Code Builder for Minecraft: Education Editionがリリースされました

Yu Ukai
5 min readMay 4, 2017

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以下は、個人的なポストで会社としての公式見解では一切ありません><

Minecraft Educationチームで開発に携わった、Code Builder for Minecraft: Education Editionがついにリリースされました。Minecraft: Education Editionは、Office365 Educationの対象教育機関の皆様向けに提供されている、学校教育機関向けのマインクラフトです。これと、Minecraft Hour of Codeの仕事がしたくてマインクラフトチームで働いていたので、(ようやくリリースされて)感無量です。

こちらは CNETの記事。

なにができるの?

Minecraftのワールドの中で、エージェントという新しいキャラクターをプログラミングで動かしたり、MOD的なものを開発することができます。

エージェント(とエージェントのインベントリ)

開発環境としては、現時点ではMakeCode(というMicrosoftのブロック型プログラミング環境。PXTと呼ばれていた。micro:bitとか向けのプログラムも開発できる)、ScratchX及びTynkerが対応しています。MakeCodeがファーストパーティ、ScratchXとTynkerはサードパーティーという扱いで、今後Code.orgのCode Studioも対応することがアナウンスされています。

MakeCode for Minecraft (日本語化もすすめています)

これらの開発環境とMinecraft: Education Editionをつなげるには、Code Connection for Minecraftという別のアプリを立ち上げる必要があります。Windows 10版と、macOS版が提供されています。

Code Connection for Minecraft

どんなものが作れるの?

MakeCodeチームの動画では、エージェントに畑を作らせたりひたすら畑をスポーンさせたり自動で目の前のブロック群が消える魔法のプレイヤーを作ったりすごいジャンプをしたり歩いたところに花を自動で咲かせたりしています。他にも、いろいろなチュートリアルが既に公開されていますMakeCode for Minecraftで利用可能になっているコマンドの数を見れば、ものすごい可能性に気づいて頂けるのではないでしょうか。(リファレンス)

MakeCodeは、ブロックとJavaScriptを相互に変換しながら開発をすすめることができるので、ブロック言語からテキスト言語に自然な移行ができるのではないかととても期待をしています。(これに関しては、別のポストで詳しく述べるつもりです)

MakeCode for Minecraft (のJavaScriptの画面)

なんでこれ作りたかったの?

もちろんMinecraftが単純に好き、というのもあります。でも、一番大きな理由はMinecraftの世界の中でのプログラミングが、「アイデアを考えて、それを実現するプログラムを書いて、それを自慢したり人に使ってもらったりする」というプロセスを体験できる良い方法だと思ったからです。

もちろん、Scratchでプログラムを書いたり、iPhoneのアプリを開発したりというのも素晴らしいです。一方で、これらには自分のプログラムが役に立っているのかわかりにくかったり、役に立つレベルのプログラムを書くまでに時間がかかりすぎるという問題があると思っています。(これについても別のポストで詳しく書きます)

一方でMinecraftの世界では、自分が普段やっている動作をエージェントを使って自動化したり(例えば、畑の自動収穫や、家の建築、地下資源の採掘など)、マルチプレイで遊べるゲームを開発したり(Code Builderはマルチプレイでも動作します)と、自分や他人の役にたったり、自慢できる要素が沢山詰まったプログラムを簡単に実現して、共有することができます。

10年後、20年後に、Minecraftでプログラミングを体験/勉強した才能あふれるみなさんと、一緒に仕事やプロジェクトをする、というのが僕の一つの夢です。是非使ってください!

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Yu Ukai

MicrosoftでPMしてOffice LensとかMinecraft Educationとか開発してました/未踏スーパークリエータ/未踏ジュニア統括 製品開発や教育について書きますが、所属組織の意見ではありません。