会社員をして考えた就活生に贈りたい「働きがい」の話

先日、就活目前の学生さんたちと「働きがい」というテーマでディスカッションする機会があった。彼らの期待する「働きがい」を聞きながら、働きがいをまずは三つのカテゴリで考えるといいのかな、と思った。

まず出てくるのが、普段の職場や業務の中で感じる満足感、達成感、成長といった「毎日の働きがい」。心地よい職場、成長できる環境、得意なことで活躍、こうしたことが日常的な働きがいには含まれると思う。次に、対価を得て自活する、生活を支え潤していく「経済的な働きがい」。特に就活中だったら、この点は口ごもっちゃいけないし、忘れたらもっといけないだろう。そして最後に業務や組織を通じて、その外のお客様や誰かの役に立ちたいとか変革を起こしたいと思う「社会的な働きがい」。しばしば、働きがいという言葉のイメージはこれだと思う。

お好みであればマズローの欲求段階説や、ダニエル・ピンクのモチベーション3.0あたりに対応付けてもらえばいいと思う。特に否定しないし、それらが念頭にあったのは間違いない。でも僕はあえてこうした分類で話したけど、それは就活時にはこの三つを「段階」的にとか「1.0、2.0、3.0」のように順番にとか考えるのではなく、同時に並べて考えるのがよさそうだと思ったから。

雇用条件でこの会社に入れば自活できるだろうか(経済的な働きがい)を考える。就職活動、訪問活動を通して、この会社は働きやすいだろうか、成長機会があるか、どんな仕事があるだろうか(毎日の働きがい)を考える。自己分析を合わせて、成長できるか、活躍できるか(毎日の働きがい)を考える。企業研究で、この会社を通じて自分の望む形で誰かの役に立てるか、自分の思いとその会社の理念や事業は共鳴するか(社会的な働きがい)を考える。そうして、各企業を「私は働きがいを得られるか」と採点する。

僕にもこの三つの働きがいがあったし、例えば毎日の働きがいが折れた時期は残る二つを頼りに乗り切ったし、社会的な働きがいがよれた今は残りの二つの支えで仕事を続けながら、この会社でできる新しい社会的な働きがいを探している。どれかひとつの「働きがい」観しかない人より、複数の「働きがい」観を持つ人のほうが多くの会社を候補に考えられるし、タフにしなやかに就職活動をして、タフにしなやかに働いて、楽だけどつまらない時期にも辛いけど面白い時期にも働きがいを感じられると思う。

「『働きがい』ってなんですか」という質問があったけど、働きがいという言葉には、働く動機(モチベーション)という意味と、働いた満足感という二つの意味がある。価値観の広い人の方が、いろんな場面にポジティブな気持ちで臨めて、いろんな場面で満足感を得られると思う。この日がそうだったように、周りの人と話してみると、それぞれに考えている働きがいにはいろんなものが出てくる。それをうまく取り込めたら、その人の就活や、その後の就業にはきっと役立つと思う。

僕は就活のプロでもエリートでもないからこんな話が本当に役立つか分からないけど、会社員をしてきて、会社員を続けられた理由を考えて、きちんと実感を伝えようと思って話してみたつもりでいる。みんなの就活に幸がありますように。