Highly Sensitive Personとプログラマーという職業

terrierscript
Oct 4, 2018 · 8 min read

Highly Sensitive Person(HSP)/ High Sensation Seeking(HSS)という性格・特性の研究について調べたことをまとめておきたい。
※ Hot Soup Processorの話は出てきません🙄

TL;DR

  • HSP / HSSという性格に関する特性があるので知っておくといいかもよ
  • HSPってプログラミングめちゃくちゃ向いてると思うんですがどうでしょう?
  • でもWebエンジニアとしてやっていく場合少し避けるべき部分もありそうだと思ってるよ

前置き

このワードをネットで調べるとなかなかに怪しい記事がたくさん出てくる(まあこの記事も似たようなものではあるのだけど)が、元は20年程度研究されている学術的なものらしい。

これについて提唱したエレイン・N・アーロン博士のHPを見ると、詳細な情報が出てくる。日本語訳サイトもあるが、こちらは一部翻訳されている形だ(しかしナビゲーションが難解)。サイトにはのセルフテストがあるので、気になる方はこれを実施すると良いだろう。

自分の場合はHSPは15点、HSSは13点でHSPとHSSどちらも当てはまるタイプに分類される可能性があるようだ。
ちなみにセルフリストの下部にも記載があるが、該当数が基準値を下回っていてもとても当てはまるものがあれば可能性があるとのことだ。

HSPについては前職で@notoさんから1on1をしてもらってる時に教えてもらったもので、今回はそれから少し自分でも調べたものを中心に記述している。 研究がされているから100%存在が実証されたわけでもないものの、少なくとも個人的にこの考えは自己認識や働き方の戦略に役立つものだった。

もしあなた自身があてはまらなくとも、部下や同僚、または子供などがそうであれば役に立つ概念の可能性はあるだろう(が、逆にHSPだと勘違いして悪化するという可能性についても言及されているのでそちらも注意していただきたい)

HSP / HSS の特徴

まずこれはあくまで先天性の性格・特性として研究されているもので、病理とは切り離されて言及されている。この記事も比較的ポジティブな方向としてまとめている

ざっくり言えば「人よりも繊細・感受性が高い特性」と言える。
割合としては15〜20%の人間に見られる特性で、人間以外の動物でもこの傾向が見られるらしい

主な特徴はDOESという単語で説明されており、下記が共通して見られる性質と書かれる

  • D=Depth of processing(処理が深い)
  • O=easily Overstimulated(刺激を強く受けやすい)
  • E=Emotional responsiveness(感情的な反応が強い)
  • S=Sensitive to subtle stimuli(微妙な刺激に繊細)

5人に1人というのは結構多いので、その人達が全て同じ性格というわけでは無いが、上記4つは共通して見られる特性だそうだ。
その他文献によるが、争いを好まない、良心的、責任感が強いというワードが並んだりする場合もある。このへんはHSP向けに好意的に解釈されたものと見ておくのが良いんじゃないかと思っている。

書籍などを幾つか見た所、HSPは基本的に少数派のため「生きづらい」と感じることが多いらしい。個人的に生きづらいとまでは思ったことは無いが、ホームパーティーでしんどくてトイレに隠れるというエピソードには「あー、これはわかる」と共感する部分があった。

生きづらさを感じる原因は単に数の問題になる。これも文献にあった例だが、左利きの人が右利きという多数派に合わせているためという表現がなるほどと思えた。

もう一つ同時に挙げたHSSは刺激を追い求めるという性質だ。これは一件HSPに対立するように見えるが、一人の人間に併発する事もある特性だ。つまりHSPは単に内向的な人だけに現れるものだけではなく、外向的な場合にも無関係ではないということだ。

どちらも持つ場合”刺激追求型HSP”と呼ばれるらしく、「刺激を追い求めつつやられて疲れる」という大変面倒くさそうな特性となる。HSPの中の更に30%(つまり全体から言えば6%〜4%)がこれに該当するそうだ。

先の結果から自分もこれに該当しそうだが、例えば比較的飽きっぽい部分があったり、ルーチンワークが得意でなかったり、フロントエンドという落ち着かない環境を好んでいるなど幾つか思い当たる節がある。(自分が外向的とは感じていないが、こういう性質もあると考えると色々と辻褄が合う感じがしている)

HSPとプログラミング

ここまでHSPというものを見てどんな印象を抱くだろうか?あくまで個人的な見解だが、とてもエンジニアに向いていると感じた。この特性のおかげでご飯が食えているのかもしれないとすら感じたほどだ。

そもそもとしてプログラミングというのがセンシティブだ。1文字違うだけで全然違う結果になるのもあり得るし、答えが一つあるわけでもなく多角的な創造性が求められる場合も少なくない。
先のHPには「繊細さは文化によって異なった評価を受ける」ともあるが、プログラミングの世界は、繊細さを高く評価する世界だと十分に言えると考えている。

また、職場環境としても(あくまでWeb開発では)特性上一人で集中して作業をするということは少なくないし、リモートや勤務時間など他の職種に比べると融通の効きやすい職業ではあるといえるだろう。実際自分はさほど生きづらいというようなことを感じたことが少ないのは社会人生活をそういう環境で過ごしたからかもしれない。

HSPが向いてる生活方法にフリーランスというのも挙げられる。エンジニアは比較的フリーランスという道が開いている職業なので、会社員としてどうにも辛い場合は検討することもできるだろう(とはいえやってみると楽な事だけでもないので、個人的にはおすすめするものでもない)

それとこれは勝手な想像だが、Web開発の現場はHSPの割合が一般的な社会よりも多くなったり、場合によってはHSPの方が多数派という環境もあるのではないかと感じる。
これまで自分があまり生きづらいと感じなかったのはここに原因があるかもしれないとも思っている(もしこれを読んでるHSPの研究者がいたら研究対象にいかがですかね?)

HSPが向いてない部分

一方で当然全て向いてるというわけではなかったり、または一長一短になる業務もあるだろう。

マネージャーやリーダーという仕事は一長一短を感じる。メンバーやプロダクトの些細な変化を捉える事ができれば、かなり仕事に活かすことが可能だろう。一方であまりに大きすぎる責任を背負うことは向いていなかったり、社内政治のような事に巻き込まれることもあるだろう。自分もそうだが争いごとや競争が苦手と感じている場合は、ここは難しいポイントになって来そうだ。(なんとなく上手いリーダーはそこらへんのいなし方が上手い気がしている)

そして新しい技術が定期的に発生するというのも人によっては辛い部分だろう(ここはちょっと自分が程度がわからないのでなんとも言えない)。プログラミングにおいて、新しいものが出ることは少なくない。特にパラダイムシフトが起きるというのはHSPにとっては厳しいこともあるのかもしれない。このへんは扱う分野にも寄るので、自分が適切に感じる部分に特化するという手を取るとよいのかもしれない。DBやアーキテクチャは比較的地殻変動が少ないだろう。

まとめ

ここまでHSPについて、そしてそれがプログラマーとしてどうかということを書いてみた。深く考えすぎる必要は無いと思うが、知っているだけで役に立つこともあるだろう。(が、どうしようもなく困っている人はカウンセラーなど専門家などに相談してほしい)

「え?こんなのみんなそうじゃないの?」と思った人は、もしかすると75〜80%はそういう感性ではないということで世の中を見回すと少し対処の仕方も変わってくるかもしれない。

自分の向き不向きを自認する事は幸福度を上げるのに不可欠だ。
もしこの特性がその一端になれば幸いだ。

書籍

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