上げ相場の時だけに投資せよ!

HEYBIT
9 min readFeb 21, 2020

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投資で「勝ち馬に乗る」のが重要であることはこの前も一回触れました。

つまり投資は上げ相場の時だけ行われるものです。相場が上がると、我が家の子犬や隣の6歳のガキがオススメした仮想通貨も値上がりする可能性がかなり高いです。投資でお金を儲けるのは市場が上がったからであって、あなたが賢明だからではないです。

逆に、下げ相場では何をしてもダメです。さらに、ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)のような投資の賢人も2007~2008年の相場には損したのです。優秀な投資家だから、我々のような凡人より、損を減らすことができます。しかし彼も損をします。皆さんも絶対に例外ではありません。本当に重要ですので、もう一度繰り返して言います。

下げ相場で投資してはいけない。

「おい、それは俺も知ってるよ!だけど今が上げ相場なのか下げ相場なのかどうやってわかるんだよ〜」と反問する方も多いでしょう。一理のある話ですが、実はそんなに難しくないです。

上げ相場と下げ相場を仕分ける絶対的な基準はないです。ただ、投資家が基準を一つ決めて、価格がその基準以上なら上げ相場、以下なら下げ相場と定義すればいいんです。基準があることが重要で、その基準が具体的に何なのかはそれほど重要ではないのです。主観的な基準で上げ相場と下げ相場を仕分けた後、徹底して上げ相場だけに投資し、下げ相場には何もしないでいればいいのです。

移動平均の威力

筆者は「移動平均(moving average)」という非常に簡単な指標で上げ相場と下げ相場を読み取ります。現在の価格が移動平均より高いと上げ相場、低いと下げ相場と定義します。

例えば、今日が2月16日で、ビットコイン(BTC)の価格が109万円です。5日移動平均を使う場合、その前5日間の終値の平均を計算します。次のチャートで2月11日から2月15日までの平均は約112万円です。現在の価格はそれより低いのでBTCは「下げ相場」になります。

5日移動平均の計算サンプル

それでは移動平均を基準に上げ相場にだけ投資したらどんな結果が出るでしょうか。3日、5日、10日、20日移動平均で実験してみました。

※リキッドのプロチャートで仮想通貨価格が移動平均より高いか低いかをチェックする方法

①リキッドの(例えばBTC/JPYの)プロチャートに入る。(https://app.liquid.com/ja/exchange/BTCJPY)

② 左上の「1時間」をクリックし「1日」に調整する。(日足チャート)

③「インジケーター」で「移動平均」を選択する。

④ BTCJPYのしたにMA(Moving Average、移動平均)のマークが追加される。そこで「調整」アイコンをクリックし「長さ」を9から5に調整する。

⑤ 価格が5日移動平均線の上か下かをチェックして相場のトレンド(上げ相場か下げ相場か)を把握する。

上げ相場・下げ相場でのBTCの収益率(2013.11~2019.12)、手数料抜き

上げ相場に投資することがどれほど重要かを示す数値であります。

例えば価格が5日移動平均より高い場合、つまり上げ相場にだけ投資をした場合1日0.6%、計120,248%を儲かることができたんです! そうですよ、間違っていません! 今日の価格が5日移動平均の上にある時だけに投資したら元本が何と6年で1,200倍になったのです! 一方、価格が5日移動平均より低い場合、すなわち、下げ相場の時だけに買っていたら、資産の96.9%を大損したのです。

5日移動平均を基準に上げ相場・下げ相場のどれに投資するかによって戦略のパフォーマンスは全然違います。これをチャートでお見せしましょう。

上げ相場でのBTCの収益率(2013.11~2019.12、5日移動平均基準、手数料抜き)
下げ相場でのBTCの収益率(2013.11~2019.12、5日移動平均基準、手数料抜き)

約束でもしたように、価格が5日移動平均より高い上げ相場だけに投資していたら、ものすごいお金を稼ぎ、価格が5日移動平均より低い下げ相場だけに投資したら元本割れが半端じゃないのです。3日、10日、20日移動平均の結果もほとんど変わりはありませんですです。1日収益、総収益、勝率、損益の割合は少しずつ異なりますが、我々に伝えるメッセージは同じです。上げ相場に投資するのはとてもスマートで、下げ相場に投資するのはとても愚かであることです。

