Mac OS のデスクトップアイコンはなぜ右配置なのか

usagimaru
4 min readApr 11, 2016

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https://en.wikipedia.org/wiki/Macintosh

Mac OS のデスクトップは今日に至るまで一貫して右側にアイコンを配置するデザインを採用している。普通に考えたら、左から右に文を読むのだからアイコンも左上から詰めるのが自然に思えるし、実際フォルダの中身はそうなっている。Windows も左配置だ。Mac OS のデスクトップだけなぜ右配置になっているのか、それを考察してみた。なお私は正解を知りません。

はじめにこの問題を考えたとき、当初の画面が狭い Macintosh においてウインドウやメニューが左側を塞ぎやすい画面構成であること(右側が空きやすい)、そしてマウスの移動量のバランスを考慮して右側に置いたのではないか、となんとなく思っていたのだが、多分これだけでは説明不足。

PC のデスクトップとは元来「机上」のメタファーであり、ピクセルで現実世界の姿を模倣したものだ。大多数の右利きユーザーを想定した時、文房具類は普通机の右側に置かれる。大抵ね。だからデスクトップでも道具は右側に置かれるのが自然ということになる。考えてみればとても当たり前のことだが、そんなことも忘れて PC の「デスクトップ」だけを見てしまっていた。ヒューマンインターフェースは人間と接するところで、人間のためのデザインだということを再認識したのだった。

『右利きを想定した時、机上では道具は右側に置かれる。それに倣ってデスクトップのアイコンも右側に配置される。』

やっぱり気になったので改めて昔の Macintosh Human Interface Guidelines (1995) を眺めてみたところ、気になる記述を発見した。(これはアーカイブされていて良い奴なのか不明……)

A document for a word-processing program has a well-defined most useful width (the width of a page) and most useful height (the height of the screen). Therefore the width of the standard state should be the width of a page or the width of the screen, whichever is smaller. (When determining the width of the standard state, it’s a good idea to leave room on the right side of larger monitors so that desktop icons are not obscured when the user switches to the Finder.) The height of the standard state should be the height of the screen or the length of a page, whichever is smaller. ––170

『ウインドウはまず左上起点に“標準的な大きさ”で表示されるので、右側の余地があればデスクトップアイコンが隠されずに済む。』

実際の正解はわからないし一つだけでもないとは思うが、「デスクトップ」は机上のメタファーは必ず取り入れているはずだし、同時に情報設計やユーザビリティもよく考慮している UI だと思う。次はメニューバーや Windows との違いを考察してみたい。

https://en.wikipedia.org/wiki/Mac_OS_X_10.2
Xerox Star –https://en.wikipedia.org/wiki/Desktop_metaphor
https://ja.wikipedia.org/wiki/Windows_9x

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