ミルクボーイ がスクラムを説明したら

Tommy
6 min readJun 27, 2020

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この記事は、 Scrum Fest Osaka 2020 (6/26 online) のオープニングトークの原稿(を少しアレンジしたもの) です。

内海・駒場「どーも〜。ミルクボーイでございます〜。」

駒場「本日は、足場の悪い中、わざわざお越しいただき、ありがとうございますぅ〜!」

内海「ちょっと、ちょっと。オンラインやのに足場が悪いってどーゆーこと? みんな家とちゃうの? おっと、そんなことゆーてる間に、一番前のお客さんから、ふりかえりの KEEP で出た付箋をいただきましたぁ〜。”おやつ” って書いてありますぅ〜。」

駒場「ありがとうございます〜。内ポケットに入れときますねぇ〜。」

内海「ありがとうございます〜。こんなんなんぼあってもいいですからねぇ〜。」

駒場「ってゆーか、オンラインで一番前ってどこやねん! それはともかく…」

駒場「あんな、最近、うちのおかんがなぁ、システム開発に興味を持ってるらしいんよ。名前は忘れてしもたんやけどな、巷で流行ってるアジャイル開発の中で、一番有名なやつが気に入ってるらしいんよ。」

内海「一番有名やのに名前を忘れるって、おかん、どないなっとんねんなぁ〜。まあ、ええわ。ほんなら今日は、オレが一緒に考えてあげるから、おかんがどんな特徴言うてたか教えてくれる?」

駒場「あんな、おかんが言うにはな、三つのロールと五つのイベントだけのシンプルなやつらしいんやわ。」

内海「そんなもん簡単やん。スクラムに決まってるがなぁ〜。スクラムマスターとかプロダクトオーナーの役割があって、プランニングとかスプリントレビューってゆーイベントがあるやつやん。そーやってスプリント毎に区切って、動くソフトウェアを作り続けてゆくやつやろ? 絶対にスクラムやんかぁ〜。」

駒場「オレもスクラムやと思たんよぉ。でも、なんか分からへんねんなぁ〜。」

内海「何が分からへんのぉ。分からへんことあれへんがなぁ〜。スプリントのたびにバックログを見直して、ホンマに価値あるものを厳選して開発してゆくアジャイル開発の手法やん。スクラムに決まりやがなぁ〜、そんなもん。」

駒場「でもな、おかんが言うにはねぇ、最初に すべてのバックログを洗い出す ことになってるらしいんよ。別名、“要件定義” って呼んでるってゆーてたわ。ほんでな、最初に決めたバックログの “順番通り” に作らなあかんことになってるらしいねん。ガントチャートで 日程と担当 まで決まってるってゆーてたわ。」

内海「それやったら、スクラムと違うなぁ〜。スクラム開発でも最初に大まかな計画を作ったりはするんやけど、遠い未来のことを細かく決めたりはせ〜へんのよぉ〜。来年、ヨーロッパへ旅行するとするやん。今から どこで何時にトイレに行くとか絶対決めへん やん。

細かく未来のことまで決めるのは、デスノートを手に入れた夜神月だけ! その夜神月ですらも、モブキャラの時はデフォルト設定の心臓麻痺やし、あんまり先のことはデスノートに書かへんよ? 遠い未来のことは不確実性が高いから、最初に見極めるようとするのはめちゃめちゃ効率が悪いんよ〜。それでもやるなら、それはもうデスマノートになるやろね。やっぱ、スクラムとは違うかぁ〜。おかん、他にも何かゆーてなかったぁ?」

駒場「おかんが言うにはな、体制図 ってゆーのがあるらしいんよ。そこにはスクラムマスターとかプロダクトオーナーってゆーロールが書かれてるらしいねん。」

内海「それやったら、スクラムに決まりやん! “スクラムマスター” ってゆーてもーてるやん。なんでそれで名前を忘れてんの! おかしいやん!!」

駒場「そやねん。オレもスクラムやと思ったんやけどな、なんか違うねん。」

内海「違うことあれへんがな〜。スクラムマスターなんて、スクラムにしかおらんねんからぁ〜。XP やってんのに、スクラムマスターがおったら、それはもうスクラムやから。スクラムに決まりやがなぁ、そんなもん! 俺の目はごまかされへんよ〜!! 絶対、スクラム!!」

駒場「そやけどな、体制図によると、PO が左側、開発チームが右側にあって、スクラムマスターがその間に “割って入ってる” らしいんよ。」

内海「割って入ってるってどーゆーこと? それやったらスクラムと違うかぁ〜。スクラムでは開発チームと PO が直接対話することになってるんよ。スクラムマスターがそれを支援したりはするけど、間に割って入るのは違うなぁ〜。伝言ゲームをやらない ってのはスクラムの基本やからね。でも、体制図の表現だけやろ? 実態はちゃんとやってるんと違うの?」

駒場「それがなぁ、開発チームに訊いたら、 PO と話したことないってゆーてたわ。なんでも、PO はクライアントの会社の偉いさんらしいねん。月に一度の役員定例の直前しかミーティングに参加できへんらしいんよ。おかんが見学に行ったところ、スクラムマスターが PO 代理 みたいな感じで会議をしてたらしいわ。」

内海「役員定例に出るような偉い人がプロダクトバックログの管理なんて無理やろ…。ってゆーか、おかん見学してんの! めっちゃ積極的やがな!! さすが気に入ってるだけのことはあるなぁ〜。まあ、スクラムマスターが PO 代理なんて、アンチパターンの一つやし、やっぱスクラムとは違うかぁ〜。」

駒場「うん。おかんが “これはスクラムではない!” ってゆーてたわ。」

内海「見学まで行ってるおかんが言うてるんやったら、それはスクラムとは違うやん! そんなん最初に言うといてよぉ〜。オレが一所懸命にスクラムを説明してる時、どない思ってたん?」

駒場「すまんなぁ〜と思ってたよ。」

内海「ほんで、スクラムと違うんやったら結局なんなん? おかんなんてゆーてたん?」

駒場「“このプロジェクトは炎上する!!” ってゆーてたわ。」

内海「おかん預言者やがな!! もう、名前とかどーでもよーなってもーてるるやん。もうええわ!!」

駒場・内海「ありがとうございましたぁ〜。」

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