子供だけじゃもったいない!妖怪ウォッチにみる UX/UCD

妖怪ウォッチといえば、ここ数年子供たちに絶大な人気を誇るゲームです。遊んだことはなくても、一度くらいは見たり聞いたりしたことはあるのではないでしょうか。今日はそんな妖怪ウォッチのすばらしさについて語りたいと思います。

大人になってからは普段テレビゲームで遊ばないタイプの人間ですが、スーパーマリオやドラクエといったファミコンソフトで育ったので、年に一度くらいはゲームしたいという気持ちになります。そんな気持ちが久しぶりにやってきたので、Nintendo 2DS と妖怪ウォッチを買うことにしました。妖怪ウォッチを選んだ理由は、子供向けっぽいけど世間で話題になってるから体験してみようという気持ちからです。

ゲームを始めてみてまず驚いたのがそのクオリティ。導入部分や各所でテレビアニメを観ているようなボイス付きのアニメーションがふんだんに使われています。自分が知っている限り、今までのゲームでは静止画をスライドインさせながらドラクエ風に文章を表示する程度のものでした。また、妖怪ウォッチは随所にすばらしい作り込みが見られます。マップ上のアスファルトは掘り返し工事による色違いの箇所があるほど再現性への拘りが高く、街の人々は従来のように同じ場所を行ったり来たりしているだけではなく生き生きと歩いていました。

ゲーム自体の内容も非常に良く、特筆すべきは次に発生するイベントの方向がマップ上に示されていて迷うことがないことです。こういう配慮は、RPG がまだ難しい時期の子供だけでなく、効率よくストーリーを楽しみたい大人にも大変優れいていると感じました。初代ゼルダの伝説で、洞窟のおじいさんが何もヒントをくれなかった時代から積み重ねてこのシステムが生まれていると考えるととても興味深いです。

昔のゲームはヒントが何もない

さらに、パーティーが全滅してペナルティを課せられないのも良い体験でした。所持金が半分になるプレッシャーを抱えながら冒険していた時代はもう過去のものです。わざわざネガティブな体験を与えない。スマホゲームがプレイヤーの射幸心を煽るように作られているのと相反して、純粋なゲーム体験の良さを目の当たりにしたように思います。

そんな妖怪ウォッチのクロスメディア戦略は有名な話ですが、その陰ではユーザー中心設計が行われていることも見逃せないポイントです。レベルファイブ代表の日野晃博さんはインタビューで次のような発言をしています。

『妖怪ウォッチ』って、ものすごく子どもたちをちゃんと見て作れたタイトルだったんです。これがこれだけうまくいったということは、やはり見ないといけないのは最終的に子どもたちだったんだなというのを、再認識させてもらいました。つくりたいものをつくるのではなく、子どもたちの状況を把握して、ゲームやアニメのなかで何が起こったら面白いんだろうと徹底的に考えて作れたタイトルだったので、今後もそこをしっかりやっていきたいですね。

日頃すばらしい製品に出会ったとき、“良い製品は売れる” と考えがちですが、“ユーザーの事を真剣に考えたから良い製品になった” のであり、そういった姿勢がユーザー体験を生んでいくのだと肌で感じさせられた作品です。

ちなみにプレイステーションのパラッパラッパー(1996年)以来ゲームをクリアした記憶がないほど飽きっぽいにも関わらず、妖怪ウォッチはあっという間にクリアしてしまいました。夏には妖怪ウォッチ3が発売されるから、みんなで妖怪メダルを集めようよ!