ブロックチェーンでデジタルマーケティングはどう変わる?
ブロックチェーンに関する報道は増え続けていますが、この技術はビットコインだけでなく、今後さまざまな形で生活に影響しそうです。米国の情報サイト Entrepreneurの記事によると、グーグルやフェイスブックのような広告業態は今後なくなるかもしれません。
参照記事)How Blockchain Is Creating a New Future for Digital Marketing:ブロックチェーンはデジタルマーケティングの将来をどう変える?
簡単にまとめると、
- ブロックチェーンの技術により、個人と企業の間の中間業者は必要なくなる
- スマートコントラクトは、企業にとってクロスプロモーション等を行う上で有効
- ブロックチェーンの透明性が、企業にも消費者にも安心につながる
という内容です。
記事の概要
2021年には、米国におけるデジタルマーケティング支出が、1200億ドル(約13,5兆円)に迫ると予想されている。だからこそ、グーグルやフェイスブック、アマゾンなどは、ノンストップで消費者のデータを集め続けている。
しかし、企業から直接個人に宛てて広告できるようになれば、状況は一変するだろう。ブロックチェーンやスマートコントラクトは、すでに業界に変化をもたらしている。
ブロックチェーンは、私たちの想像以上の混乱を引き起こすだろうが、私は楽観している。このイノベーションを効果的に活用するには、どうすればいいだろうか。
消費者一人ひとりへのダイレクトなマーケティング
ブロックチェーンとは、情報の保存と配布ができ、変更やコピーはできない技術だ。分散システムのブロックチェーンはセキュリティレベルが高い。
現在、グーグルやフェイスブックは企業の広告から収益を上げている。
それに対して、例えば BitClaveの検索エンジンに使われているイーサリアムのブロックチェーン技術によって、消費者と企業の間に仲介者は必要なくなる。どのデータを広告業者に提供するか、消費者一人ひとりが選択でき、提供したデータに対して報酬が得られる。つまり、(グーグルなど)仲介業者が広告業者にデータを売るのではなく、あなた自身が企業に直接データを売ることが可能になる。
スマートコントラクト
ブロックチェーン技術に基づいたスマートコントラクトは、契約に関する雑用を簡素化し、新たな契約によってしか内容を変更することはできない。弁護士などの支援がなくても、円滑な取引ができるようになる。
企業が、ブロガーやインフルエンサーと協力する上で、スマートコントラクトはその長所を発揮するだろう。
スマートコントラクトによって、決めた条件が満たされなければ支払いがされないため、契約内容の履行を自動的に強制することができる。例えば契約したブロガーが、ブログや動画を投稿しなければ支払いはストップする。規定された条件が揃わなければ、次のステップには進まないのだ。
ブロックチェーン・スレレージ企業の共同創設者ロジャー・ヘンニ氏は言う。「スマートコントラクトは新しいレベルのサービスを可能にし、企業が商業活動をしながら自らを守る手段となる。」
スマートコントラクトの透明性が利点
ブロックチェーンの情報は変更やコピーができないので、企業から見れば、情報を他者に改ざんされる恐れがない。
また、情報が企業自らによって改ざんされる恐れもないため、消費者の安心を得ることができる。
金融用語の牛と熊
今回の英語表現は次の文章からです。上の訳文の太字部分です。
I’m bullish on blockchain as an underlying technology that’s going to spur disruption in more ways than we can think or dream.
I’m bullish on blockchain.
「ブロックチェーンに関して、私は牛のようだ」というのは、「牛のように頑固に自信を持っている」ということなのですが、金融関係に詳しい人にはおなじみの「牛」と「熊」という表現があります。
牛が角を突き上げて攻撃するように、相場が上昇するだろう見られるときは、
- bullish market (強気の市場、強含みの市場)
といい、反対に相場の下落が想定されるときは、熊が爪を振り下ろすイメージで、
- bearish market“(悲観的な市場、弱含みの市場)
といいます。
したがって、I’m bullish on… は、「…(の見通し)に関して、私は強気で自信がある」という意味で使います。単に I think… と言うより、確固としたポジティブな自信を持った主張に聞こえます。
つまり、上の文は「私たちの想像以上の形で混乱を引き起こす原因となるブロックチェーン技術に関して、私は(その将来性に)自信がある」と訳すことが出来ます。
牛と熊に関連した例文
- This is a bullish (bearish) signal. これは買い(売り)の合図だ。
- How long will the bull (bear) market last? この上げ(下げ)相場はいつまで続くだろう?
- I’m bullish (bearish) on the strength of the tourism market. 観光業の景気に関しては楽観的(悲観的)に見ている。