単純だけどパワフルな四つの投資戦略

HEYBIT
9 min readMar 16, 2020

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ここまで読み切ってこられましたか。大変お疲れ様でした。 やっと具体的な戦略を学ぶ準備ができました。

最初から戦略を教えてくれたらいいのに、なぜ投資心理、リスク管理などにこんなに述べすぎて不満になった方もいらっしゃるかもしれません。しかし、仮想通貨投資の成功の50%は投資心理、40%はリスク管理、10%が投資戦略にかかっています。したがって筆者は最も重要な投資心理とリスク管理をもう少し深掘りして投資戦略は後ろに配置するのが妥当だと考えました。

難易度の低い戦略から高い戦略までゆっくりアップグレードして行くつもりです。投資家が決めた時間帯に10~30分だけ投資すれば、実行可能な戦略から自動化プログラムが必要な戦略までじっくり調べてみようと思います。

このブログで書かれてある投資戦略の収益とMDDに魅了される前に警告しておきたいものがあります。 筆者は主に2014年2月から2019年12月までの区間を探ってみますが、この区間には大幅下落もありましたが、2017年のようにほぼすべての仮想通貨が数十倍、数百倍上がった、とんでもない上げ相場もありました。このような規模の上げ相場は滅多にこないでしょう。したがって、未来の収益は過去より相当低い可能性が高いです。また、MDDは過去は確定して測定可能ですが、未来には過去よりもはるかに恐ろしく、想像すらできない災難が発生するかもしれないです。なので実際のMDDは、バックテストしたMDDより2倍程度高くなると覚悟したほうが逆に気楽でしょう。

投資戦略#1:仮想通貨10%+現金90%

めちゃくちゃ単純な戦略です。投資に時間をあまり使いたくない方に向いている戦略です。この戦略の実行ルールを要約すると次のようになります。

  • 投資対象:投資したい仮想通貨いくつかを選択
  • 投資期間:2014.2~2019.12
  • 取引費用:0.2%適用
  • 投資戦略
    1. 皆さんが選択した仮想通貨に同じ金額を分散投資する
    2. ただし、資産の10%のみ仮想通貨に投資する
    * 5つの仮想通貨に投資する場合、各銘柄に資産の2%を投資する
    3. 仮想通貨資産が合計50%値上がりし、資産対比仮想通貨の割合が15%を超えたら一部を売って再び90%現金、10%仮想通貨の割合に合わせる
    4. 仮想通貨資産が合計33%値下がりし、資産対比仮想通貨の割合が小さくなると仮想通貨を買収して再び90%現金、10%仮想通貨の割合に合わせる

例を挙げてみます。あなたの資産が1億円で、ビットコイン、イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュの4つの仮想通貨に投資したい方は、それぞれ1億*10%/4=250万円を各銘柄に投資すればいいのです。それで価格は上がったり下がったりするでしょう。 次のように一ヶ月間仮想通貨の投資金が合計50%上昇したとしましょう。

投資した仮想通貨の価格が50%上昇した場合

ご覧の通り、仮想通貨の一部は値上がりし、一部は値下がりしましたが、結果的にポートフォリオは1,000万円から50%上がって1,500万円に達し、全体資産に占める割合は14.3%に増加しました。この時、仮想通貨を少し売って現金化するのです。ただし、再び1,000万円には調整しないのです。 全体資産が500万円増え、1億500万円になったので、この10%、つまり1,050万円を再び4つの仮想通貨に等しく配分します。

逆に仮想通貨の資産価格が合計33%下落したら?

投資した仮想通貨の価格が33%下落した場合

仮想通貨は暴落し、投資額は1,000万円から667万円に下落しました。総資産は9,667万円となったのです。今度は仮想通貨の割合を再び10%(966.7万円)に合わせるためには? そうです。現金299.7万円を投入しなければならないのです。そして、各仮想通貨の割合を再び966.7万円/4=241.7万円に合わせます。この作業は「リバランシング(Rebalancing)」とも言います。

ある方々にはつまらなさそうに見えるでしょう。これでも戦略だと言えるのかと。

過去の収益や最大ドローダウン

この戦略を活用したら、どの程度の成果があったのか、先にお見せします。

総資産の10%を四つの仮想通貨に分散投資+90%現金にした戦略(2014.2~2019.12)

