Hyundai KONA Voyage 納車から半年経ちました

watabow
Sep 23, 2024

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成田空港のPower Xにて

納車は2024年2月23日でした。
本当は半年後の8月末にこの記事も公開予定だったのですが、ちょっと忙しくてこちらに気が回らず、書きかけ放置で時間が経ってしまいました。

半年経過時点で 6000km程走行しました。基本的には満足していますが、何というか「フツー」の車なので、いやこれ最高ですよ!お勧めです!というよりかは「あ、興味あるの?試乗の範囲で不満なかったら良いと思うよ」くらいの熱量な感じです。グレードについてはタイヤサイズの所為でLoungeを選ばなかったので、LoungeにしてタイヤだけVoyageサイズに変えて納車して貰えばよかったと思ったり思わなかったりしていますが、基本的には満足しています(2回目)。

この記事では以下のようなことを書いていきます。
・期待通りだったこと、期待以上だったこと
・不便だけれど買う前から分かっていたこと
・あとから分かったイマイチなところ(改善要望)
・どういう人にはお勧めできて、どういう人にはお勧めできないか

尚、これまで10年前のガソリンエンジンを積んだ非HEVのSUV(T31後期型X-TRAIL)に乗っていた人の目線なので、その点は注意してください。

期待通りだったこと、期待以上だったこと

①エンジンを積んでいないこと
これは音・振動・匂いについての話です。元々EVに限らず電気モータで走る車がいいと思っていたのですが、それは走行性能についての話であって、それ以外にEVを買う前にはあまり考えていなかった点が意外と良かったという話です。
僕は元々「家を買うなら戸建てが良くて、且つ雨でも濡れずに家と車を行き来できるのが良い」と思って、それが可能なくらいまで土地が安い場所に家を買いました。お陰で通勤は片道2時間以上掛かっていますが、それはそれとして、結果として家の目の前に車を停める形で駐車スペースが有ります。そうすると、家の窓を開けていると排ガス臭いんです。特に始動直後の排ガスが臭い。この問題から離れられたのは本当に良かったと思っています。
音については、低速走行時には近接警報音が鳴るので車外側ではそんなに静かになっていない(実際近所の住宅街内の歩道のない狭い道路を走っていると、エンジン車の時と同じタイミングで前を歩く人が避けてくれています)ので、そういう話ではありません。特に高負荷時(加速時)のエンジン音が酷い音で、以前の車はそこだけが嫌いだったのです。
そして振動。路面からの振動は当然あるのですが、エンジンからの振動がないのは長距離移動の疲労感の面では本当に快適で、逆に以前はそんなに気にしなかったバス乗車時のディーゼルの振動が結構気になるようになってしまいました。

②ADASの出来の良さ
短時間の試乗ではADASの良し悪しは分かりづらかったのと、以前にカーシェアで利用したIONIQ5の車線逸脱防止関連機能がイマイチだったので、正直そこまでの期待はしていなかったのですが、明らかに良くなっていました。もしかしたらIONIQ5の方もソフトウェアの改善などはされているかもしれませんので、現時点での比較ではありません。
ヒョンデでは前車追従クルーズコントロール(ACC)と車線維持支援(LKA)を組み合わせて高速道路運転支援(HDA)と呼んでいますが、これが非常に快適です。(ただし、ウチのはVoyageグレードなので自動レーンチェンジ機能は付いていません。Voyageの感想である点、ご注意ください。)
ACCについては、まずワンボタンで即ONになってくれるのが良いです。他社車ではツーアクション必要な物も多いと思いますが、ヒョンデはボタンを一回押すだけです。押せばその時の車速でACCを開始してくれます。その後で設定車速の調整をすれば、それに応じて車速が変わります。車間維持状態で前に割り込まれた時や、逆に自分が他の車列の間に合流したときに、設定した車間を確保するために減速をするのですが、それが結構急だなと思いますが、それくらいでしょうか。これについては以前に乗ったIONIQ5の方が自然だったような気がしますが、うろ覚えなので間違っているかもしれません。渋滞時に完全停車した状態からも前が動いたら自動で発進するという機能は無いのですが、ボタンを押すかアクセルペダルを踏めばACCを再開してくれるので、それほど不満は無いです。
LKAも結構自然に車線をトレースしてくれるので、不安なく使えています。IONIQ5では明らかにおかしな動きをすることがあった(LKAが車線逸脱しようとして自分自身で車線逸脱警報が鳴るとか)のですが、そういうことは起きていません。ただ、元々手放し運転ができないシステムなので困ることは無いのですが、路面や天候の影響で車線が認識できなくなったときなどに、何のフィードバックも無くキャンセルされる点は、他社車から乗り換えの場合にはもしかしたら注意が要るかもしれません。僕は煩いよりも今のシステムの方が良いですが。
LKAとは別に車線逸脱防止(LDP)がありますが、IONIQ5の時はこれがかなり過敏かつ強力だと感じました。一般道の狭い交差点を通過するときに、左側のガードレールや縁石に反応してステアリングを右に切るアシストが入ってしまい、右には対向車がいるのに!とステアリングを抑え込むようなことが何度かあったのです。KONAではステアリングが持っていかれるような強い感覚は無く、慌てずに通過できます。

