「1分で話せ」要約

Tomoki Fujii
Jul 14, 2018 · 16 min read

最近大人気になっている、伊藤洋一さんの「1分で話せ-世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術」を読みましたので要約します。本著は基本編と実践編に別れていますが、今回の要約範囲は基本編のみです。より深い理解をしたい方は、ぜひ当著をご購入ください!

(本著は基本的にプレゼンを想定していますが)プレゼンでも会議でも、1対1の会話でも、自分の思っていることがうまく伝わらない、相手にとって欲しい行動をとってもらえない。そんな経験が少なからずあるかと思います。そんな状況を何とか打破したく本を読んでみたけれども、難解な内容で実践まで結びつかず、結局状況は変わらない。そんなお悩みをお持ちの皆さんに対し、とってもわかりやすく「伝える技術」を伝授するのが当著です。

実際、やろうと思えばその瞬間から実践できる技術や心の持ち様のみ書かれております。こういった自己啓発本に共通のことですが、読んで実行に移さねば本を読んだ意味は半減して(最悪の場合、無に帰す)しまうと思います。是非、1つ2つでも良いので積極的に取り入れて行きましょう!

出展)https://goo.gl/nnuJhP

※学習スタートアップをはじめるのですが、現在(2019/06/23)仲間探し中です。ご興味あれば以下からご確認ください。

そもそもの大前提

自分自身の期待値を管理しよう

人はあなたの話を聞いていません。聞いていてもせいぜい2割です。

ここをまずは出発点としましょう。相手は自分の話を聞いてくれているという期待値で出発してしまうから「なぜ相手は理解してくれないのだろう?」「もっとこっちに注意を向けてくれたっていいじゃないか!」という考えに陥る可能性があります。それなら「相手はそもそも自分の話なんてほぼ聞いていない。じゃあ聞いてもらうためにどうしたらいいか考えよう。」という期待値まで下げてから話をしましょう。

また、自分がどんなに完璧なプレゼンをして相手が食いついてきたとしても、内容が全て相手の頭に残ることは不可能です。それは相手の理解力が悪いわけでも、自分の伝え方が悪いわけでもなく、そもそもコミュニケーションというものがそういうものだからです。こちらに関しても、最初から期待値をその水準まで落として話に望むべきでしょう。そうすることで「何であんなに完璧に説明したのに彼はわからないんだ。きっと彼の理解力が足りないせいだ。」という様に他責によって思考停止し、それ以上の自身の成長を止めてしまう様な事態も避けることが可能です。「もっと相手に理解してもらうにはどうしたらいいのか」というとっても生産的な思考に持って行くことが可能です。

1分で話す意味とその大枠組み

上記の前提にたった際に、ではどの様にして自分の話を少しでも相手の頭に残し、相手を動かすのでしょうか。その答えとして「1分で話す」のです。より具体的にいうと、「1分で話せる様に話を組み立て、伝える」のです。1分でまとまらない話は、結局何時間話ても伝わらないし、逆にどんな話も1分でまとめることができると筆者は言います。

ではどのように話を組み立てるのでしょう?そのざっくりとした方法は以下の図を参照してください!図中の数字の順番でそれぞれ詳細を書いて行きます。

Tomo’sざっくり「1分で話せ」構造図

伝える際の根幹について

冒頭では、「そもそも相手はあなたの話を聞いていない」という前提のもと、それでも相手に自分の想いを伝え、行動してもらうために1分で話す技術の習得が必要性だと確認しました。

それでは実際に1分で話せる様に話を組み立て、伝えるためにはどういった方法があるのか。早速その技術的な面に行きたいところですが、1分で話す際の「根幹」となる2点を先に確認しましょう。こちらの2点は当著内では全ての技術が語られた、その最後に紹介されています。「1番重要なことは」という枕詞とともに。

僕はこちらを先に紹介したいと思います。言われてみると当たり前かと思われるこの2点ですが、「相手に伝える」という行為の最初から最後までこれらを意識し続けることで、努力の方向性を見失わず効果的にに、成功へと自身を導いてくれると思うからです。

1.あなたに「想い」はありますか?

