ARアプリについての雑感

timakin
7 min readSep 29, 2017

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概要

2017iOS11になったのでARアプリをちょくちょくインストールしているが大変楽しい。

出たてなのもあってまだ母数は少ないけど、どれを触ってもダメだなーというのはなく新鮮さに溢れてる。

個人的な興味もそうだけど、自分が今身を置いてる部署も新規事業について考えるところなので、触っておくに越したことはない。

今回ストアにフィーチャーされてないがそれなりに有名なアプリも含めて、アプリの傾向なり体験の問題とかを感じたので、いずれ誰かと話す時用にメモを残す。

個人的な分類

既存のアプリは大まかに分類して、

  1. 空間計測
  2. 空間ペイント
  3. 規定モデルの設置と鑑賞
  4. 単純なモデル設置だけでない箱庭の設置

などの用途でアプリが使用できる。

空間計測

AirMeasureとかがこれ。

正直だいたい誤差が大きく、普通にメジャーで測ったほうが早いのでは、というものが多い。

棚の高さとかを測る時、だいたいこの辺りを頂点として測ろうと決めてカメラを傾けつつ測ったりするのだが、手元からの距離感によって数値が頻繁に変わるので、あてにならない。

一方で、一度座標を固定するとそれを記録して、線を引っ張って距離を算出する、というような動作をするものもあって、できるだけユーザーの腕に依存しない計測ができるように配慮がされてるものもある。

空間ペイント

現実をキャンバスとした3Dお絵かきアプリ、みたいなもの。

WorldBrushやLightSpace, ARトイカメラあたりが有名なのかも?

今までにない体験としては、ペイント中にカメラを動かしたり自分が移動したりすると、奥域を持った絵が描画できていて、それをオブジェのように眺められること。

問題としては、ペイントの最中にアプリの画面を押すとどうしてもブレるので、雑な落書きが大量生産される。

規定モデルの設置と鑑賞

あらかじめ用意された3Dモデルを、リアルの背景に設置できる系。

Sketchfabなどの多くのモデルから自由にモデルを選択できるもの、Standlandのようにゲーム中のキャラクターを設置できるもの、IKEA placeやRoomCoのようにより実感を掴める商品カタログとしてのアプリがある。

Sketchfabにはたまにオリジナルのキャラとかが上がってて、店頭でフィギュアを試しに見るみたいな感覚でモデルを見れる。もともと3Dモデルのプラットフォームを持ってるのも、とっかえひっかえできてユーザーとしては飽きない。

ゲームのキャラクターに関しては、特に動作せず、ただ設置するだけのものがあったり、あくまで既存ゲームの宣伝としてAR機能を増設工事的に入れたものもある。

商品カタログ系は、車や家具など、スペースの扱いに対してセンシティブになるものを対象にしたアプリが多い。

単純なモデル設置だけでない箱庭の設置

はらぺこあおむしや、StackAR、Thomas & Friends Minis、Ariseとかの、3Dモデルが自律的に動いたり、一種の遊び場を用意できるようなのがこれ。

題材が子供っぽいものも多いが、このジャンルが個人的には一番好き。

実際にそこで生きてる感じがするのと、トーマスなどは子供の時遊んだ部屋がそのまま再現できるような感覚を覚える。

箱庭系のゲームが楽しめる人はこのジャンルのアプリはどれも楽しめると思う。

あとなんでかわからないが、これらアプリはカメラが動いてもあまりモデルが変にずれたりせず、綺麗に固定されるものが多い。むしろカメラアプリとかのほうがずれる。

まとめ、今後こういうのが出るのでは的なこと

色々見て見たが、規定モデルの設置と鑑賞, 単純なモデル設置だけでない箱庭の設置が特に好きで、無限に時間を消費できる。

Sketchfabにあがってる部屋の3Dモデルを拡大して、画面を顔に近づけるとVRっぽい見え方をして、ARモデルの眺め方にも多様性があるとわかる。目が辛くてすぐやめたけど。

商品カタログ系は、表面認識が荒くて浮いてしまったり、壁にめり込んだモデルを移動させるのに苦労しなければ、奥域(もっというと厚さ、縦横にすぼまった複雑な形状など)を見れるのは、店頭で物を見てからネットで購入するという体験をまるっとリプレイスして、ARアプリとECだけで購買体験を完結させることもできるかもしれない。

箱庭系はすぐ気がつくが、レゴやマインクラフトなどの固定しやすいモデリングを現実でそのままやることで現実で資材を買わなくても楽しむことができる。プラレールやトミカとか、そういったものもトーマスのアプリをやってみて思ったが置き換えられそう。部屋に置く高いおもちゃを買い与えるよりも、3Dモデルをポンポン置ける高品質なアプリのほうがコスパもいいし親御さんのお財布にも良い。

また、キャラクターが動き回ると2Dで遠目に眺めるより親近感を持てるので、デスクの上でモデルを動き回らせるだけで30分くらいが経過する。地方自治体のゆるキャラとか、アニメキャラクターなどを置いて見たりして、人気の高いシーンを手元で再現して見るとかすると面白そう。

なんにせよ、開発側の利益とユーザーの体験を、うまくバランスして回していけそうだし、モデリングを除けばVRのように筐体の固定費もかからないので、ARのほうが現実的な、すなわち地に足ついてユーザーに使われる現実味を前提とした進化の可能性を感じる。

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