なぜ採用においてもブランドが必要なのか?

若山 剛一 / Koichi Wakayama
5 min readOct 22, 2017

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はじめに〜有効求人倍率は伸び続けている〜

数年前「ブランド」「ブランディング」という単語がある種マジックワードとして使われていました。「ブランドが作ることが出来れば、ビジネスは絶対伸びるんだ」と。確かに強いブランドを作ることが出来れば、そのビジネスは上手く行くと思います。スターバックスやApple、Red Bullなどの企業や商品は世界的にも有名です。しかし同時に「ブランド」という言葉が先行し、その実態を理解している人は少ないのではないかと感じています。

そしてそれは採用の領域においても同様で、多くの人が「ブランド」の実態を正しく把握しないまま、日々の業務にただ追われているだけなのではないでしょうか。

同時に企業は「採用ブランド」の戦略が問われるタイミングに突入しています。2017年8月度の有効求人倍率は1.52倍とここ数年伸び続けており、企業は人材不足に悩まされているためです。

引用:厚生労働省『一般職業紹介状況(平成29年8月分)について』

企業側の人材不足はつまり、労働者側が企業を多くの選択肢の中から選べる状態でもあります。そのため企業は、労働者に働く場所として自社を選んでもらうための「ブランド」を構築していく必要があります。

しかし、頭では分かっていたとしても実際にブランドを構築していくのは非常に困難です。私自身、採用ブランディングを担当していますが、その難易度は非常に高く、まだまだ改善の余地が残っております。

そこでここでは、「ブランドとは何か」「具体的にどうやってブランドを構築していくのか」について解説できればと思います。

そもそもブランドとは?

採用におけるブランドを紐解く前に、まずは「ブランド」という言葉の定義について見ていきます。

ブランドという言葉の由来は、牧場主が自分の家畜と他人の家畜を判別するために焼印を施していたことに由来します。そして現在の意味としては、自社商品(企業)と、その他同類のカテゴリーに属する商品(企業)と判別/区別することの意味で使われています。(ブランド=高級品という理解がされていますが、それはブランド本来の意味ではありません。)

例えば、お茶という商品カテゴリーについて見ていきます。

お茶カテゴリーに共通する機能的価値は「喉の乾きを潤す」ということです。しかし、コンビニやAmazonには非常に多くの種類のお茶があります。

日本茶で絞っても、綾鷹、伊右衛門、お~いお茶、生茶など選択肢が非常に豊富です。

私たち生活者はその多くのお茶の中からどれか一つを選んで購入する必要があるのですが、その時の選択判断コストを下げるのがブランドです。

例えば、綾鷹は急須で入れたような味わいを追求し、私たち生活者に対してもそのコミュニケーションを展開しています。結果、その味(体験)を好む属性の消費者に好まれそして選ばれ続けています。

なぜブランドが必要なのか?

では、なぜ先ほどの綾鷹のようにわざわざ急須で入れたような味わいを追求し、そのコミュニケーションを展開する必要があるのでしょうか?

それは商品のコモディティー化にあります。

コモディティー化した市場において、生活者は「どの商品を選んでも変わらない」という状態になります。そのような状況下で企業は、他社商品と差別化しなければ生き残っていけません。そこで企業戦略に登場したのがブランドです。

つまり、かつての作れば売れるという状態から、作っただけでは売れなくなったのです。

終わりに〜採用における企業ブランド

以上、ブランドの定義と必要性について実際の商品を中心に解説しました。冒頭で述べたように、企業の採用領域においてもコモディティー化は発生しています。多くの企業の中から自社を働く場所として選んでもらうため、企業は強い採用ブランドを構築する必要があるのです。待っていても、いい人は採用出来ないのです。

次回はブランド形成のメカニズムについて見ていきたいと思います。

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若山 剛一 / Koichi Wakayama

ビジネスコミュニティサービス準備中。創業メンバーとしてのエンジニア募集中です!デザイン、マーケティングが得意です。