皆さんはプレゼンをする際に、どんな想いを持って望んでいるでしょうか?。もしかしてこんな気持ちでプレゼンをすることはないでしょうか?
・プレゼンしろと上司から言われたからプレゼンします。
・正直自信がないから、なんとかこの場はしのぎたい…

このような気持ちで行われるプレゼン、あなただったら聞きたいでしょうか?きっとそのような気持ちで行われるプレゼンは、目的意識が曖昧なままで準備されたために内容も酷いもので、さらにプレゼン者の態度にありありとその姿勢が現れるのでしょう。そうなると話し手にとっても聞き手にとっても、その時間は無駄なものとなるでしょう。

2.でもあるように、そんな気の持ちようでは「相手に動いてもらう」というプレゼンの本来の目的を達成することは到底叶いません。目的を達成するためには以下のような心持ちで臨べきだと著者は言います。
・自分の存在をかけてこのプレゼンをする!
・このプレゼンは世界を変える!
あるいはそこまで極端ではなかったとしても、
・これから伝えることに関しては自分が一番詳しいし、一番自身を持っているし、一番好きだ!

これらは実はそんなに難しいことではなく、みなさん実生活の中で実践していることなのです。サッカー日本代表のプレーだったり、自分の好きな漫画の今週の話、美味しかったレストランや旅行での体験など…いずれにせよ好きなことに対しては、あなたは想いを込めて情熱的に言葉豊かになっているはずです。

それを仕事にも当てはめればいいのです。

2.成果は「相手が動いたか」のみ

あなたが人に対して何かを伝える際、その目標設定はしていますか?もしかすると手段と目的を置換していませんか。
・うまく話す
・綺麗に、流暢に話す
・かっこよく話す
・美しいスライドを駆使する

これらは全て目的を達成するための手段でしかありませんが、これらに対して多大な時間を消費し、満足してしまっている人も少なくはないと思います。しかし、本来何かを伝える際の目的は「相手は動いたか」であり、成果はそれによってのみ測られるべきなのです。

相手を動かすためにできることは全て行いましょう。事前の練習を重ねるのなんて当たり前、資料の1つ1つを細部までこだわり、相手の属性を徹底的に調査するなど。
本著は1分で話すことの技術と心持ちを伝えていますが、1分で話す前後も使うべきだと主張するのです。それこそが
2-A:事前の根回し
2-B:アフターフォロー

なのです。

「そんな社内政治的なことはかっこ悪くてやらない!」「俺はプレゼンの実力のみで勝負する!」という主義の人もいるかもしれません。主義を貫くことは個人的には良いことだと思いますが、「人を動かす」という目的の達成を念頭に置いて、その主義を貫くか曲げるか、一度冷静に天秤にかけるべきかとも思います。天秤にかけた結果、主義を曲げてでも根回しやアフターフォローが目的達成に大きく寄与するのであれば、やる価値があると思います。

例えば2-A:事前の根回しであるのなら、席配置や直前の軽い挨拶、どんな話をするかの情報を細切れに継続的に送ることで心の準備をしてもらうなどです。
また、2-B:アフターフォローとしては、プレゼンの終了後に個別のより詳細な説明やQ&Aセッションなど、手を変え品を変えて相手を動かすまで接触しつづけることができます。

さて、次にプレゼン本番前に確認するべきことを紹介します。

伝える前にちょっと確認

3.3段階で前提を詰める

さあプレゼンが決まった、早速資料を準備しよう!と逸る前にいったん落ち着いて考えて欲しいことが3つあります。それぞれ、以下の通りです。
①なんのためにプレゼンをするのか
②聞き手はどんなイメージか
③ゴールは何か

