オフサイトミーティングをOSTでやってみた

Yusuke WADA
Dec 15, 2019

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こんにちは、1日目にも書きました和田です。私が属する事業部では定期的に合宿を行っていますのでその紹介をさせてください。

合宿と書きましたが、泊まりません。日帰りです(笑)またエンジニアの文脈ですと、合宿といえば開発合宿のイメージがありますが開発もしません。いつもと違う環境で1日かけてしっかり話し合うイベントを我々は合宿と呼んでいます。

が、拠点から離れたところでリラックスして話し合うことをオフサイトミーティングとも言うらしいので今後はオフサイトミーティングと呼ぶことにします。なんかカッコいいので。

事業の企画運営、サポート、エンジニア、デザイナーの事業部メンバーが集って話します。20人超えますし、丸1日(7時間)使うので実りあるように設計をします。

会議ファシリテーションの基本は、この4つのステップです。

1. 共有(場のデザイン)
2. 発散(傾聴)
3. 収束(構造化)
4. 決定(合意形成)

私はこのオフサイトミーティングを過去を顧みて未来をつくる話し合いと捉え、マクロ視点での「ふりかえり」として5つのステップで設計しています。

1. 場を設定する
2. データを収集する
3. アイデアを出す
4. 何をすべきかを決定する
5. ふりかえりを終了する
(書籍「アジャイルレトロスペクティブ」より)

具体的な実装として下記のような形をとりました。

  1. アイスブレイク
    下記のようなアクティビティを使います。
    ex) 実は…自己紹介
    ex) ラインナップ → 陰褒め
  2. 目的・目標の確認
  3. グランドルールの確認
  4. 前回開催から今回までの出来事や気付き、感情などを共有
    ex) Fun/Done/Learn
    ex) Good & Moyatto, News seeds
    ※News seedsは、事業に使えそうな新しいツール、サービス、トレンドなどを共有
  5. OST形式で対話
    やり方説明
    テーマ出し
    4テーブル× 3コマ
  6. お昼
  7. OSTでの話し合いの全体共有
  8. 掘り下げたいテーマをドット投票で選択
  9. 選択したテーマについて全員で話し、今後とるアクションを決める
  10. オフサイトミーティングを終了する(ふりかえりのふりかえり)
    ex) Fun/Done/Learn
    ex) チェックアウト
  11. 片付け

目的と目標

私は話し合いにおいて、できるだけ目的(なぜやるのか)と目標(ゴール、ミーティングが終わった時にどういう状態を目指すか)を合意してから始めるように意識しています。ゴールを設定するのも大事ですが、なぜやるのかも大切です。
なぜこの会議をやるのかという理由や背景、Whyの部分を共通認識としておかないとWhyを各人が想像することになり、噛み合わない議論になったり、終盤で「そもそも論」が出て議論が振り出しに戻るということになりかねません。

私はよく下記の図をイメージしていているのですが、

目標が同じでも目的が定まってないとベクトルも違ってくる
ベクトルが違うとその先の作りたい未来も大きくかわってくるので、同じ目標を見ているはずなのにズレが発生する

目的と目標の2点が定まることで、作り出す未来の方向性も定まり噛み合った議論が始められます。

OST(オープンスペーステクノロジー)

OSTは、アジェンダがなく事前準備もほぼ要らないにも関わらず、参加者が積極的に参加できるエキサイティングな会議手法です。ここでいうTechnologyとは「手法」の意になり、IT用語のような意味ではありません。

国際カンファレンスにおいて、最も有意義だったのはコーヒーブレイクでの雑談だったという意見に注目して考案された対話手法で、参加者がテーマを持ち寄り話し合います。

手順

  1. 話し合いたいテーマを、A4用紙に大きく書く
  2. 書いた人は前に出てきて、読み上げる
  3. 壁・ホワイトボードに貼る
    (それがタイムテーブルになります)
  4. テーマが揃ったら、好きなテーマのテーブルを移動して対話スタート

OST導入前に感じていた課題

  • 参加人数が増えてきたのは嬉しいことだが、人によっては発言の機会が減ってせっかく集まっているのにもったいないよねー
  • 同じ事業部メンバーとはいえ、コンテキストが違いすぎて全然興味なさすぎる話題も増えてきてつらいよねー。全員で1つの話題を話す必要はごく一部の重要なテーマに限られているかもしれない。

OSTの特徴

  • 参加者が話したいテーマを持ち寄ることで、思いや情熱、課題感を伝え、仲間を募ることができる。
  • メンバーは話したいテーマのテーブルにつくことで、情熱や関心ある人が集まり、話し合うことができる。
  • テーブル(テーマ)の途中移動は自由なので、自分が最も貢献できるテーマに移動し、価値の高い時間を過ごすことができる。
  • 1コマの時間で複数のテーマを話し合うことができるので、さばけるテーマ数も増える。
  • 楽しい!

導入初回は「もう少し話したいな」と若干の不満感を覚える短めの1コマ20分でやりました。満足してしまうとそこで終わったり、飽きたりするので。

OSTで話し合った後は、アウトプットした模造紙を見ながら共有し、全員で掘り下げたいテーマを投票で選び、アクションプラン作るところまでやって終わります。楽しいながらも色んなテーマで発散すると、自ずと事業部メンバーが取り組むべき方向性に収束してきて、各人の思考、価値観の相互理解にも繋がっています。

OSTは本当にめちゃくちゃ楽しいので、社員総会でも他事業部のメンバーも交えてやりたいなーと目論んでいます。

参加者の積極性を引き出し、組織の共通認識をつくり全員が戦略眼ある事業部を目指してOST、オフサイトミーティングを今後もやっていきたいと思います。

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Yusuke WADA

I ‘m studying coaching, mentoring and facilitating in an Agile context.