茨城論壇『G7を商機と捉えよう』 ~茨城新聞2016年4月23日掲載~

初めまして、茨城県広報監の取出新吾と申します。私は千葉県八千代市出身で、青山学院大学・大学院で物理学を学んだ後、当時つくば市に本社があった世界最大の半導体メーカーの㈱インテルに就職し茨城県に移り住み、20年以上外資系でサラリーマンとして働いておりましたが、インテルを退職し、昨年4月より茨城県で公務員として働いております。この茨城論壇では民間目線で県の事業や広報活動について語らせて頂こうと思っておりますので、一年間宜しくお願い致します。

2016年5月15~17日にG7茨城・つくば科学技術大臣会合が開催されることはご存知でしょうか。これは5月26日~27日に開催される伊勢志摩サミットの下部会議として全国10都市で開催される大臣会合1つとなるもので、国土交通省から茨城県に出向されている国際課の課長がこの会合のつくばへの誘致を強く推進され、その誘致が実現したものです。

なぜ国際課長はつくばにG7を誘致されようと思われたのでしょうか?

もともと「つくば」は科学技術の分野では世界的にも有名な都市ですし、(独)国際観光振興機構 国際会議総計によると、つくば国際会議場はコンベンション施設別開催件数ランキングで常に全国上位5位に入っている日本有数の施設ですが、つくばに世界的に有名なG7を誘致することで、権威のある会合をより多く誘致し、さらにつくばを世界に知ってもらうことで茨城の様々な魅力を知ってもらい、また将来的な企業誘致・投資などにつなげていこうという壮大な思いがあったからなのです。

私はG7の情報発信を担当しており、大臣会合が行われた後にしっかりと広報活動を行うことでその効果を最大化したいと考えております。

ところで、みなさんは、科学技術や大臣会合は自分には無関係だとお考えではありませんか?せっかく世界的に有名な会議が誘致されるのですから、是非、事業者のみなさんにはG7をビジネスチャンスとして捉えて頂きたいのです。

もし、酒屋さんを営まれている方だったら、世界のビールやワインを集めて、G7開催記念と銘打ったミニコーナーを展開すると、普段なかなか手にとってもらうことが難しい単価の高い商品を消費者の目に止めさせることができるのではないでしょうか。またそれらの企業活動によりG7がつくばで開催されることを知って頂くことができます。

幾つかの企業さんは、すでにこのような取組みを行われており、ホテルグランド東雲(しののめ)はワールドフードディナーバイキングと銘打ち世界各国の料理・食材を提供され、牛久市のかりんとう屋さんコルカリーノは「G7かりんとう」として7種のかりんとうを販売されました。

今まで通り販売されているのでしたら、消費者にもいつもと同じようにしか購入して頂けませんが、このように切り口を変えることで、新しい客層にアプローチできたり、購買単価を高めることができるようになるのではないでしょうか。また、いつもと違うことを行うことでメディアにも取り扱ってもらえる可能性が高まります。

秋にはKENPOKU ART 2016(茨城県北芸術祭)が9月17日~11月20日に開催されます。県北芸術祭は半数近くが海外から招致されたアーティストで、現代美術と科学が融合された作品などが県北の6市町村に飾られていきます。これも現代美術は分からないから、自分とか関係ないものだと敬遠するのではなく、期間中に数十万人の来訪が期待されていますので、それをビジネスチャンスとしてどう捉えるのかが肝心なのではないでしょうか。

また自分は県北に住んでいないと考えてしまうのも勿体無いです。例えば、書店をやられているのでしたら、アート関連の本を集めてコーナーを作ってみたり、県北に行く方に役立ちそうな旅行本などを集めてみたりと、県北地域にいらっしゃらなくてもできることはあるのではないでしょうか。行政がやっていることだから、地域が違うから、自分に無関係なんて思わずに商魂たくましくビジネスチャンスとして活かして頂きたいと思います。

「地方創生」は県や市町村などの役所だけが行うものではなく、民間事業者、NPO、ボランティアなど県民の皆さんと一緒になって行っていかないといけないもので、みなさまに積極的に関わって頂けないかと節に願っています。

是非とも一緒に茨城県を盛り上げていきましょう。

茨城県広報監 取出新吾(とりでしんご)

1967年千葉県八千代市で生まれ、青山学院大学・大学院で物理学を学んだ後、インテルに就職し、つくば市に移り住む。現在は守谷市在住。広報ICTディレクターとして茨城県に約2年間常駐し、県の広報分野におけるIT利活用の促進を行った後、インテルを退職し、2015年4月より茨城県広報監となる。