①なんのためにプレゼンをするのかを考えると、大抵は「(どこで)誰に、何を、どうしてもらいたい」という構造に集約されます。この考えをプレゼンまでに深掘っていくという考えのもと、
②聞き手はどんなイメージなのかをまずは深く考えます。①のどこ・誰・何を・どうという問いの中で、特に重要となるのが「誰に」なので、自身がプレゼンをする相手をイメージしながらプレゼンを作ることが必要です。これは新規事業開発などでよく使用される思考の枠組みであるペルソナ分析に似ています。相手は何歳で、性別は何で、どんな仕事や生活をしていて、このプレゼンに何を期待しているのか。プレゼンの中でどんな言葉に大きく反応して表情を帰るのか、そのように深い水準まで相手を想像するべきなのです。
③最後に、ゴールを設定します。つまり、①の「何を、どのようにしてもらいたい」の部分を設定するのです。例えば②で設定した人が「賛成でも反対でも構わないから、意見表明をしてくれれば良いのか」、「賛成し、かつ予算を取り付けるよう動いて欲しいのか」、「積極的にアイデアを出して一緒にブレストして欲しいのか」。具体的に聞き手がどんな行動を起こして欲しいのかを決定する必要があります。2.成果は「相手が動いたか」のみと言いましたが、その前提の元で、ではどのように相手が動いて欲しいのかという具体的なゴールをここで設定するのです。

さて、ここまで考えることができたら、次はプレゼン本番です。プレゼン本番で使うことのできる技術を見ていきましょう!

いざ、相手に伝えよう!

4.左脳に働きかける

左脳は、論理を司っていると言います。プレゼンで相手に理解してもらうためには、まず話に論理が通っており、相手が左脳で理解できるようにしてあげることが大切です。そのためのテクニックとして以下があります。

①ピラミッド構造で話す。
論理的思考について書かれている本であるなら必ずといって良いほどに紹介されているのがこの、ピラミッド構造です。論理の基本の基本であると同時に、意識しないと飛んでしまうものでもあるのです。こちらの概略は以下の図の通りです。

論理のピラミッド構造

常に主張と根拠(複数可)が1セットになっていなければなりません。データをつらつらと並べるだけだと、それは根拠の羅列のみとなってしまい「結局何が言いたいの?」と言われてしまいます。それは聞き手が迷子になっているサイン。迷子にさせないよう、必ずそれらの根拠に基づいた主張を持ちましょう。

また、この主張を決めるために「考える」という行為を行わねばならないのですが、この点も注意が必要です。「考える」とは「自分の中にある知識と自分の外の情報を組み合わせて加工し、結論を導き出すこと」です。しかし往々にして人間は、「考えて」いるつもりが「悩んで」いることがあります。「悩む」とは考えが頭の中をぐるぐると回り続けている状態であり、結論をだす行為である「考える」とは別物なのです。考えても考えても結論が出ない時、実は考えているのではなくただ悩んでいるのではないか。では結論を出すために考えるにはどうしたら良いのか、という思考をしましょう。そのために、例えば「だから何?」と自分に問いを立てることは効果的な方法です。

さらに、このピラミッド構造は自分の中でとどめておくのではなく、聞き手の頭に移植する感覚で使用すると効果的です。どういうことかと言うと、例えばプレゼン中に「私はA案を採用するべきだと思います(主張)。理由は3つあります。」といって3本指をたて、少し間を置くとします。するとどうでしょう。聞き手の頭の中にはあなたが思い描いているピラミッド構造が移植されたはずです。そうすると聞き手としては、その構造の中にあなたが話す3つの根拠を当てはめて行けば良いだけになるので、理解が非常に容易になります。
相手の理解を助けてあげるためにも、あなたが使う思考の枠組みは、是非とも聞き手の頭に移植していきましょう!

②不要を排除する

ピラミッド構造を作ったあとは、どうしても様々に肉付けをしたくなるのが人間というものです。特に、その議題に関して長時間、熱意をかけて調査した場合などです。たくさん調査したことを全部伝えたい、端的に結論をいってしまうとカバーできないような条件などについて、それらも全て網羅的に理解していることをアピールしたい。そういった気持ちから不要な言葉をつけてしまい、結局何を言いたいのかわからなくなってしまうことはよく見かけます。「スッキリ、カンタンにしていく」ということを意識しましょう。これは話し言葉だけではなく、プレゼンの際にスライドを投影する場合は、そのスライドにも言えることです。できるだけ文字を少なくし、グラフや図を多用することで、一目で見てわかるように心がけましょう。

5.右脳に働きかける

右脳は感情を司るといいます。どんなに論理が通って聞き手の左脳に働きかけたからといって、相手が感情を揺さぶられなければ動いてはもらえません。ではどうやって右脳に働きかけるのか、以下で簡単に紹介します。

