SpotifyやGoogleで日々あたりまえに行われている「検証」の秘密

本記事はStartup Weekend Advent Calendar 12/23の記事です。

こんにちは、村上です。先日紹介され参加した Startup Weekend Yokohama #6 は、言うなれば学びの宝庫でした。今回のAdvent Calendarでは、同イベントで学んだことのひとつ「検証」をテーマに記事を書きます。

※ Startup Weekend(スタートアップ・ウィーケンド)とは…
金曜の夜から日曜夜までの54時間で起業に挑戦するというイベント及びコミュニティで、世界各地で有志により開催されています。

「検証」はスタートアップの基本中の基本

私はStartup Weekendでの54時間の起業体験を通じてスタートアップにおける「検証」の大切さを身にしみて感じました。

ここでいう検証とは、一般的に言われる「システムが問題なく動くこと」を確かめるQA(Quality Assurance)ではなく、「ユーザーニーズ」を確かめるいわゆるビジネスの仮説検証を指します。

ビジネスが"イケてるか"を見極めるには、適切なユーザー(ファーストカスタマー)にMVP(Minimum Viable Product:検証に必要な最低限の機能を持った製品)を触ってもらい、見込みがあるかを確かめること。それを爆速で行ってく。それがリーン・スタートアップにおける重要な考え方であり、スタートアップ企業の競争力の源泉なのです。

この「検証」を理解するために、いくつかの事例を紹介します。

海外の先進企業にみる「検証」

今年10月にアムステルダムでサービスデザインについての成果を発表しする「Service Design Global Conference 2016」が開催されました。

私は日本チャプターの報告会で聞いたのですが、SpotifyやGoogleといった企業で「検証」が日々、あたりまえに行われていることに驚きました。

日本チャプターによる #SDGC2016 報告会

SpotifyではAgile開発の中で「検証」を取り入れています。短い開発サイクルでスピードが求められる中、スピードと検証を両立するために彼らはなんと「紙に書いた画面」でユーザーテストを繰り返していました。そんなのでいいの?と思いますが、これはペーパープロトタイピングという立派な手法で、時間とお金をかけずに早い段階でニーズ検証できるメリットがあります。さらに担当者をカスタマージャーニーの各フェーズに置くことで、組織的に「検証」のための体制を敷いています。

Google でも「検証」が行われています。Google Mapのチームでは機能の利用データをベースに仮説を立てたあと、世界の4都市で同時にフィールドワークを行います。さらにその日のうちにブレインストーミングを行い、ソースコードまで書き換えてしまうとか。通常では考えられないスピード感ですね。もちろん長期的なスパンでの改善も行っているようですが、Googleのサービスにはこうした細かな「検証」の反復が生かされています。

これらの企業では、「検証」を日常的に行うことでユーザーにより良いサービスを提供するサイクルを実現していました。

日本でも行われている「検証」

BCG Digital Ventures 坪田 朋 氏の基調講演

日本にも「検証」を重視している企業があります。DeNAです。

先日dots.で元DeNA、現BCG Digital Ventures 坪田 朋さんの講演がありました。同氏はDeNA時代、UI Crunchというイベントを立ち上げたり、南場さんに働きかけUXを重視する組織風土をつくった立役者でもあります

坪田さんは「UI/UXデザイナーの僕が、新規事業を作る時、大事にしていること」という発表の中でこう述べられました。

意識するべきは徹底的な調査、ユーザーテスト

坪田さんはDeNA時代、新サービスの検証のために丸1日ユーザーと行動をともにし、つぶさににその生活を観察しました。一般的に検証手法といえばインタビューやユーザーテストを行う程度ですが「そこまでやるのか!」とその徹底ぶりに目から鱗でした。

「検証」が浸透していく

これらの事例は、日本ではまだまだ一般的ではないかもしれません。しかし世界に目を向けてみると、すでに経営レベルで推進されています。

たとえば、先日IBMがデザイナーを1500人採用してデザインシンキングに本腰をいれるといったニュースがありました。また金融機関やコンサル会社がデザインファームを買収する動きもあります。

こうしたスピーディな仮説検証に重きをおくプロセスは、既にスタートアップの専売特許でなく、あらゆる企業で採用されています。今後日本でもこのプロセスは浸透していくでしょう。

Startup Weekendは実践を通して学べる場所

Startup Weekend Yokohama #6 優勝しました

Startup Weekendは座学ではなく、実践(アクション)の場です。私自身、検証の価値はここでの実践を通じて初めて腹落ちしました。もしこの記事を読んで「検証」に興味をもたれた方は、ぜひStartup Weekendに参加してみてはいかがでしょうか。

FinTechやAgTech、地方創生など様々なテーマがあるので、興味あるテーマに参加してみるのも手かもしれませんね。