「医療・飲食業界の「当たり前」に挑戦する次世代型プロダクトマインドとは」(メドレー&トレタ共同開催)に行ってきた

Toru Kawarazuka
8 min readJun 4, 2017

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医療ベンチャーのメドレーと、飲食業界ベンチャーのトレタの共同開催のイベントがあると聞き、ブロガー枠で参加してきました。

というわけで、ブロガー視点(?)でレポートします。

会場はトレタの五反田オフィス。今時のITベンチャーらしいおしゃれなオフィスです。

イベントの構成は
・メドレー(会社案内)
・トレタ(プロダクト紹介✳︎生デモあり)
・ディスカッション(質疑応答)
・懇親会

というものです。

メドレーCTO平山宗介氏による会社紹介

まずメドレーのCTO平山宗介さんが会社紹介をしてくれました。

メドレーはベンチャーと言いつつ、2009年に設立。今年が9年目になります。
医療とITの組み合わせた4つの事業を展開中です。

特に、オンライン診療アプリは「CLINICS」は、遠隔診療のソリューションとして北海道から沖縄まで幅広い診療科で導入されているそうです。

組織としては、事業部長とPM(プロダクトマネージャー)が二人三脚を組むのが特徴とのこと。

トレタCDO上郷谷氏によるプロダクト紹介

次に、トレタのCDO上ノ郷谷(かみのごうや)さんが自社のプロダクトである「iPad予約/顧客台帳サービス「トレタ」」を紹介してくれました。

トレタは飲食に関わる「飲食店」「お客様」「トレタ」にとって、三方よしになるサービスを目指しています。2013年7月、中村仁氏、増井雄一郎氏によって起業されました。
現在、庄やグループへの導入など、飲食店の予約・顧客管理システムとして2年連続シェア№1に成長しています。

司会の山本さんと、上ノ郷谷さんがトレタの使い方をデモンストレーションして「すごく使える人向けではなく、たくさんの人がちゃんと使える」サービスを実演してくれました。

「はい、こちらトレタ本店です」と上ノ郷谷さん

飲食店の課題をプロダクトを通して解決するために

  • 手段から考えない
  • お悩みから課題を抽出

というアプローチを大事にしているそうです。

プロダクトマインドを熱く語る!ディスカッション

続いて、2社のメンバーによるディスカッションになりました。

業界でも有名なトレタの増井雄一郎さんも登場。胸には「CTO」の文字!

質問項目は、

  • Q1.プロダクト開発を行う上で重視していることは?
  • Q2.開発プロセスってどうしてる?
  • Q3.業界特有のIT化がしづらかったことは?
  • Q4.それぞれの業界が抱える特有の課題は?

と極めて、シリアスな質問です。

それぞれ印象的だった発言をピックアップしてみます。

トレタ陣営

Q1.プロダクト開発を行う上で重視していることは?

メドレー平山さん:2つあリます。1つ目は、クリエイターが誇りを持って仕事をすること。受託根性が染みついていてはいいプロダクトは作れません。意志を持って作る。2つ目は、職種間の隙間を無くすこと。継ぎ目のないプロダクトが作るためです。

トレタ増井さん:プロダクトは問題解決のためのもの。顧客の要望をそのまま聞くだけではなく、課題をヒアリングします。
ボタンを作って欲しいと言われてボタンをつけるのではなく、なぜボタンをつけて欲しいのか?その課題を把握し、問題認識をメンバーが共有することを大事にしている。

Q2.開発プロセスってどうしてる?

トレタ上ノ郷谷さん:プロジェクトごとに、プロジェクトマネージャー中心に、デザイナー、エンジニアが関わります。プロダクトマネージャーはいません。「エンジニアは仕組みを知っている、カスタマーサクセスチームは顧客を知っている。」

(ブロガーから一言(以下、ブ):カスタマーサクセスチームという名称がとてもいい響きです。カスタマーサクセスのほうがより顧客にコミットしている印象を受けます。)

メドレー陣営

Q3.業界特有のIT化がしづらかったことは?

トレタ増井さん:使う人たちがITに慣れていません。また、飲食業界は人の回転が早いです。ある飲食店では、1年に2万人採用して、2万人やめるそうです。そのため、慣れれば使えるようなインターフェースは使えません。初見で使えなくてはなりません。一方、老舗の店舗は長く使います。

メドレー平山さん:医療業界も色々な障壁があるんですが、例えば一番わかりやすいのが決済です。ECは買う前から商品の値段が決まっていますが、医療の場合は診療が終わるまでは金額が決まりません。そういった医療業界における独特のルールや現行法を理解しながら、汎用的なプロダクトを作るのは苦労しました。

トレタ増井さん:中村仁氏が「トレタが全ての飲食店に入っているような社会を作りたい」というので、お店によって違うトレタにしてはならないと思っています。そのため、オプションを増やさない。セールスというより、コンサルティングです。どう業務を変えてもらうかが大事です。

(ブ:予約は飲食の本質ではないという話もありました。事業の根幹部分は、注力して差別化につなげるためにも、周辺業務は標準化して徹底的に効率化するのは重要な気がします。)

Q4.それぞれの業界が抱える特有の課題は?

トレタ増井さん:(人口減少を背景に)飲食業界の市場は今後拡大するものではありません。むしろ需要は減っていきます。働き手も減っています。そこを業務効率化で対応できないかと考えています。

メドレー平山さん:医療の市場は現在40兆円。今後50兆円を超えると言われています。医療の課題を国民の医療リテラシーの向上と医療業務の効率化で解決したいと考えています。

(ブ:業界特有の課題に見えて、人口減少や高齢社会という社会全体の課題が影響しているのがわかります)

質疑応答

質疑応答では組織体やマネジメント、社内での試行錯誤の状況など、幅広いテーマが話題になりました。ベンチャーらしい柔軟な組織や役割を走りながら考える様子が伝わってきました。

自分のいる業界とは違う業界の話は、新しい知見を得られます。これからも積極的に参加するつもりです。トレタとメドレーの関係者の皆さん、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

参考

このイベントに関しては、以下の記事が書かれています。

トレタとメドレーさんでプロダクトトークイベントを開催しました! : TORETA(トレタ) ブログ

サービスにオプションはいらない――トレタ×メドレーが目指す医療・飲食業界の「当たり前」改革 | HRナビ by リクルート

一言の反省

暗くてもきれいに撮れるカメラが必要だなあ。

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