年換算収益(CAGR)は19.1%、最大ドローダウン(MDD)は18.8%でした。

MDD18.8%が意味するのを考えてみましよう。戦略とも言い難いくらい簡単な戦略を活用していたら、最も苦しい瞬間に18.8%を損したことになるのです。(それも一時的に)これくらいの苦しみに耐えてCAGR19.1%を稼げば、おそらく大分の人たちは我慢できると思えます。

選択した仮想通貨はビットコイン、リップル、ライトコイン、ダッシュです。なぜよりによってこの4つのr名画あを選んだのでしょう。2014年から存在したからです。これが非常に重要です。

イーサリアムは2015年に誕生しました。2017年が仮想通貨の大上げ相場であった反面、2014~2015年は仮想通貨の暗黒期でした。何度も強調しますが、仮想通貨は限りなく上がることはないでしょう。あなたはひどい下げ相場を経験するでしょうし、市場がほとんど動かない横ばい相場もきっと経験するでしょう。

四つの仮想通貨のMDD区間や規模

投資戦略の真骨頂は、下げ相場でどのような成果を出すかによって明らかになります。

これに先立ち、上の表を調べてみましょう。信じがたいかもしれませんが、2014年の下げ相場は2018年のよりさらにひどかったですが、この時期のほとんどの仮想通貨のMDDが95%を記録しました。やはりビットコインが基軸通貨(?)らしく善戦しましたが、それでも1年以上にわたって89%も割れました。

2014.3.19~2015.1.14 ライトコインが95%暴落!

筆者は価格予測はあまりしませんが、2007年12月、つまりまだ仮想通貨のバブルが続いていた時点で一度予測をしたことがあります。それだけ確信したからです。当時「仮想通貨の大半は、確実に高値に比べ90%以上下落するだろう。ただし、グラフが折れる時点だけは全くしらない」と思ってたのです。

ビットコインの最高値は221万円程度でしたが、これを最高値にして90%下落するか、それともリバウンドして1千万、3千万、5千万円まで行った後90%下落するか、そして上げ相場はいつ始まっていつ終わるかは筆者も全くしらないです。しかし、いつかは必ず高値に比べ90%も下がるでしょう。そして、次の表のように、このような大惨事は、遠くない過去にすでに起こったことがあります。

2018~2019年メジャー仮想通貨の下落率

我々の投資戦略は、必然的に押し寄せる下げ相場でも生き残らなければなりません。投資の目的は①生存、②安定的な収益、③高い収益で、投資家のほとんどは①、②の大事さを忘れて③だけ求め続けて大損してしまうことを肝に銘じましょう。

この戦略の結果が怪しいと思う方もいらっしゃるでしょう。セルフQ&Aで皆さんが気になるところを解けましょう。

Q:確かに仮想通貨は90%以上下がった区間があったが、この戦略は値下がりする区間はないのか?

A:まず90%という高い現金の割合が、大分カバーしてくれます。資産の10%だけを仮想通貨に投資すると、最悪の状況が発生してそれらの銘柄がすべて地球上から消えても私は資産の10%だけを失うことになります。幸いにも各銘柄が値下がりする区間が違ったこともあります。全部が同じ区間で90%下がって、資産の9%がなくなるわけではないです。仮想通貨が大きく下がれば現金を投入して底値買い、上がれば売って高値売りをするため、収益がある程度改善されます。

Q:下げ相場で踏ん張ったのはいいが、2017年のような上げ相場がなかったら、絶対にCAGR19%は稼げなかったのでは?

A:その通りです。この戦略の要は2014~2015年のような下げ相場で持ちこたえて上げ相場で稼ぐことです。もちろん、現金の割合が高いため、仮想通貨の上昇率ほどたくさんは儲けられないです。先ほど必然的に「仮想通貨は高値対比90%以上暴落するはずだ」と前述しました。しかし、その後は再び上げ相場が到来するでしょうし、途中には横ばい相場もあるでしょう。市場で確実なことが一つあるとすれば、上げ・横ばい・下げ相場が交互に訪れるということです。つまり、下げ相場で損しない方法を体得していれば、必然的に再び上げ相場が来て収益をもたらすでしょう。

Q:それで具体的にどんな仮想通貨を買えというのか?

A:どんな仮想通貨が未来にうまくいくかは、誰も知らないです。なのでそれだけは真剣に考えて選んでください。

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