①聞き手の頭の中に、具体的なイメージを描いてもらう。

人はイメージを思い浮かべることで感情が揺さぶられます。例えば昔よく遊んだ公園と友人を思い浮かべて感傷に浸ったり、映画の主人公に自分を当てはめて感動したり、動物の殺処分の施設を訪れた際にそこで動物がどのように処分されるかを想像して心が痛む…などです。

なので相手の右脳に働きかけるには、具体的にイメージしてもらうことが効果的なのです。これはもう単純に、思い浮かべて欲しいイメージを見せてしまえば良いのです。写真でも、動画でも、図でもいいので、思い浮かべて欲しいイメージに一番近いものをしようしましょう。

しかし世の中には、概念的すぎてそういったビジュアルで見せられないものもあります。その場合は「例えば」を使いましょう。例として「自分の勤めている会社が好きです。なぜなら働きやすい環境だからです。」といった際に、「例えばフレックス制で自由に働け、かつリモートワークで自宅で働くこともできます。」といえば具体的にイメージがわくでしょう。

このように、「例えば」を使うことで聞き手にイメージをわかせることは、例え1分という短い時間でも大切なのです。なので先ほど紹介したピラミッド構造は、実は2段ではなく3段構造なのです。

論理の3段階ピラミッド構造

②聞き手が描いたイメージの中に、聞き手自身に入ってもらう

次に、①で思い描いたイメージの中に、実際に聞き手自身に入ってもらう必要があります。そうすることで、より強く感情へ働かけることができるのです。そのためには単純に、直接そのイメージへ入ってもらうようにお願いするのが一番手取り早いです。具体的には、「想像して見てください」「あなたがもしこれを経験するとしたらどうでしょう」といった言葉です。

6.応用テクニック

左脳と右脳に働きかける技術を紹介しました。最後に、目標達成の確率をより高めるためのテクニックをいくつか紹介します。

①超一言

超一言とは、「覚えやすく、その一言でプレゼン全体を表現するようなキーワード」のことで、筆者の造語です。最初に述べたように、人は話の80%は聞いていないし、特にプレゼンを日になんども聞くような人間の印象に自身を残すことは難しいです。そんな中でも相手の記憶に強烈に自分と自分のプレゼンを残しておくためにも、超一言によって自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表すことが効果的なのです。

②ライブでダイブ

これは、まるでミュージシャンがライブで演奏する時のように自分のプレゼンの際に演じ、客席にだいぶするように演台から降りて観客との距離を詰める・壁をなくす、ということです。声を発するのも単に言葉を出すのではなく、相手に語りかけるのです。

このような姿勢を取ることで相手の受け取り方や反応は大きく変わるのです。

③メタ認知

メタ認知とは、「認知を認知すること。つまり人間が自分自身を認識する際に、思考・感情・行動を主観的にならず、客観的に認知し、評価、制御すること」です。今回の文脈に当てはめて簡単にいうと「話している自分と相手を俯瞰でみる」ことです。

何かを伝えようと必死になっているとつい熱くなり、この視点を取ることは難しいです。しかし、一度一歩引いて冷静に、相手から見て自分がどう映っていて、どんな話をして欲しいと思っているのかを感じながら、客観的な自分が自分を見ながらいうべきことを決める。

難しいことですが、これを自由に使いこなせれば、その場その場で相手の要望に答えることができるでしょう。

*メタ認知に関しては進化心理学のススメ 円滑な社会生活のためにに詳しく書かれてありますので、よければ読んでください。

まとめ

・そもそも聞き手は話を聞いていない
・自分がプレゼンをするその「想い」はあるのか、伝えたい言葉はあるのか確認しよう
・「相手が動いたか」が唯一の成果
・3段階でプレゼンの前提を詰める。誰に、何を、どのようにして欲しいのか?
・論理を通して聞き手の左脳に働きかける
・感情を通して聞き手の右脳に働きかける
・さらなる技術でより効果的に働きかける

とってもわかりやすい本でした。プレゼンに限らず、仕事・プライベートでの会話に課題を感じている方は、ぜひ当著で勉強されてはいかがでしょうか!

Tomo

Tomoki Fujii

Written by

Plug and Play Japan, Associate. Entrepreneur in Education Technology field. スタートアップとEdtechについて主に発信しています。

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