メイカーズのエコシステム

Masakazu Tks Takasu​ さんから「メイカーズのエコシステム」の献本をいただきました。Maker Movment の黎明期から深く関わっている高須さんだからこそ書ける歴史の話と、噂に名高い謎の突破力で得てきた現地の情報にあふれていてとても読み応えあります(固有名詞の多さ!)。そして読むと Shenzhen に行きたくなります。香港の GDP もきっちり抜いたみたいですし。

個人的な興味関心でいえば、HAX というハードウェアアクセラレーターで実際が何が行われているかを期待して読ませていただきました。なるほど、HAX の中にベルトコンベアと生産ラインまで作ってるとは! いや、凄く正しいと思うのですが、それを中で持つというのは流石だなと。というような、生々しい情報が多々記載されています。

HAX でいえばアクセラレーターだけじゃなくて、HAX Boost もいいですね。普通株で 2% だけのようですし。あとやはりプロデュースやプロモーションまで手がけないとちゃんとした支援にはならないのだろうなというところは最近身にしみてるところです。

当然 HAX 単体で成り立っているわけではなく、その裏には深圳という環境を十分に使ったプロトタイピングや試行錯誤の速さと(本書では Seeed を中心に解説)、メンターによるネットワーキング、コミュニティのノウハウの溜まり具合、オープンソースの流れなどなど、文字に起こしてしまえば当然なのかもしれませんが、そうしたものがうまく蓄積されている様子が記載されてありありがたい限りです(細かい一文が気になったりします)。

特に Seeed まわりの話からは結局顧客からのフィードバックも含めてスピードを上げないといけないよね、と思わせてくれますし、Indie Design の話とか、サプライチェーンって重要だよね、という話とか(本には記載されてませんが MIT のコースとか http://scm.mit.edu/ 受けてみたい)、いろいろ個人的な気付きがありました。

一方で、Foxconn の機械化があまりうまくいってない(http://blogs.wsj.com/cio/2016/01/07/automation-is-so-yesterday/)という話題に類する話も印象的でした。人間のほうがまだまだ柔軟性が高くて、変化に対応しやすいという文脈です。

ハードウェアほど人が多く関わる産業はなかなかないと思うので(だからこそ雇用が生まれるのですが)、ハードウェアスタートアップには多くの人が関わらざるを得ず、そうした多くの人たちを不確実性の高い旅に巻き込める「面白さ」であったり「社会的意義」みたいなのが重要なのかなと思ったりしました。パートナーや工場の人たちに気持ちよく働いてもらうためにも。

加えて圧巻だったのがシンガポールの話でしょうか。STEAM 教育事情、オートメーションに補助金が出る話や交通渋滞緩和のための自動課金システム、オンデマンドで最適化されるためのインフラ作りなど。US もそうですが、変化することを前提とした仕組みづくりというのは流石だなと。もちろん良い面悪い面はあるとは思いますが、今は良い面のほうが多いような印象があります。

最後の山形さんの解説も良かったです。深圳がなぜ盛り上がったのかの考察とイノベーション論。

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