防-災-愛
一緒に死ぬ可能性が低いので一緒に生きることを確かめる。

・・月 ・・日
女:大好き。
男:うん。大好き。
女:大〜好き
男:大〜〜好き
女:ばっか
男:ばかばかと言わないで。バカになっちゃうから。
女:もうバカだから。ご心配なく。
女と男:はははは。
・・月・・日
女:ね〜ね〜、これ読んだ?すごいわよ。
男:何?
女:71年間連れ添った老夫婦、わずか4分違いで永眠したんだって。すごくない〜
男:へ〜すごいね。
女:うん。死でさえ二人を分けることはできないのね。そんな風になりたいな。もしそうだったら、死はもう怖がることじゃないよね。
男:ばか。
女:本当だもん。ばかばかって言わないで。バカになっちゃうから
男:もうバカだから、ご心配なく。
女:やだ。やだ。
・・月・・日
男:ね、東京で巨大地震がすぐにでも起こりうるって。
女:え。また〜。大変じゃない。この辺りは?
男:大丈夫みたい。
女:あ、そう。
・・月・・日
女:私の友達ね、旦那さんと離婚したいって。なんか、長い間、色々な問題があって、もう限界だって。でも、息子がいるから離婚のことは結構大変そう。子供の親権を得られるかどうかわからなくて、すごく不安だって。
男:大変だ。
女:うん。彼女はね、今息子さんと一緒に海外旅行しているの。ちょっと一服したいんだって。もし今日本で大地震が起こるなら助かるって言ってたの。
男:バカじゃない。なんでそんなひどいことを言ってたの。
女:大地震で、旦那さんが消えるという希望的観測だけだった。それは本気で言ってるんじゃないわよ。捨て鉢の科白に過ぎないと思う。
男:うん、わかるけど。でもばか。
・・月・・日
電話で。。
男:もしもし。横浜に着いたよ。暑いな。
女:あそう。疲れたの?
男:元気だよ。ご飯食べた?
女:うん。インスタントラーメンを食べた。
男:ダメじゃん。
女:あなたがいないから、もうだめ。あれ、ちなみに、横浜って、震度6弱以上が起こる可能性は8割を超えるんだったっけ。
男:そうだよ。
女:え。もし今地震があったら、どうすんの。
男:そんなことは起こらないよ。
女:だって、すぐにでも起こりうるって。
男:ありえない。ありえない。ね、お腹ぺこぺこだよ。ちょっと外へ食べに行くね。戻ったら、また電話するね。
女:うん。ご飯の写真送って。
男:了解。
一時間半後
電話で。。
女:もしもし。ホテルに戻った?
男:うん、部屋にいるよ。お風呂から出たばっかり。君は?
女:ベッドの上。ね、考えたよ。
男:何を?
女:心配してたんだ。一緒にいるなら死んでも怖くないけど。私たちはいつもそばにいるわけじゃないでしょう。だから、怖いの。例えばね、今あなたは横浜にいるから大地震で死ぬ可能性が8割で私の方は2割でしょ。地震起きたら、どうすればいいの。
男:ね、聞いて。何があっても君がいる場所に戻るからどこへも動かないでね。君を探しに行くから。
女:ダメよ。あなた。地震が起ったとき勝手に移動するのは一番危ないのよ。まず、あなたの身体を護ったり、近くの避難場所に移動したり、よく注意を聞いたりしたほうがいい。私もそうするから。
男:はい、ママ。
女:冗談じゃないわよ。
男:はい、ママ。
・・月・・日
女:おかえり。
男:ただいま。
・・月・・日
女:ね、
男:なに?
女:あなたは色々なところに行ったり、色々役割を演じたりするけど、どこにいても、いつでも、あなたは私の彼氏であるということを覚えて置いてね。それがあなたの究極の現実だよ。
男:はあはあ。君は僕のreality par excellence で、当たり前だ。
女:うん、だから、何があっても生きることを大切してね。私にまた会えるように生きようとしてね。
男:もちろん。君もね。一緒に死ぬ可能性が低いので一緒に生きることを確かめようね。
女:そうよ。もう一つ、いつも携帯電話のバッテリーを充電するのを忘れないでね。
男:君もね。アイフォーンでバッテリーがなくなるほど友達とチャットするのはダメだよ。
女:ひひ。わかった。うるさい。
・・月・・日
男:行ってまいります。
女:行ってらしゃい。携帯のバッテリーは?
男:はい、たっぷり。君は?
女:チャットはしないよ。
男:じゃ、晩御飯待っててね。
女:待ってるわよ。
別の日
男:行ってまいります。
女:行ってらしゃい。携帯のバッテリーは?
男:はい、たっぷり。君は?
女:チャットはしないよ。
男:じゃ、晩御飯待っててね。
女:待ってるわよ。
別の日
男:行ってまいります。
女:行ってらしゃい。携帯のバッテリーは?
男:はい、たっぷり。君は?
女:チャットはしないよ。
男:じゃ、晩御飯待っててね。
女:待ってるわよ。
別の日