③遠出も思ったより疲れないこと
前に乗っていたT31 X-TRAILは、当時の日産車で一番乗り心地が良いと言われたりもした程に、遠出でとにかく疲れない車でした。それからの乗り換えなので、多少なりとも長距離移動時には疲れやすかったりはするかなと思ったのですが、さすがに発売が十数年違うということもあるかと思いますが、杞憂でした。僕は腰痛持ちなのですが、それでも長距離運転で腰に負担が来ることは無く、少なくともT31 X-TRAILと同等程度には疲れない長距離移動が出来ています。むしろADASとブレーキホールドが快適なので右足の負担が大幅に減り、以前よりも少ない休憩で移動できます。

④思ったよりもジロジロ見られないこと(IONIQ5比)
正直僕はそうは思わないのですが、世の自動車評論家の皆様によるとKONAは「かなり独特な、好みの分かれるデザイン」らしく、目立つのかなと思っていましたが、たまに駐車場で外車乗りの人に見られるくらいでそんなに視線を集めません。ボディ色が黒なのでより一層目立たないのかもしれません。世の中にはもっと独特なデザインの車もたくさんあると思うのですが…。
一方で、以前に借りたIONIQ5はとにかく街中で見られていました。コンビニの駐車場でも周りをぐるっと回って見られたりとか、信号待ちしていても前の横断歩道を歩く人がこちらを見ていたりとか。まあカッコいいですからねIONIQ5。見ちゃいますよね。KONAは地味キャラですから。

⑤給油にスタンドに行かなくていいこと
これは、当初は言うほどのことだだろうかと思っていたのですが、言うほどのことでした。ただし、これは当然ですがEVであるだけでは駄目で、自宅で(もしくは契約している駐車場で)簡単に基礎充電ができるという環境によるものです。逆に言うとその環境が用意できないのであれば、個人的にはEVは薦めません。好きなら買っても良いですが、EVって良いらしいね~くらいでは不満の方が大きくなると思います。
ただ、ガソリンスタンドに行かなくなったので、以前は給油のついでに洗車するか、とか気軽に洗車機に突っ込んでいたのですが、それが面倒になったので、自宅で洗車しています。その方が手間じゃんとも思いますが…。

⑥V2Lがあるので災害時のバックアップ電源にできること
これは…実際に活用した訳ではないので書くかどうか迷ったのですが、台風の直撃に備えていつもよりもたくさん充電して備えたことがあったので、一応書いてみました。KONAはV2L(車両の高電圧バッテリから、家庭用AC100V電源を取り出せる機能)が標準で備わっています。BYD車にも備わっている機能ですが、KONAは車内にも100Vのコンセントが付いています。万一の時にはV2L機能を使って調理家電を動かしたりもできるので、V2Hをやっていなくても簡易的な停電への備えとすることができます。

イマイチだけれど買う前から分かっていたこと

①室内収納(国産車比)
車好きであれば昔から有名な話なので、書かなくても良いかもしれないとも思ったのですが、以前は日本で外国メーカの車を買うというのは、その車またはブランドが好きで買うケースが多かったと思います。ただ、すくなくとも2024年夏現在に「電気自動車を買いたい」と思ったとき、国産車の選択肢が少なすぎる為に外国車を視野に入れるケースがあるのではないかと思います。特にBYDとヒョンデはその立ち位置になりやすいポジショニングなんじゃないかと勝手に思っていますので、室内収納については、国産コンパクトカーやミニバン程には気が利いていませんよ、という話です。

②純正ナビ(非Loungeグレード)の出来
これもヒョンデだから云々というよりはステランティス等も含めた、日本ではそこまでメジャーではない外国車では仕方のない部分かなと思っています。遠出するときはAndroid Autoを使っていますが、一方で純正ナビにしか無い機能として、目的地をEV充電器にしておくと、到着時に充電効率の良いバッテリの温度になるように熱管理をしれくれます。
ナビの機能については、ルート検索アルゴリズムが十数年前のカーナビタイムみたいだなと思ったりしました。高速道路が渋滞していたら直進できる側道(SA・PAや、一部のICなど)があればそっちを抜けろと言ってみたり、一区間だけ下道を通れと言ってみたり(後者は場合によってはアリですが)。
あと、地点情報が少なすぎて、住所で検索する羽目になりがちです。スマホのBluelinkアプリで検索して地点情報を車に送ることもできますが、Bluelink上では結局純正ナビの持っているのと同じ地点情報量なので…。

