高いし海は深いし無限にフィールドは続いているし何したら良いのか全然チュートリアルもないし、「え、このゲーム本当に面白いの?」という感じなんですけども、知識を得て自分で課題を設定し開拓していく、というプロセスを踏んでだんだん面白く感じ、やがてハマるゲームなんですよね。

もちろん、知識を得るフェーズで攻略本や攻略サイトを見たほうが効率は段違いです。お仕事ならば尚更大切です。広報で言うと、まさに今回のアドベントカレンダーの1日目、加藤 恭子さんのベンチャーの広報はどうしたらいい?(広報マーケティングアドベントカレンダー2017)を読んでいただけるととってもとっても良いと思います。まず「こういうサービスを受けたいんです!」と会社自体にかけ合ってみましょう。専門的な職業なのにノーヒントは辛すぎます。

とはいえ、ノーヒント状態で始めざるをえない、という状況に陥いることも企業によっては多々あるでしょう。そこで生まれたての子鹿のようにスタートするわけなんですが、どこから始めたらいいのか全くわからない状態になります。それはマイクラで言うところの完全な初期装備・知識の部分、例えば「ベッド作って寝たら良いよ」「ツルハシ作って使えばいいよ」「肉は限界まで食べないと体力回復しないよ」がわからないために、右往左往することになるのと同じです。私もそうでした。

始めたばかりの状態で広報系の本を読むと「ぷ…プレスリリース!あたい、なんかよくわからんけどプレスリリース打つよ!」となりがちなんですが、それって知識なく溶岩に突っ込んでいくがごとくでして。今回は、その前の段階についてお伝えする形です。私もまだ一本プレスリリース経験しただけですが、結構な溶岩でした。

ということで、現在の私の肌感による、ベンチャーで広報未経験の方に必要なものをお伝えします。分類すると下記の通りです。

・ツールを持つ

・スタート地点を定める

・入り口を見つける

以下、それぞれ具体的にお伝えします。ここまでもそうでしたが、ここからもめちゃくちゃ長い記事です。忙しいけど内容だけ把握したい!という方は、要点を最後にまとめているのでそれだけでも読んでみてください。


ツールを持つ

記者ハンドブックPR手帳を買いましょう。もし、万が一、会社の経費で出なくても、自力で購入したほうがいいです。それぐらい初心者にも大事です。「ハッ、当たり前でしょ笑」と思った方は既に数段高いレベルにいらっしゃるので、ここの章、読み飛ばしていただいて構いません。というか、大体このレベルの話が最後まで続きますので、何卒よろしくお願いします。


■記者ハンドブック

記者ハンドブックは、様々な単語について「世の中的にどういう風に表記するのか」を記したものです。たとえば、←このTATOEBAって「例えば」「たとえば」どっちで表記したらいいの?ということがわかる、という具合です。とはいえそれが絶対的なルールというわけではなく、会社によって、漢字多めのガチガチな文章がよい、ひらがなが多いやわらかな文章がよい、というのは変わってきます。自社ルールを決めていけば良いのですが、最初から何から何までルール化するのは正直しんどい。そこで、この記者ハンドブックが役立ちます。文章を書く時に多くのプロが使っているものでもあります。何より読んでいるだけで面白い。広報自体は言葉を扱う職業なので、ぜひ一冊持っておきましょう。うまく伝えられた気がしないのでこちらの記事もご参照ください。

文章作成をプロ並みにする用字用語集の効率的な使い方/リリースの書き方基礎講座#7(Web担Forum)

■PR手帳

私は、PR手帳って重要なんだな、と今更気づきました。広報の勉強会で「今年のPR手帳買いました?」みたいな話がされていて「えっ、毎年買うもんなの?」とビビり倒した私。自分の会社に2015年の古いPR手帳が転がっており、読んでみるとまあ役立つ。広報の基礎基本を網羅でき、最新の語句についても解説が載っており、その年の、例えば「いい夫婦の日」がいつで何曜日なのかわかる記念日カレンダーもあり、そして各メディアへの電話番号が載っているというものです。超便利。最初に読んでいたかった。広報になってから半年経って、やっと最新版を買いました。これを見ている広報なりたての方、ぜひ今手に入れてください。

二冊とも、カバーを外すとシックでかっこいい見た目になるので、ビビッドな色合いが苦手な方も安心してください。レッツ購入!

