ネットのアクセスピークが朝方にシフトした事実とその理由

Tomoya Otake
3 min readOct 26, 2016

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新聞朝刊閲読率は 2010 年度 82.9%から今回 70.4%に低下、一方、インターネット ニュース閲覧率は 2010 年度 57.1%から今回 69.6%に上昇し、両者の差がほぼなくなった。

公益財団法人新聞通信調査会が24日に公開した「第9回2016年メディアに関する全国世論調査結果の概要(PDF)」にある上記のデータですが、これに関連して、もうひとつ重要な変化が起きていると感じています。

それはブログやニュースなどのネットメディアのアクセスピークが朝方にシフトしたという事実です。

翌朝のアクセス数が、前夜の130%を記録

2日間の時間別アクセス数

これは2日で約3万PVを獲得したブログ記事のアクセス解析です。

このグラフを見れば、アクセス数のピークが、夜と比べてあきらかに朝へシフトしていることが確認できます。

また、お昼にも、もう一度ピークが訪れた結果、前日の「夜18時から10時間」のアクセス数に対し、「翌朝7時からの10時間」のアクセス数は、実に130%となっていました。

新しい情報は朝に仕入れ、夜は娯楽でリラックス

私もそうですが、昔からネットに触れている人の感覚では、アクセスピークは夜に訪れるという固定観念が強くあります。なぜ、夜かと言えば、帰宅後、PCを自由に触れる時間が夜であったためです。

しかし、現在はスマートフォンの普及に共ない、それまでネットをあまり利用していなかった層も、普通の生活の中でネットを利用するようになっています。

彼らの多くは、ネットを利用するようになったからといって、これまでのライフスタイルを変えるわけではありません。あくまで、ネットを既存メディアの代替手段として利用しているのです。

つまり、テレビや新聞がメディアの主役であった時代に、朝に新聞やテレビでニュースを見て、夜はドラマやゲームなどの娯楽でリラックスしていた人達が、冒頭の調査のように朝にネットでニュースを見るというライフスタイルに変化してきたのです。

そして、多く人が朝から昼にかけてネットを利用するようになった結果、アクセスピークも夜から朝へとシフトしてきているという事実に結びつくのです。

まとめ

このようにブログやニュースなどのネットメディアのアクセスピークは、朝へとシフトしてきていますが、おそらくゲームやYouTubeやHuluなNetflixなどの娯楽系のネットメディアは、おそらく夜がアクセスピークとなっているでしょう。

つまり、インターネットが一般へと普及しはじめて20年以上を経て、ようやく多くの人の生活に馴染んできました。その結果、ネットのトラフィックも一般的な人々のライフスタイルと同じ形になってきたのです。

これからネットサービスを運営する人達は、その事実を意識しておく必要があるのかもしれませんね。

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Tomoya Otake

1983年生まれ。ブロガー、起業家、Webエンジニア。2010年にオンライン英会話「ラングリッチ」を起業。2015年に「EnglishCentral」へ売却。現在は「サウスピーク」に居候しつつ、次に向けて準備中。著書に『Emacs実践入門』と『Atom実践入門』(共に技術評論社)。エディタ本による三冠王を目指している。