残念ながら実戦で120,248%を稼ぐことはできなかった。手数料とスリッページを費用として入れていないからです。しかし、著者のメッセージを理解するには、あの数値とグラフでも十分だったと思います。実際、勝率だけ分析してみると、上げ相場の勝率が下げ相場の勝率よりそこまで高くはないです。その代わり、損益の割合(収益/損失)が圧倒的に高いんです! 上げ相場では稼ぐ時に大きく稼ぎ、損する時は少しだけ損します。下げ相場では反対の現象が現われます。

自動売買プログラムなしにただ1日1回価格をチェックして投資したい方に適した戦略です。ところで5日移動平均だけに頼って投資すれば、MDDが50%を超える可能性があります。少し前に5日移動平均で上げ相場にだけ投資する戦略のチャートをお見せしました。長期的にもずっと右肩上がりするように見えますが、途中で66.9%のMDDが発生しました。つまり、一時的ではあるものの資産の3分の2が割れる区間が出てくるのです。この戦略をもう少しアップグレードする方法を後で紹介します。

BTCの年ごとの移動平均や相場トレンドによる1日平均収益率 (2013.11~2019.12)

年度別に分析しても、上げ相場は下げ相場より常に高い収益率を記録しました。だからといって、我々は他は考慮せずにいつも5日移動平均だけで上げ・下げ相場を判断して良いのでしょうか?

そうではないです。上の年度別データだけを見ても、2013–15年には10日移動平均を、2017–18年には3日移動平均を上げ・下げ相場の判断基準とした方がマシでした。

単に5日移動平均を従う方法のほか二つの方法を教えたいです。

1.平均移動平均線の割合で投資金額を調節する方法

正直5日移動平均線は絶対的なルールではないです。絶対的に優秀な移動平均線など存在しません。銘柄や売買の区間によって最適な移動平均線の値は続々と変わります。ここで、悪い知らせと良い知らせが一つずつあります。悪い知らせは、何が最適の移動平均線の値なのか知らないということです。良い知らせは、最適の移動平均線の値を知らなくても、平均トレンドに便乗する方法があるということです。それがまさに平均移動平均線の割合です。

平均移動平均線の割合は絶対的に優秀な移動平均線がないことの前提で、複数の移動平均線に分散投資する方法ですが、具体的な方法は以下のとおりです。

① 3日、5日、10日、20日移動平均線をそれぞれ求める。

② 価格が、当該の移動平均線の上にあれば移動平均線あたりに1点、下にあれば0点を与える。

③ 4つの移動平均線の点数を加えて4に分けて平均点数を求める。

④ この点数(の比率)によって投資の割合を決める。

平均移動平均線の割合が高いということは、複数の移動平均線の上にあるという意味であり、平均移動平均線の割合が低いということは、複数の移動平均線の下にあることを意味します。したがって、値上がりのトレンドが強いほどその強度に比例して投資金額が増え、トレンドが弱いほど投資金額が自動的に減る効果が期待できます。それだけでなく、移動平均線一つに依存しないため、市場や銘柄の状況による影響を減らし受け、より汎用的な基準にできるというメリットもあります。

例えば、5日移動平均線のみを基準として投資したら、5日移動平均線の上にある場合、100%、下にある場合、0%を投資しなければなりませんが、平均移動平均線の割合を利用すれば、75%を投資することもあり、25%を投資することもできるでしょう。

2. 価格が4つの移動平均線のうち1つでもその上にあれば上げ相場と見なし、すべての移動平均線より下にある場合にのみ下げ相場とみなす方法

似ているが、他の方法は価格が4つの移動平均線のうち1つでもその上にあれば投資して、4つの移動平均線全ての下にある時だけ投資をしない方法です。比較的に取引回数を多く確保し、確実に下落トレンドにのみ、売買を中止しようとする投資家に有利な戦略です。

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