パイサーン師の一言説法〜責任の重さに押しつぶされそうな時に〜

タイの森の寺、スカトー寺の住職

パイサーン・ウィサーロ師の言葉です。

出家して約35年もの間、修行のみならず

社会活動、人権活動、環境保護などもなさり

執筆の質も量も一流。

タイの一流のビジネスマンたちの中にも

彼のファンは大勢います。

そんなパイサーン師の説法です。

心に山を担がない

苦しみが起こる
これは
人生の中で当たり前のことです
なぜなら
私たちはあらゆるものと関係していて
それらのものと一体となることがあります
しかしそれらのものは
常に変化していて無常ですから
私たちが心で思っていることと
反対のことが起こってきます
そんな時私たちは
失望したり
悲しんだり
怒ったりしやすくなります
これが苦しみです
苦しみが大好きな人はいないでしょう
しかし苦しみは
無駄なわけではありません
一つの見方としては
何か思い通りにならない時に
別の道を選択させてくれるチャンスとなります
病気になった時には
身体を休ませるのが足りないよ、
食事を正しくとっていないよ、
生き方を正しくしていないよ、
という警告であるかもしれません
そんなふうに受け止められたら
人生をよりよく変化させることができますね
しかし
苦しみや問題の解決が難しいものもあります
他の人が関係してくる場合です
これらの時には
心を正しく置いておくことが必要になります
自分自身を責めたり
運命を呪ったりして
無駄なことをすることはありません
身体の苦しみは時に
外側の原因からも起こります
ただ心の苦しみに関しては
自分の内側が最も大切になります
外側の人や物事は
ともに関係するものの一部にすぎません
私たちの心が
何かにしがみついてしまうことがあります
例えば
変わらないでほしい、とか
原因はわからないけれど
こうであらなければならない、とか
外側にあるものだけを
責めていってしまいます
どんなに大きくて重たい石であっても
その石によって
苦しんだり、疲れたりする必要はありません
その石を担ぐ必要はありません
苦しみや疲れが生じてきたら
その石の重さを責めてもどうしようもありません
その代わりに
なぜ私がこの大きな石を持っているのか?
と問うてみましょう
もし担ぐのをやめないでいたら
そこに一粒の砂が落ちてきても
山を持ち上げるほどの力が必要だと
感じてしまうでしょう
ただその大きな石を
置いておくことです
幸せはすぐに
戻ってきます
再び担ぐことをやめれば
苦しみはもう起こってはこないのです

重い責任を担う

パイサーン師の今日の話で

思い出すのが

「重責を担う」

という言葉です。

文字通り

「重い責任を担っていく」

よく使われますし

おそらくすごく

ポジテイブなイメージだと思います。

何か新しい役職がついた時

大切な仕事を任された時

喜ばしいことであり

責任を持ってしっかりやる

という決意を新たにする時にも

使われるかと思います。

重さに耐えながらも

きっとやり遂げられる

重責を担う時というのは

自分の器を広げ

忍耐力を養える機会でもあるかと思います。

重くしているのは誰か?

しかし、今日のパイサーン師の言葉で

投げかけられているのは

果たして

それが「重い」のかどうか?

また

本当に自分が今、担ぐべきものなのか?

あるいはまた

そもそも、それに重さはあるのか?

という本質的な疑問です。

重いや軽いは感じ方の問題であって

やっていることものそのものとは

関係ありません。

誰が、何を重くしているのか?

そもそもただ置いてある山を

自分が勝手に持ち上げようとしてはいないか

そんな視点で

苦しみを見てみることの大切さを

教えてくれています。

責任を持って、軽やかに重責を担う

「そんな綺麗ごと

家族を持たないでいられる

気楽なタイのお坊さんだから

言えるのだろう」

もしかしたら

そう感じられる方も

いらっしゃるかもしれません。

いえいえ

そんなことはありません。

世間的に見れば

パイサーン師は

本当に多くの重責を担っています。

スカトー寺の住職という役割以外にも

数々のNGOの役員的な役割

サンガ(お坊さんの組織)を支える役割

ターミナルケアを必要とする患者さんのケア

海外へ呼ばれることもあるので

タイの僧侶を代表しての役割

などなど、、

ここには書けないほどどれも

大切な役割です。

世俗の私たちより

よっぽど忙しい。

一流のビジネスマンよりも

今は、アポを取るのが難しいかもしれません(笑)。

ただそれらのことを

気づきを持って

責任を持って

淡々となさっている

重いものを背負うのではなく

軽やかにちゃんと責任を果たす。

役職が多くなればなるほど

軽々と世界を飛び回りながら

ちゃんと厳しい問題とも取り組まれる

山を担いで自滅してしまうのではなく

山をしっかりと見ながら

一つ一つ適切に対応する

そんなパイサーン師の姿勢。

私も見習っていきたいと思っています。

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