こんにちは。ニューヨーク発のモニタリングと分析のSaaS, Datadogで営業をしている服部と申します。Datadog 日本オフィスの1人目社員です。長らく独りでしたが、いまでは10人を超える大所帯になりました。ヤッタネ!!
これはクラウド営業 Advent Calendar 2018の12/20の記事です。日本では12/21ですって?いやいやニューヨークはまだ12/20なのですよ!…….
クラウドサービスの営業職であると、Webブラウザ1つで製品のデモンストレーションをいつでもお客様にお見せすることが出来ますよね。私は最初の職がストレージ(物理)のSEだったので、重いハードを長机にセットしてデモやってたとかもう。。。
今日はそんなデモを営業がやることについて書きたいと思います。
デモはお得意ですか?
製品がトレンドに即したソリューションであればあるほど、通常デモは非常に有効な価値訴求の手段ですし、単純にお客様も見ていて楽しく、場も盛り上がることかと思います。打ち合わせの場が盛り上がると営業として嬉しいですよね。
しかも、私の観測範囲ではクラウド業界では技術職経験を過去に持つ営業さんも少なくないようで、製品の価値を的確に訴求しつつ、質疑もバッチリこなせる自負のある方も多くいることかと思います。
しかし、そんな技術のバックグラウンドを持つ営業さんにこそ、今日の打ち合わせでデモをやらないでおこう、と考えてみて欲しいです。
デモとは証明
さてデモはなんのためにやるのでしょうか。技術的な製品であると、最終的にはお客様がトライアルして検証したうえで導入可否を決めることが多いので、私はデモは営業トークの「こんなことできます」の簡易的な証明だと思っています。同じように導入事例は営業トークの「(お客様は)こう成功します」の証明です。証明するということは、営業トークの中でお客様と課題を明確にしておかないといけません。
Datadogでは、No Gap, No Deal と言ったりします。ギャップの無いところに案件は無い、というわけです。ギャップとはお客様の現実と理想のギャップです。
その現実と理想のギャップも、単純に観察できる辛みのレベルではなく、お客様のビジネスに悪影響があって、それを何とかしたいと危機感があるところまで把握する必要があります。アプリケーションのパフォーマンスが悪い、ではなく、売上に影響が出るレベルでアプリケーションのパフォーマンスが低下し、さらにユーザーからのクレームも出ている、、、などです。問題も悩みもたくさんあるので、その中でも本当に解決したいと思っている事をさがす必要があります。
そうして始めてデモに移り、解決策を確認する作業へ移れます。お客様も具体的な課題がイメージできていれば、デモのあとの検証作業もイメージしやすくなるでしょう。あるいは、困っているものの当分は調査フェーズですよ、とお客様の課題感がはっきりわかれば、その後に無理に電話したりメールし続けて迷惑をかけなくて済みます。
デモが出来るはもろはのつるぎ
恐らく営業的には最も基本的なことのはずで自分でも頭で理解していたつもりだったのですが、実際の行動ではお客様から現状をさらっと聞いたあとは、すぐデモに入り、質疑を受けて終わってしまっていたことが多々ありました。当然、お客様が本当は何を解決したいか(逆に今はそんなに困ってもいないか)をうまく理解できていませんでした。BANTやMEDDICも整理できていたつもりなのに。でもそういう状況では営業はデモをしてはいけません。
そんな頭だった私は、以前は営業の同僚で技術的なトークやデモが苦手なメンバーが1人でお客様を訪問して一体何をしているのか、想像できませんでした。しかも案件をしっかりとってくるという。。。正直、不思議でした。失礼な話ですが…
やっぱりデモは楽しい
今でも、ついついお客様へのヒアリングがおざなりなままデモに進んでしまい、打ち合わせ終了間際にあわてて細かい質問をしてしまうことがあります。お客様も早くデモが見たい雰囲気だったりで、細かい質問に飽きてないかな?、、とか心配で先に行きたくなる気持ちが出てきたりしますが、そこをぐっとこらえてお客様の本当に解決したいことを聞いていきましょう。そうすればデモもさらに盛り上がると思います。
Datadogの営業は、お客様の本当に解決したい課題を見つける姿勢を強く求められます。しかし当初私は、あまりにデモが受けるので、それが楽しくてヒアリングがおざなりになっていました。そんな失敗への気付きを共有したくて、今日の記事を書きました。
クラウドサービスの営業の場面ではお客様の先進的にな取り組みも多く、製品も尖ったウケるものが多いので営業的にはつい舞い上がってしまうこともありますが、同時にしっかり売り上げも積み上げて自分も会社もハッピーなクラウド営業ライフを満喫しましょう!
ありがとうございました