義務教育の内容を身につけている大人なんて、一人もいないと思いますよ。僕は。 少なくとも、比例関数の定義域と値域の意味と必要性を理解している大人は100人に1人もいないというのが私の実感なので。
岡田 康之
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見えない自分中心主義

ぼくたちの心というものは、他人の心を直接見ることはできません。

自分にとって簡単なものは他人にとっても簡単なはず、というような誤った推論を簡単にしがちです。

義務教育の内容の範囲の広さを考えれば、それを十分に身に着けている人など僅かであろうことは、当然推測できるともいえますが、その僅かな人から見れば、義務教育程度のことは分かって当然、ということになりかねない、だけれども、多くの人にとってはそうではない、というのが、ぼくの言いたかったことです。

つまり、「見えない自分中心主義」にはご用心、ということです。

せっかくなのでもう少し本質的なところに触れておくと、イヴァン・イリイチの考え方を借りれば、「学校教育は『管理者の命令にしたがい、時間割に合わせて行動する能力』を身につけるための制度」にすぎないので、カリキュラムの内容は二の次とも言えるのですけれどね。