Google PayのモバイルSuicaがApple Payのそれと同じだと思ったら大間違いだ!
ついにGoogle Pixel3が日本に上陸しました!(遅い)
今回、Pixelシリーズが初めて日本で発売されるに当たり、ひとつ目玉だったのが日本版PixelへのFelica搭載。少し前にGoogle PayでモバイルSuicaが利用できるようになったため、発表前から噂があった通り、Pixel3でもついにモバイルSuicaを使用できるようになりました。
これを機に、2年半超のXperiaを手放してPixel3を手に入れた筆者も、念願のモバイルSuicaを使用するに至ったのですが、その過程はとても「簡単」とは言えないものでした。なぜって、iPhoneと同じだと思っていたら、まったく違っていたのです!ということで、今回はその辺りについて深掘りしていこうと思います。
ちなみに海外版のPixel3にはFelicaは搭載されておらず、代わりにeSIMが使えるようです。Felicaって日本のガラパゴス機能なので、海外では不要なんです。うーん、eSIMも捨てがたいが。。
今回のケースの状況まとめ
一口にモバイルSuicaへの移行といっても、ケースによって対応方法も異なるので、まずは今回の筆者の状況をまとめます。
- 既にSuicaカードを持っており、定期券として使用している。
モバイルSuica移行後も定期券として使用したい。 - 既存のSuicaカードにはチャージ残高が残っている。
チャージを払い戻す場合は手数料(220円)がかかる。 - クレジットカードは持っているが、VIEWカードは持っていない。
VIEWカードはJR東日本グループのカードで、これがあればモバイルSuicaの年会費が(当面)無料となる。
以上より、新規にSuicaカードを発行するのではなく、既存のSuicaカード(定期券含む)をモバイルSuicaに移行する方法を模索します。
Google PayでSuicaを作ると定期券は使用できない!?
既存のSuicaカードをモバイルSuicaに移行する場合、モバイルSuicaの初期登録時に既存のSuicaカードの番号を入力する必要があります。
モバイルSuicaを初期登録する方法は2つ。Google Payアプリで登録するか、モバイルSuicaアプリで登録するかです。下記表(こちらの抜粋)を見ると、Google Payアプリの方は年会費無料なので、良さそうに見えます。
しかし、実際にGoogle Payアプリで登録を進めると、既存カードの移行に関する入力がないまま完了してしまいます。そうなのです。Google Payアプリで登録する場合は、既存カードの移行はできないのです。
確かに、表をよく見返してみると、「継続購入だけできるよ」と書いてあります。これは、「モバイルSuicaアプリで新規登録して、年会費を払ってくれている人は、Google Payアプリから定期券の継続購入ができるよ」という意味なのです。うーん。求めているのは、これじゃない感。。
モバイルSuicaアプリから登録すると年会費がかかる!?
ではモバイルSuicaアプリから新規登録する場合はどうなるでしょうか。アプリを開始すると、「モバイルSuica」と「EASYモバイルSuica」という2つの選択肢があることがわかります。
EASYモバイルSuicaは、クレジットカードの登録が不要な簡易的なサービスで、年会費がかからない一方で、既存カードからの移行はできませんし、定期券も購入できません。お気付きの方も多いと思いますが、Google Payアプリから登録した場合は、こちらの会員として登録されることになります。
つまり、定期券として利用したい場合は通常の「モバイルSuica」を選択する必要があり、クレジットカードの登録が必要となります。そして、上でも触れていますが、ここで登録するクレジットカードがVIEWカードではない場合、年会費がかかってしまうということになります。なお、VIEWカードだとモバイルSuicaの年会費は当面無料になりますが、VIEWカードの年会費がかかるので、結局同じことになります。
実はこれは、Google PayがSuicaに対応する前から変わっていないのですが、なんだかこれを見るとGoogle PayのSuica対応があまりに中途半端な感じがしますね。
Apple Payも同じなの?と思ったら全然違った!
このJR東日本の意地悪な戦略は、Apple Payでも同じなのでしょうか。私はiPhoneユーザではないのですが、iPhoneユーザから年会費の話を聞いたことは一度もありません。
ということで、「モバイルSuica会員規約」に目を通してみると、、
むむむ。「App Suica会員」とな。これはなにかな?
特定携帯情報端末。。嫌な予感がします。「特定端末Suica特約」とやらを見てみましょう。
やっぱり!Apple社の製品を保有している会員(つまりiPhoneユーザ)は年会費がかからないと書いてある!
ちなみに規約を読んでいると、紛失等に伴う再発行時の手数料がかからないなど、App Suica会員が優遇されていると思われる点がいくつか見つかります。なんなんでしょう。このAppleの強気な特約。かなり強引な交渉が繰り広げられたのではないかと勘ぐってしまいます。
Google Payでも年会費無料でモバイルSuicaを使う!
さて、話を戻して、Google PayでモバイルSuicaを無料で使用するにはどうすればよいでしょうか。上述のように、今のところは、クレジットカードとしてVIEWカードを登録する以外に方法がありません。
VIEWカードは年会費がかかる、と上で説明しましたが、実は特定の条件で年会費が無料になるVIEWカードがあります(この辺りは他のブログにいろいろ記載があります)。筆者が作成したのはビックカメラのSuicaカード。前年に一度でも使用されれば年会費が無料になります。クレジットカードは極力作成したくないのですが、まぁVIEWカードからSuicaへチャージはすれば還元率1.5%だし、JCB持ってなかったので、まぁいいかなと。
モバイルSuicaへの移行が完了したら
ちなみに面倒くさいついでにさらに面倒くさい点があります。ひとつはSuica(定期券)を移行しても、チャージ済みの電子マネーの以降は翌日でないとできないということ。また、Suicaカードのデポジット500円の返却は、実際にみどりの窓口に行ってカードを返却しないといけないということ。どうやらこの辺りも、Apple Payとは違うようです。
あと、これは完全に愚痴ですが、モバイルSuicaのシステムは、明細を確認できるのもポイントが反映されるのも翌日、電子マネーとしての利用明細は「物販」のみ。アプリもトップ画面以外はガラケー時代のレトロUIと、かなりレガシー感が漂う仕様になっていて、なんだか涙がでちゃいます。まぁ改札のシステムは素晴らしいのだけど。
JR東日本のモバイルSuicaの戦略はビジネス面では正しいかと思いますが、ユーザには優しくありません。しかし、そんな強気のJRを上回る強気な契約を取り付けるAppleもすごい。。Googleは、もうちょっと頑張って欲しいです。
モバイルSuicaについてはもやもや感の残るPixel3ですが、操作性もカメラもデザインも文句なし!スマホ買い替えを検討の方は、ぜひ候補に入れてあげてください。