The Hive is the New Network

海外VCリサーチ
7 min readOct 22, 2016

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https://hackernoon.com/the-hive-is-the-new-network-260b432a6720#.uy2812mrn

Social Capital のパートナー Arjun Sethi 氏の The Hive is The New Network を意訳しました。Arjun Sethi 氏は、前職では Yahoo! のグロースの責任者経験。その前は、Yahoo! に買収された MessageMe での CEO、6waves に買収された Lolapps での CEO など、複数回に起業を経験しています。

The Hive is the New Network

Facebook、Twitter、Instagram などの革新的なネットワークは、現実世界の関係性をオンラインに持ち込んできた。しかし、Facebook、Twitter、Instagram ですら、ソーシャルインターネットとしての価値は老朽化し、権力も弱まっていると言わざるえない状況だ。

Facebook、Twitter、Instagram などが成長すればするほど、政治的な利用、ビジネスアカウントなども増加し、不釣り合いな歪んだ成長も加速した。全体の8%のアカウントは、スパムだとも見積もられている。

Instagram の平均的なユーザーは、1日に 2.69回の投稿をする。その一方で、100万人以上のフォロワーがいるユーザーは、1日に 8.59回の投稿をするという。1日に 8000万枚の写真が投稿されるが、平均的なエンゲージメント率は 1.1% だとも言われている。Instagram において、50% 以上の投稿は、3% 以下のアカウントによって投稿されている。

Facebook においては、友達の数に制限があるので、Instagram よりはその傾向は緩やかだ。それでも、Facebook に投稿される写真の枚数は毎年 21% 減少傾向にある。

最早、” connect the world ” が機能しているとは言えない。この世界を生き抜く為には、ネットワークを構築するだけでは不十分だ。あなた自身が、” hive ” の構築、すなわち、ミツバチの巣箱、活気にあふれた場所を築き上げ、最終的には “ hivemind ” を持つことが大切になる。

The Existential Crisis of the Network

それでもなお、数十億人規模の人々を巻き込み成長を続けるソーシャルネットワークはあるが、それに比例する規模でのコミュニケーションが強化されているとは言えない状況だ。ユーザーをフォローしたり、友達を追加したときでさえ、あなた自身が話しかけたりすることは極めて稀だろう。Facebook においては、500人以上の友達がいるユーザーでさえ、積極的にコミュニケーションをとるユーザーは 10人〜20人程度だ。それに似た現象は、Twitter でも起きている。1000人以上のフォロワーがいても、密接な関係にあるフォロワーは、せいぜい 50人程度だろうと見積もられている。

Myspace の急速すぎた成長は、急速な落ち込みも同時に促進させた。Myspace でのサービスの鈍化の実例は、ネットワークとしての成長は単純にビジネス価値の成長とは言えない、と警鐘を鳴らしてくれている。ネットワークは、ニュートラルな存在だけに留まってはいけない。ネットワークが価値を生み出し、何かの助けになるような存在にならねばならない。

ネットワークと言うからには、属性の異なる人びとを結び付け、様々なコミュニケーションやトランザクション、流通を生み出さねばならない。しかし、現状のネットワークは、システムの結合点にあるだけに過ぎない。ネットワークが成熟するにつれ、我々は初めてネットワークの新たな意義に気付くことになる。

例えば、トラベル。トラベルにおいては、Google Map は明確に、A地点とB地点の距離を判別するに役立った。しかし、Uber は、A地点とB地点との距離の移動を加速させ、便利にした。

また、例えば、ソーシャルの分野であれば、Facebook はコネクションを増やすことに寄与した。しかし、メッセンジャーは、コミュニケーションを直接的に促進した、

そして、例えば、ショッピングの分野。eBay は、何でも買えることを可能にしたが、Amazon Prime は、欲しいものを、すぐに所有できることを可能にした。

ネットワークとしての本質的な価値は、単純な接続点の多さではなく、結果に対する即時性の高さであったり、実利の伴ったアクションに重きが置かれる。

The Hive

ミツバチの 1匹は、0.1グラムにも満たない。しかし、ひとたび、ミツバチの巣を構築するとなると、その重さは、5〜8ポンドにも達する。ミツバチの巣は、その規模を増すほど、コミュニケーションが活発化する。

まず、ミツバチの巣が大きくなればなるほど、ミツバチ自身と巣との接触が増え、情報が蓄積すると同時に、ミツバチの巣、そのものに外敵に対するノウハウ、外的な環境に対するノウハウが貯まる。また、規模が増すにつれ、高次なレベルでのミツバチ同士のシンクロニシティーが加速する。

Ant Colonies Move as Liquids and Solids

蟻の集合体に関しても、ミツバチの巣と同じような効用が認められる。高い流動性、伸縮性があり、外圧に対しての機能を維持する能力が高い。

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外圧に最も曝される蟻に関しては、死んだように無抵抗な柔軟性の高い反応を示す。そして、圧力が高まれば高まるほど、結果として、脱力した蟻の数は増し、結果として、コロニー全体としての伸縮性、柔軟性が増す。

Consumerization of the Enterprise

Slack や Github に関しても、同じことが言える。コミュニケーションが、迅速かつ、スムーズにスイッチできればできるほど、ミツバチの巣や、蟻の集合体を同じように、柔軟性の高い選択ができると言われている。

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The Future is the Hivemind

“ network effect ” として知られるネットワークの価値は下がりつつある。人々や物事のネットワーク化が進むにつれて、コネクション単体ではなく、その中でのトランザクションやコミュニケーションに重きが置かれるようになった。

次世代の大きくなるような企業は、トレンドを捉えるだけでなく、適切なタイミングにおいて、適切な方向性に対して、連体感を持ち、成長していくことが求められる。次世代においては、” hive ” すなわち、ミツバチの巣を構築するだけでなく、受動的ではなく、主体的な、” hivemind ” を持つことが求められる。

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