WebRTC DataChannel に忍び寄る QUIC の影

V
shiguredo
Published in
2 min readMay 18, 2016

WebRTC DataChannel は TCP と UDP のいいとこ取りをした SCTP というプロトコルが採用されています。

暗号部分は DTLS です。SCTP over DTLS over UDP というなかなか深めの実装です。

さて、 SCTP が余り使われていないマイナープロトコルだからどうこうは置いておいて、 QUIC という Google が提唱しているプロトコルがあります。すでに Chrome は実装済です。IETF にもドラフトは出てきています。

簡単に説明すると TLS + TCP を UDP 上に実装するというのが目的です。

Technical Overview of QUIC

大津さんの記事がいろいろあるので詳しく知りたい方はそちらをどうぞ。

で、普段は HTTP2 over QUIC over UDP という実装で使われている QUIC ですが、 DataChannel の選択肢として選択できる可能性が高いです。

もともと去年のボストンの WebRTC のイベントで発表がありました。

QUIC and WebRTC DataChannels — Ian Swett — YouTube

これはとりあえず入れてみたという案です。

それから半年以上立って … 2016–02–08 、WebRTC のリポジトリに Create QuicSession というコミットが入りました。

これは DataChannel に QUIC を採用するためのコミットでした。その後も月 1–2 回程度コミットが続いています。最新は 2016–04–29 の QuicDataChannel に関するテスト周りの変更が入っています。

SCTP が消えることはなさそうです。選択制になりそうです。今後はもっと高速化された DataChannel が使えるようになるかもしれません。

--

--