プロダクトオーナー
駒ちゃん「最近、うちのおかんがシステム開発に興味を持っててなぁ。名前は忘れたんやけど、その開発手法には “プロダクトオーナー” ってゆー役割があるってゆーてたんやわぁ。」
うっちゃん「そんなもん、アジャイルに決まりやがなぁ〜。 ROI 最大化に責任を持つってゆーのがプロダクトオーナーやろ? 昔はなかった役割やねんから、アジャイルに決まりやがなぁ〜。」
駒ちゃん「オレもアジャイルやと思たんやけどなぁ、ちょっと気になることがあんねん。」
うっちゃん「なんなんよ? 気になることがあるんやったら、はよ言いなぁ〜。何? 何? 何が気になんのぉ?」
駒ちゃん「そのプロダクトオーナーはなぁ、スクラムなんて初耳やってゆーてたわぁ。上司に言われて突然やることになったんやてぇ。」
うっちゃん「ほなぁ、アジャイルとちゃうかぁ…。プロダクトオーナーは最重要ロールやから、今日言われて明日からできるってゆーもんとちゃうからなぁ〜。あ、でも、凄腕のスクラムマスターがおってサポートしてくれるんとちゃうの?」
駒ちゃん「うん、まあ、スクラムマスターはおるんやけどなぁ、新卒二年目で、やっぱりスクラム知らんってゆーってたわ。」
うっちゃん「それやったらアジャイルちゃうやろぉ〜。肩書きだけのプロダクトオーナーとスクラムマスターで、アジャイルにはならへんわぁ〜。フツーはちゃんと学んで練習せんと、なかなかできるようにはならへんのんよぉ? 肩書き名乗って、すぐにうまくゆくのはイメクラだけ! イメクラやったら医者でも弁護士でもチーフパーサーでもすぐなれる!! イメクラやないんやから、やっぱアジャイルとちゃうやろぉ〜!!! おかん、他にもなんかゆーてなかったかぁ?」
ワンチーム
駒ちゃん「そーいえば、ワンチームで開発するってゆーてたと思うわ。」
うっちゃん「それやったら、やっぱりアジャイルやないのぉ〜。機能横断型の一つのチームで開発するのがアジャイルやもんなぁ〜。これはもう、アジャイルで決まりやろぉ〜。」
駒ちゃん「オレもそう思たんやけどなぁ、”事実上のワンチーム” ってゆーてたんよ。」
うっちゃん「えっ? ちょっと待って。 “事実上” ってどーゆーこと? もうちょっと詳しく教えてくれへん?」
駒ちゃん「えっとなぁ、サーバー、フロント、インフラの三つのチームで開発して、その後、運用チームに引き渡すらしいんやけどなぁ、 “うちは密なコミュニケーションにより、事実上、ワンチームと同じ!” ってゆーことらしいんよ。」
うっちゃん「ほなぁ、アジャイルと違うかぁ…。アジャイル以前とまるっきり一緒で、何も変わってないもんなぁ〜。 “事実上のワンチーム” は “実質上は四チーム” やもんなぁ〜。別々のチームやと、情報伝達がうまくゆかへんから、管理コストがかかるんよぉ〜。それやったら、アジャイルとは違うなぁ〜。」
駒ちゃん「ほんでなぁ、席もバラバラやねん。インフラチームは、フロアも違うってゆーんよぉ。」
うっちゃん「それのどこが密なコミュニケーションやねんなぁ〜。フロアが違うて、ラグビーでゆーたら、バックスが隣のグラウンドにおるようなもんやでぇ〜。そんなもん、いつまで経ってもスクラム組まれへんがなぁ〜。ぜんぜんアジャイルと違うやないのぉ〜。おかん、他にも何かゆーてなかったぁ?」
スプリントレビュー
駒ちゃん「おかんがゆーにわなぁ〜、スプリントレビューってのをやってるらしんよぉ。」
うっちゃん「それやったら、アジャイルやないのぉ〜。スプリントの締め括りに、できあがったものをステークホルダーにデモするやつやぁ。やっぱ、アジャイルやないのぉ〜。」
駒ちゃん「オレもそう思たんやけどなぁ、デモはやらへんらしいねん。」
うっちゃん「ほなぁ、アジャイルと違うなぁ…。せやけどデモせんかったら、スプリントの成果を確認できひんのと違うのぉ? そこんとこ、どうしてんのぉ?」
駒ちゃん「カッコイイ進捗報告資料をパワポで作ってるってゆーてたわ。」
うっちゃん「パワポかぁ〜。パワポはあかんわぁ〜。パワポの進捗資料はこの世の中で信じたらあかん三つのうちの一つやんかぁ〜。アマゾンのレビュー、ボジョレヌーヴォーの評価、そしてパワポの進捗資料。この三つはあてにならんて、死んだバァちゃんが遺言で残してたヤツやないのぉ〜。実際に動くものを見せて、フィードバックをもらうのがスプリントレビューやのに、パワポはあかんやろぉ〜。それやったら、アジャイルとちゃうやんかぁ〜。そんで、そのプロジェクトはうまくいったん?」
駒ちゃん「うん。まあ、一応、完成したらしいんよぉ。期日から半年遅れたってゆーてたわ。」
うっちゃん「期日をオーバーしたら、あかんやんないのぉ〜! アジャイル以前の、昔からよーあるヤツのまんまやないのぉ〜!」
駒ちゃん「ほんでなぁ、なんでもアジャイルのせいで遅れたってことになったらしいわぁ。」
うっちゃん「ぜんぜんアジャイルとちゃうのにどーなっとんねん! ええかげんにせぇ〜!! もう、ええわぁ〜!!!」