トップ層を超トップ層にするプログラミング教育とは?

2016年度未踏ジュニア成果報告会を行いました

なにをしてたの?

Yu Ukai
5 min readNov 30, 2016

一般社団法人未踏という経済産業省所轄の情報処理推進機構(以下IPA)が行っている未踏人材発掘育成事業(以下未踏事業)の卒業生が、創造的人材を多角的に支援し、業界横断的なネットワークを作ることでイノベ…(長いので略…)要は卒業生を中心としたOB会の有志で小中高生向けミニ未踏「未踏ジュニアを6月から運営していました。

どんな成果が出たの?

初年度となった今年は、4組6人を採択して、11/23に初めての成果報告会を行いました。未踏ジュニアの公式ページに、その成果を公開しているので是非ご覧ください。

私は、VR絵本メーカーというスマホ向けVRで体験できるVR絵本を作るアプリを開発した木村さんのPMをしていました。

http://jr.mitou.org/

具体的にはどんなプログラムだったの?

6月上旬締切で未踏事業への公募時に提出するのよりは軽い提案書を提出してもらい、PM間で審査を行った上で採択者を決定し、6月下旬にブースト会議を行い、それぞれのアイデアとプランを発表しました。それ以降は(グループによって活動時期は異なりますが)11月まで大体週に1回1時間程度PMに相談をしたりフィードバックを受けるチャンスがあった他、何か機材やサービスが必要な際にはその金銭的な援助を(社団未踏から)していました。

なんでやろうと思ったの?

2020年から段階的に小中高の各教育機関においてプログラミングが必修になるのに伴い、各所で様々な動きが毎日のように起きています。私も先週末は前原小学校のプログラミング公開授業にお邪魔していました。この件は資料が共有され次第また別の記事にしますが、公教育において全体のレベルの底上げをどうやって行うのかという議論、そして実践が既に行われていることは、大変素晴らしいことです。

さて、では公教育で全生徒がプログラミングを教わる世界がやってきたとき、次は何が必要になるでしょうか?私は、身近なロールモデル(できたらヒーロー)を作ることだと思っています。私は「引き上げ効果」と呼んでいますが、トップ層が超トップ層引き上げて、全体のレベル、期待値を高めるべきです。最近は、様々な小中高生向けコンテスト(アプリ甲子園、Unityインターハイ、U-22プログラミングコンテストetc…)が行われるようになり、これに優勝したいとプログラミングをがんばる小中高生が増えていることは大変良い動きだと思います。

一方で、彼ら彼女らの開発したもの、プレゼンテーションを見ていると、ちょっと専門家に見てもらったらより良いモノになるのに、という瞬間が多くあります。でも、そういうチャンスってなかなかないんですよね。

上記の記事で書いたように、未踏は「何を作る」べきなのかを徹底して議論する場所です。そんな議論を常日頃から行っている未踏コミュニティに属す研究者やエンジニアが、アイデアがあって開発をするスキルも備える小中高生向けになにか貢献できるのではないか、というのが今回「未踏ジュニア」をやってみた経緯です。

来年もやるの?

https://mitoupgwg.connpass.com/event/45816/

やります。なるべく早く詳細をアナウンスできるようにがんばっていますが簡単な概要を既に未踏ジュニアのページにあげています。まずは、12/17(土)に行われる「小中高生対象: 未踏の魅力を知ろう — 2017年度未踏説明会」に足を運んで頂ければと思います。IPAの未踏人材発掘育成事業だけでなく、未踏社団が今後行っていく小中高生向けプログラム(未踏ジュニア含む)について何かお知らせができれば、と思っています。

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Yu Ukai

MicrosoftでPMしてOffice LensとかMinecraft Educationとか開発してました/未踏スーパークリエータ/未踏ジュニア統括 製品開発や教育について書きますが、所属組織の意見ではありません。