スタート地点を定める

さて、ツールを手に入れたら、スタート地点を定めましょう。具体的には、下記の二点です。

・広報で何を期待されているか、確認する

・自分の会社のキャッチフレーズを決める

それぞれさらに説明していきます。


■広報で何を期待されているか、確認する

なんとなく、広報やってって会社から言われちゃったという方も多いんじゃないでしょうか。そして、そこから「じゃあ広報ってなんだろう」とすぐに調べるとドツボにハマっていきます。

ふわっとでもよいので、「お客様を増やしたいんだよね」「現在の顧客に信頼してもらいたい」「今の商品の認知度を上げていきたい」という、何故広報が必要なのか、経営課題のどの部分を広報によって解決するのか、という部分を社長ないし上司に確認しておくと、今後広報について検索していくときや色々な本を読むときに指針ができます。

そもそも広報という業務内容自体が、企業によって目的も内容も異なるんですよね。だから自社はどうなのかを先に確認しておくことが超重要だなと、やってみて感じました(逆に言うと私は「広報とは」から調べはじめてしまい、非常に効率の悪い動きをしていました)。

営業だって採用だってプログラマだって、どの職種でも「ポータブルスキル」×「自社スキル」の掛け合わせだと思うんですが、初心者時点での広報は自社スキル習得の重要性が高い職種だなと思っています。一方、「広報のポータブルスキルとは」みたいな話は、広報の先輩の皆様に、何度でもぜひ聞きたいお話です。経験を積み重ねないと本当にわからない部分だと思うので…!

■自分の会社のキャッチフレーズを決める

広報は、自分の会社を売る営業マンです。今の会社で営業をやらずに広報になった私は、まずどういう企業なのかわかるまで相当かかりました。だからこそ、自分の会社のキャッチフレーズを自分で決めてほしいのです。まだ自分自身で会社の全体像を知らなくっても、一回作ってみて、たとえば勉強会に参加した時にひとことで説明できるか試してみたりして、そのキャッチフレーズを磨いていきましょう。

そのあと、社内の人に、「今私って会社のことこういう風に外に説明してるんですけどもっといい表現ってないですか」とか、「営業で初めて会った人にどういう説明してます?」みたいなことを聞くと、よりわかりやすい企業の伝え方ができてくるのかなと。営業同行に行くのもかなり手っ取り早いので、早々に上司にお願いしまくるのも大事です。

自分自身が会社のコンセプトや自社の定形の説明文がわかることがとても大事で、借り物状態では伝わるものも伝わらないなあと思っています。なので自分でキャッチフレーズを作る→人に聞くが有効かなと思っています。

なんなら私と茶をしばきながら表現磨くみたいなこともしましょう。ぜひメッセージとともにFacebookなりTwitterにてお声がけください。ここってかなりチャレンジングな部分で、私もまだまだ未完成なので、一緒にできる仲間がいるとめちゃ嬉しいです。

入り口を見つける

さあ、スタート地点を決めたら、今度は入り口を見つけましょう。よりよいクラフトをするためにはマイン(掘削)が必要です。でも炭鉱が見つからなければどうしようもありません。具体的には以下ふたつです。

・Facebookアカウントを作る

・コミュニティを見つける

下記それぞれ説明します。


■Facebookアカウントを作る

Facebookメッセンジャーをこんなに使う日が来ると思っていなかった。というぐらいみんなFacebookを使っています。広報担当も記者さんも使っているので、もはやFacebookはビジネスSNSの様相を呈しております(いや、最初からそうだったのかも)。Twitterはそこまで活発に使用されていない印象です。一周まわって、これからはLinkedInの時代だなんて最近言われもしていますが、現状Facebook一強です。私は面倒くさがりでして、大学時代の留学してたときの写真など大量に残した状態でFacebookを使っています。プライベートと分離したい方はFacebookアカウントの過去を消しまくるなり、割り切って使い分けるなりなんなりしてください。Facebookアカウントあるなしで情報の速度がまったく違ってきてしまうので、なんとかしてぜひご活用ください。

■コミュニティを見つける

これFacebookのコミュニティもそうですし、広報の有料/無料の勉強会でもそうですし、広義の意味でのコミュニティと捉えていただければと思います。広報のコミュニティは、小さいものから大きなものまでたくさんあります。どれがいいとか悪いとか言う話は私は初心者なので判断できません。それでもどこかにまず飛び込んでいってみましょう。でないと全く情報がないままスタートすることになります。

個人的な気持ちで行くと、そういった人的ネットワークに自分をブチ込んでいかないと、まったく広報というものの全体像がわからないままになってしまいそう、という不安感が私の中にはあります。それは今の会社で広報の先輩がいないということにも起因しているのかなとも思っていますが……。こういう気持ちにならないためにも、最初からコミュニティへの知見も持っているプロにお願いできるならそうしたほうが随分良いのではないのでしょうか。

