スタートアップのためのビジネスプランフォーマット集

Nancy Duarte などが言っているほか、自分自身エバンジェリストを何年かやっていて感じたこととして、プレゼンは一見話し手が主役のように思えますが実はそうではなく、プレゼンは聴衆が主役、というものがあります。なぜならプレゼンを聞いた聴衆が行動を起こさなければプレゼン自体は失敗だからです。話し手はあくまで聞き手の判断に奉仕する立場です。

スタートアップにとっての事業計画の発表も同様で、発表のときは聞き手(投資家や評価者)が主役です。聞き手にとって分かりやすく、そして行動しやすい(=投資しやすい)構成にしようと考えたときには、発表内容は「テンプレートに沿って作る」のがベストだと思っています。

テンプレートに従えば、話すべき項目に抜け漏れがなくなるほか、聞き手にとって話の流れもスムーズになります。特に話の流れが変にユニークだったり、行ったり来たりすると聞き手は混乱します。評価側からしてみれば、話の中身自体を評価したいと考えているので、構成に変な策を弄さずに作って欲しいと考えます。また構成が悪いと「良く分からなかった」とフィードバックを貰えません。逆に構成が良くて中身が悪いと「分かったけど、ここがダメ」というフィードバックを得られやすくなります。

そして何より、一方的に話す時間は極力減らして、聞き手との質疑応答に時間をより多くかけるようにしてください。減らすことは難しいとは思いますが、プランを連続して聞く側に立った場合、制限時間を余らせて話してくれたほうがありがたいケースが多いです。特に今日、事業計画を一度にたくさん聞く機会があったので、覚えているうちに記事を書いておきます。

Sequoia Capital のテンプレート

ピッチに関する Y Combinator 流のテンプレートは以前紹介しましたが、事業計画については以下の Sequoia Capital のものを活用することをお勧めしています。好みに合わなければ NextView Ventures のテンプレートなどを活用してもいいかもしれません。

  1. 会社の目的
  2. 課題
  3. 解決策
  4. Why Now(何故今か)
  5. 市場規模
  6. 競合
  7. プロダクト
  8. ビジネスモデル
  9. チーム
  10. 財務

なお、事業計画にするには短いですが、Y Combinator は 2 分半用のピッチは以下のように構成するべきだとしています。流れはほとんど同じというところに注目して下さい。

  1. 課題
  2. 解決策
  3. 市場規模
  4. トラクション
  5. ユニークな洞察
  6. ビジネスモデル
  7. チーム

特に最初の5分に力を入れる

覚えておいて欲しいポイントは、仮に 20 — 60 分の時間を与えられても聴衆の集中力は最初の 5 分で切れる、という点です。そのため、おおよその事業計画の最初の方にある Problem と Solution をクリアに短く分かりやすく研ぎ澄ませたほうが良いと思います。

https://www.sequoiacap.com/article/how-to-present-to-investors/

同様に人の注意力の保つ時間という意味では、投資家がピッチデックを見る時間の平均は 3 分 44 秒だった、という情報もあります。

https://techcrunch.com/2015/06/08/lessons-from-a-study-of-perfect-pitch-decks-vcs-spend-an-average-of-3-minutes-44-seconds-on-them/

その他、大きく成長したスタートアップの過去のビジネスプランなどを見てみるのも参考になると思います。

こうしたビジネスプランの構成は、少し時間をかけるだけで随分良くなります。少し見るだけで見違えるほど良くなる例も見てきました。なので信頼できる投資家に相談するなどして、より良いフォーマットを身に着け、是非事業の内容自体で勝負できるようになってほしいなと思います。

話し手がうまく伝えられなかったら悔しいのと同様、聞き手もうまく理解できなかったらとても悔しいです。是非お互いのためにもある程度の型を身に着けてから挑んで下さい。