「AI Superpowers: 中国、シリコンバレー、新しい世界の秩序」を読んで

月に1冊は英語の本を読むことにしていて、今月は(来月中国いくので勝手に)中国勉強月間ということで読んだ本が面白かったのでシェア。

Kai-Fu Leeという、元MSR Asia立ち上げたメンバーの一人であり、Google China立ち上げの一人であり、Weiboで5000万人以上のフォロワーを持つ人が書いた、「AI Superpowers」という本。

Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/B0795DNWCF/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

AI Superpowers

時間がない人はTEDでもこの本の抜粋を話している。


中国とアメリカのスタートアップエコシステムの違い

  • 中国、勝つためならなんでもする。すごい競争。(例: Groupon IPO時には5000ものGrouponコピーがあった。WeChatやWeiboがWhatsapp/FacebookやTwitterよりよくできている理由のひとつ。
  • シリコンバレー、ソフトウェアで綺麗に勝つ。地道な作業はしない。

AIの分類

  • AIは、Internet AI/Business AI/Perception AI/Autonomous AIに分類できる。
  • Internet AIは主にインターネット上のユーザーの行動を活用したリコメンド (例: Amazonやの商品推薦、Jinri Toutiao… TikTokで有名なByteDanceのニュースアプリ… の記事推薦
  • Business AIは、よりビジネスに直結したAIの活用 (例: Yongqianbao(Smart Finance)に代表される、WeChatやその他スマホの個人データを活用したマイクロローンや、大数医达(RXThinking)による医療診断
  • Perception AIは、画像や音声の認識技術の活用
  • Autonomous AIは、自動運転に代表される、ロボットやその他機械の自動制御技術の活用
  • 中国とアメリカのではそれぞれの種類によって得意不得意がある (例: Business AIはアメリカが有利。

AIは、蒸気機関、電気、ICTに次ぐ人類4つ目のGPTs (General Purpose Technologies) …印刷とか活字の発明は忘れ去られているっぽい

  • ICT/AIは仕事の奪い方が前者2つとは違う
  • 蒸気機関、電気、deskilling manual labors (スキルのない人でも機会を使って高度な仕事ができるように -> さらなるブルーカラーな仕事の創出につながった)
  • インターネット/AI 少数のhigh skilled cognitive workers、ホワイトワーカーが、容易により多くの影響力を持てる -> 仕事の創出につながらない

どれだけの仕事が取って代わられるのかに関して過去のリサーチのメタ分析…結構幅がある

  • Oxfordの研究(2013)では47%の仕事がアメリカで10–20年以内に自動化される
  • OECDのレポート(2016)では9%
  • PwCの研究(2017)では2030年までに37%がAIに置き換えられる <- かなりいい線いっているらしい
  • 一方で、PwCの研究には産業がまるまる飲み込まれる(置き換えられるのではなく)ことが想定されていない(例: AIを活用したスマートローン、無人コンビニetc…
  • まるまる飲み込まれる産業で働く人が10%
  • 合計 37+10≒50%近くが技術的にはAIに飲み込まれる可能性があるが、法制度等が要因で10–25%程度になるのではないか
  • 中国より、ホワイトカラーが多いアメリカが先に大きな影響をうける

具体的に、どんな仕事がとって変わられるのか?

  • 仕事には大きく2種類ある。Cognitive laborとPhysical labor
  • Cognitive labor(知的労働者)は、Optimization-based <-> Creativity-or-strategy-basedとSocial <-> Asocialの2軸で分類可能。Socialであればあるほど、Creativity-or-strategy-basedであればあるほど、safe zone
  • Insurance adjusterやTelemarketerの様な、Optimization-basedでAsocialな仕事が最もはやくAI化される。Wedding plannerやTeacher、DoctorのようなOptimization-basedだけどSocialな仕事は、知識や経験はAIにとって変わられ、人間はあくまでその結果をデリバーするフロントエンドになる。
  • Physical laborは、同じくSocial <-> Asocial軸と、Low dexterity and structured environment (器用さが不用かつ、整った環境) <-> High dexterity and unstructured environment軸で分類できる。

AI時代の社会制度はどうなるべきか?

  • ユニバーサルベーシックインカムや、ワークシェアリングは適当か?お金だけ得られても、働く意義を失ったら良くないのでは?
  • 仕事がなくなった人たちに対象に、コミュニティへの貢献… 例えば街の整備や、ホームスクールの先生、に対して報酬を支払うことで、より人間らしい社会を作れないか?

要約するとこんなかんじ。最近読んだ中では最高に一番おもしろかった。