広報仲間ができるとご飯に誘ってもらったりするんですが、そういうのはぜひ、ぜひぜひ行ってください。めちゃめちゃ勉強になりますし、なによりご飯食べれる関係性の、同じ名前の仕事をしてる人がいるって安心です。

特に勉強会などのコミュニティは、基本的に各広報さんが本業の他にやっているものなので、去年あったコミュニティが今年ないというのはザラです(私も前任の広報担当から引き継いだコミュニティのリストでなくなっていたところ、いくつかありました)。継続するってこと自体がとても素晴らしいことです。コミュニティを続けている皆様、本当にありがとうございます。

広報のコミュニティは、経験者であれば必要と感じた時に自分で立ち上げることができますが、自信のない初心者にはどだい無理です。ということで、私からは3つのコミュニティへの参加をおすすめします。

広報LT大会 #PRLT

広報たん勉強会

広報・マーケティング情報交換グループ ※このアドベントカレンダーを主催しているところです

こちらの3つは勉強会・情報交換が活発に行われていますので、参加を強くおすすめします。他にもたくさんありますので、知りたい方は調べるなり、広報仲間に聞くなりでどんどん広げていきましょう。もちろん私にお気軽に聞いていただいても構いません。ぜひぜひ。


おわりに:地図を見つけ、そこから掘削する

コミュニティを見つけたらば、あとは「地図」を手に入れていきましょう。広報って、求められる知識の範囲が広い、エキサイティングなお仕事です。知らなければいけないことは、ざっくり言っても下記ぐらいは当たり前にあるかと思います。

・勤めている企業の業界地図

・メディア、そして広報業界の地図

・マーケティング(特にWebマーケティング)

・世の中の流れ

・広報が構造的にどういうものなのかの位置づけ

・社内の組織、ビジネスのあり方

・自社の商材が競合より優れている点

・自社のお客様がどういう方々なのかの把握

・広報活動の効果計測の仕方

ここから掘削し、それぞれの知識を深めていきます。ここが、今回広報はマインクラフトだと私が勝手に思う理由のひとつです。掘削が必要なんです。そこにたどり着くための地図を入手するだけでも、自力のみだと非常に時間がかかるものと思います。何度でも言いますがプロに頼めるなら頼んだほうが絶対に良いです。

こういった知識を積み重ねて、プレスリリースやコンテンツ作成などの「クラフト」が初めてできるんじゃないかなと思っています。最初にプレスリリースを書こうとすると、これらの知識収集作業とアウトプットを同時かつ一気に片付けていかなければならないのでとっても厳しいなと感じます。一方で、厳しいだけに様々なことを知る近道になりうるんだろうな、ということも思うので、プレスリリースをまずリリースせずとも自分で書いてみるということも有効な一手ではないでしょうか。情報の咀嚼をして自分ごと化してコンテンツ作るって、なかなかすぐにはできないことだと思うので、ここはもう1年単位ぐらいで腰を据えてドーンとやっていきたいところです。という気持ちで私はいます。


まとめ

■ツールを持つ

記者ハンドブックPR手帳を買う

■スタート地点を定める

・広報で何を期待されているか、確認する

・自分の会社のキャッチフレーズを決める

■入り口を見つける

・Facebookアカウントを作る

・コミュニティを見つける

■地図を見つけ、そこから掘削する


自力で雑草のように、さらには兼務のなかで、未経験から広報担当をされている方もたくさんいるかと思います。いろんなことがあるでしょうし、わからないことだらけだし、思うようにならなくって辛いこともたくさんあると思います。でも、私思うんです。広報って、自分の会社を世の中に発信できる素晴らしい職業だなと。「伝えること」って、これだけコミュニケーションが密になってきた世の中では本当に重要ですし、一定の力があります。その力で、企業組織の内側からビジネスの発展に貢献することができる、非常に誇り高き職種が広報なのではないでしょうか。そんな広報という素敵で刺激あふれるマインクラフトを始めたての皆様、ぜひ私と一緒に、ともに頑張っていきましょう。どこかでお会いできたら、気軽に話しかけてください。

そして広報のエキスパートの皆様、このお仕事を続けられてきたこと、本当に尊敬しています。ぜひ私をはじめとする初心者に、いろんなことを、ちょっとだけでも、教えていただけたら嬉しいです。

非常に長くなったこのブログを読んでいただき、ありがとうございましたー!またお会いしましょう!ワカタビでした。