日本企業の”ベンチャー企業投資”体制をまとめてみました

San FranciscoでY Combinator卒スタートアップ勤務の友人とポットラックパーティーをした時の様子

私は、日本を中心としたアジア大手企業の経営企画部や新規事業開発部など、イノベーション推進をしている部署の方々と、お話したり共にお仕事をする機会が多くあります。その中で、いわずもがなベンチャー企業投資熱の高まりを日々実感しています。そこで今日は「日本の事業会社のベンチャー投資活動」についてまとめてみたいと思います。


事業会社のイノベーションに対する策は主に、”研究開発投資”と”ベンチャー企業投資”、さらに”企業買収”が挙げられます

これらの策のうち、”ベンチャー企業投資”が今Hotな理由はなにか。

平成27年12月3日の経産省の報告『民間企業のイノベーションを巡る現状』内 P.10 [日本企業の研究開発効率] によると、”研究開発投資”は下記のような見方がされています。

日本企業の研究開発効率は低く、研究開発への投資がイノベーションに繋げられていない

上記の見方にくわえて、近年の「オープン・イノベーション*」の考え方の普及から、”ベンチャー企業投資”への注目が集まっているといえます。

*オープン・イノベーションとは:

企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値創造すること”であり、①組織の外部で生み出された知識を社内の経営資源と戦略的に組 み合わせることと、②社内で活用されていない経営資源を社外で活用することにより、イノ ベーションを創出すること、の両方を指す。

(出典Henry Chesbrough 著、大前恵一郎訳『OPEN INNOVATION ハーバード流イノベーション戦略のすべて』 、 「一橋ビジネスレビュー オープン・イノベーションの衝撃」(東洋経済新報社)2012年9月)

自前主義になりがちで固定費として計上されてしまう”研究開発投資”は時間がかかる割になかなか成果を出せない。それであれば代わりに、リスクを積極的に取って新しい技術・ビジネスモデルを生み出している外部を活用するべく(さらにはうまく行けば大きなファイナンシャルリターンも期待できるかもしれない)”ベンチャー企業投資”にもっと注力してみよう。この考えが、このトレンドの根本理由といえます。

[企業のコアコンピタンスを更に強化するような外部の技術・事業モデル]もしくは[企業の余剰資源の活用に繋がるような外部の技術・事業モデル]との連携を図り、イノベーションを実現しよう。
つまり、こうした技術・事業モデルを持つベンチャー企業を発掘し投資することによって、企業のイノベーションを促進しよう、ということです。


と、前置きが長くなりましたが。

実際に、日本企業が”ベンチャー企業投資”を行うために整えている体制を調べてみました。
追加情報・修正などあれば随時こちらにアップデートしていこうと思います。今はまだ箇条書きですが、また時間のあるときに表化などにトライする予定です。

■ニコン(CVC):
カメラが既存事業だったがヘルスケアなど新規探す。
2014年の中期経営計画で300億円と発表
2015年からVC(10社ほど)に100億円投資
2016年SBIインベストメントと100億円のファンド組成(IoT、VR/ARなど)
のこりの100億円は2016年10月からのコーポレートアクセラレータープログラムwith ゼロワンブースター等にあてる

■ヤマハ発動機:
2015年7月からシリコンバレーにYamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valleyを設立
1年半で通信機器、小型無人機、ロボットなど4社に出資

■アシックス(CVC):
2016年11月CVC事業会社アシックス・ベンチャーズ(2年で30億)
スポーツ、健康、IoT等に投資

■三井不動産(CVC):
2015年12月末、CVCファンド(業界初)
IoT、セキュリティ、ロボティクスなど

■KDDI(CVC):
2012年2月 100億円 IT
GPはグローバル・ブレイン

■ヤフージャパン(CVC):
2012年8月 265億円

■三井物産(CVC):
2012年10月 年間200億円

■フジメディアホールディングス(CVC):
2013年1月 15億円

■楽天(CVC):
2013年4月 325億円 IT中心に国内外で4つのファンド

■ミクシィ(CVC):
2013年7月 50億円

■TBSメディアホールディングス(CVC):
2013年8月 18億円 メディア、エンタメ

■第一三共(CVC):
2013年9月 三菱東京UFJキャピタルのファンド9.5億円に1億出資 創薬シーズの実用化

■オムロン(CVC):
2014年7月 30億円 自動化で社会問題を解決する

■電通(CVC):
2015年4月 50億円 広告マーケ、コミュニケーション

■朝日放送(CVC):
2015年7月 12億円 動画配信 VRなど

■三越伊勢丹ホールディングス(CVC):
2016年1月 非公開額 顧客を感動させる価値や体験

■コカ・コーラウエスト(CVC):
2016年2月 13億円 ヘルスケア、バイオ、環境などの新商品開発

■資生堂(CVC):
2016年12月に資生堂ベンチャーパートナーズを設立
 30億円規模 美を生み出す技術

■西日本旅客鉄道(JR西日本)CVC:
2016年12月に「株式会社JR西日本イノベーションズ」を設立
 30億円 鉄道事業の成長と効率化に貢献
ファンドを組成したわけではない

■パナソニック(CVC at Silicon Valley):
2017年3月 約5年で 1億ドル投資目標のパナソニックベンチャーズ設立
本社直接投資から、パナソニックベンチャーズが請け負い、意思決定の高速化を図る
ファンドを組成したわけではない

■SMBC日興証券とSMBベンチャーキャピタル:
両社の総額10億円の出資により3月29日に「次世代企業成長支援1号投資事業有限責任組合」を設立

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