Feb. 16, この先生きのこるために、企業価値のロジックと情緒、messy moonshot

DFJ のパートナーからの「スタートアップが生き残る方法」。2000 年と 2008 年のバブルが終わった年などを経験してきたからこその経験則ということで面白いです。

・時価総額にこだわらないようにして、
・キャッシュフローをポジティブにする。
・そのために既に投資してもらってる投資家に助けをもらってプラン立てたりしながら
・コストカットやレイオフとかで社員の士気が下がるかもしれなけれど、もっと士気が下がるのは明確な方向性が出てない時なので、士気自体を気にはせずに
・コストカットは必要以上に行って
・顧客もコストカット行う(あるいは死ぬ)からレベニューは死守して、
・CFO にメトリクスを任せず CEO 自身が生き残るためのメトリクスにフォーカスする(前回のダウンターンを経験したところはどの企業もがデータドリブンの企業になったとか)
・回復するまで予想より長い時間がかかるのを想定して備えること

素晴らしい企業はこうした最悪の時間を生き残る企業なので、皆さんのスタートアップがその一つであることを願います、という締めは良い締めだなと。

「時価総額が下がってきて、少額でシェア取れるから VC は喜んでるんじゃないの?」という起業家側からの疑問に関する Mark Suster からの回答。

「いや…既に投資した会社の次のラウンドのために走り回らなきゃいけないので、こっちはこっちで辛いんだよ…」という感じの回答でした。だいたいパートナー一人あたり、board に入ってるのが 7–10 社あると言われているので、その苦労はたしかになと。

あとはバリュエーションがインフレ傾向になる仕組みの入門的な話。たとえば、IPOしたときの時価総額の期待が高まるとその影響を受けて、一個前のラウンドのバリュエーションが上がり、更にその前のラウンドのバリュエーションも上がり、さらにその前の…とか、4, 5 社しかいないマーケットだと「winner takes all」のメンタルになって、みんなが一位になるために利益より成長を追い求める、とか。

逆に言えば、まだ投資先を持っていない新しいファンドは既存投資先のことを考えなくてもいいので有利かもしれません。ただまたいずれくるダウンターンのときを考えると、Mark Suster の書いてる通り、こうしたダウンラウンドは想像以上にすべてのプレイヤーにとってきついので、VC は信頼できる相手としか一緒に投資しない、という方針を持っておくのは有用かもですね。

逆にこうした逆境のタイミングでこそ、スタートアップの役に立って名を上げる VC とそうでない VC との明暗がはっきりと分かれるのかもしれません。

今日は頭痛で寝込んでたのですが、 X (Google [X]) の Astro Teller の文章を読んで若干元気が出ました。TED の講演の書き起こしです。

X の各プロジェクトの進捗もそうなのですが (特に Loon の進捗は凄いなと)、その背景にある思想や、X を可能にする秘密として「最も難しい問題から取り掛かる」ということを「どうやったら今日、我々のプロジェクトを殺せるのか!」と言い換えてるみたいな fail fast な話とか、「スマートであることよりも、視点を変えるほうがもっとパワフルだ」みたいな話が良かったです。

「ムーンショット工場 (X のこと) は散らかった場所だ。… 我々は殆どの時間を物を壊したり、自分たちが何が間違っているのかを解き明かすために働いてる」というのも素敵でした。最近はスタートアップも綺麗なオフィスが多いですが(ある程度の規模になってエグゼキューションを徹底して行う上では整理整頓も重要なのだと思いますが)、一方でこうしたリスキーなアイデアを推し進めていくにはどれだけ散らかった (messy) 場所を用意できるかが重要なのだろうなと。

かつてのベル研が、AT&T の独占状態にあった余剰利益から様々な研究成果を出していたことを考えると、独占状態にある今の Google がその資金をこうした試みにお金を突っ込んでいるところは本当に羨ましい限りです。いいぞもっとやれ、という感じで応援してます。

3 分で分かる米国の VC 環境。

Google のシンクタンク Google Ideas が、インキュベータの Jigsaw に。テクノロジーを地政学的な問題やサイバーアタックの問題などに応用していくとのこと。

生産性の停滞をうたう Robert Gordon 教授の新刊 The Rise and Fall of American Growth の書評と反論。こういう骨太な記事が出てくるあたり、やっぱり英語圏というのは凄いなと思います。

Meanwhile we have seen entirely new institutions of innovation — venture capital and the tech accelerator, for example.

面白い影響だなと。

‘The Great Reset’: Venture capitalists and startups have shifted from greed to fear

で使われてる画像が良かったので。

なんとしてもグロースを追いかけるフェーズから、リアルなビジネスを作っていくフェーズに。ユニコーンからコックローチに。ローチと書くと CoD MW2 を思い出します。

GGV partner Glenn Solomon recommended that founders really look at their metrics and not be influenced by outside trends as much. とのことで、メトリクスのスライドを年初に出せてよかったなと。

関連して、スタートアップ初期は超スモールであれ、という話も。

あとは NYT では「ユニコーンの栄枯盛衰」的な感じの話。やっぱネットワーク効果でのモノポリーなんですかね…。

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