③最低地上高の低さ(前に乗っていたX-TRAIL比)
やっぱりちょっとSUVとは言いたくない(個人的にはコンパクトハッチと思っている)のは最低地上高の低さ。X-TRAILと比べるのはどうかとも思うのですが、「車幅が入る道路であればどこへでも行ける」という「自由」がX-TRAILにはありました。そうは言ってもそんな場所に行くのは2~3年に一度程度だったので、もう良いだろうと割り切って買ったのですが、SUVでしょう?と思って買う…人は居ないか。

④後席足元の狭さ(国産コンパクト比)
実車に乗り込めるタイミングがあれば、試乗までしなくても分かりますが、日本の軽自動車やコンパクトカーの方が後席足元は広々しています。その分後席の座面が短かったり低かったり薄っぺらかったりと、長時間乗っていた時に疲れないのはどちらかと考えれば別ですが、例えば送迎に十数分乗れれば良いみたいな場合は日本のコンパクトカーの方が快適だろうなとは思います。

⑤長距離移動時に経路充電ポイントの空きを気にしながら移動しなくてはならないこと
当たり前ですが、思っていない訳ではないので書きました。ただ前回、遠出してみました、で書いた通り、思っていたよりは良かったのも事実です。覚悟していた程には酷くなかったが、そうは言っても気にしないで良いわけではないという感じです。

あとから分かったイマイチなところ

いっぱい書いてありますが、基本的には細かい話です。ただ、所有しないと気づけない点かなと思ったので多少でも参考になればと思います。

①遮音性がそんなに良くない
ロードノイズが主だと思うのですが、結構うるさいです。走行中に関して言えば周囲の音が入ってくるというよりは、走行時に自分が立てる音が入ってくるという印象。そのため、例えば高速道路を走行中でも後席の人と小さな声でも会話できる、というような感じの車内空間とはなりません。じゃあ停車中は静かなのかというと、一度高速道路のSAで車中泊を試みたのですが、両サイドに停まっている他の車の騒音(エンジンとエアコンの音)が結構気になる感じでした。試乗の時に確認できると思いますので、気になるレベルかどうかチェックした方が良いと思います。ただ、個人的には車格相応なのかなとは思っています。

②後席同乗者の視界が良くない
まあ、国産ファミリーカー比だと思っていただければ良いと思いますが、デザイン上、サイドウィンドウ下端は前から後ろに向かって上がっており、後席のサイドウィンドウ面積は単純に小さくなっています。また、フロントシートがT31 X-TRAIL比で大きく、後席から前方向の視界も狭くなっています。ガラスルーフ付きのグレードなら解放感は損なわれないかもしれませんが、そうでない場合は後席はやや圧迫感があります。

③Android Autoの無線接続に対応していない
これカタログにも取説にも書いていないんです。取説のこの部分は汎用的な書き方になっていて、「車が対応している場合は…」という書き方です。せっかくQi充電に対応しているのに勿体ない気がします。

④スマホ置き場がある(Qiパッド部)が、そこに冷気が当たるようになっていない
一方でそのQiが使えるスマホ置き場ですが、エアコンの吹き出し口からの風が当たらない場所なので、Android Autoを使っているとスマホがかなり高温になります。しかたないのでエアコン吹き出し口に固定するスマホホルダーを使って冷気を当てて対応しています。これ、KONAに限らないと思うのですが、他車はどうなんでしょうか。スマホ置き場、冷やせるようになっていて欲しいです。

⑤メーターディスプレイに時計が無い
欲しいです。センターディスプレイ(ナビなどのところ)に時計があるのですが、助手席寄りに表示されるので視点移動が多く、またAndroid Auto使用時は逆に運転席寄りではあるもののステアリングホイールに置く左手(10時10分置きの場合)に邪魔される場所に表示されるので見辛いのです。

⑥TPMSは少し走行しないと表示されないので運行前点検につかえない
タイヤ交換・ローテーション時のペアリングを不要にした結果だと思うのですが、多少走行しないと空気圧が表示されません。つまり、運行前点検には使えないんですよね。位置は分からなくて良いから、最低・最高空気圧だけ、電源ONだけで見られると良いのですが。

⑦ポジションメモリの無いパワーシートって不便(非Loungeグレード)
Loungeには前席リラクゼーションコンフォートシートが有り、左右席共にポジションメモリ付きパワーシートとなっています。Voyageは運転席のみパワーシートで可動範囲はLoungeと同じだそうなのですが、ポジションメモリが有りません。
手動でレバーを使って角度・位置合わせをするシートの場合、無段階には調整できず、何段階かの中から選んで位置を合わせますが、パワーシートは無段階なので、ポジションメモリ無しに元に位置に戻すのが難しく、例えばシートを倒して寛いだ後に運転姿勢に戻ろうとして、微妙に位置がずれていて運転しながら微調整したりしています。
Loungeにしなくて一番後悔したのがこの点かなと思っています。

⑧洗車関連
何点かあるので、まとめて行きます。まず、リアハッチゲート周辺の水切れの悪さ。雨天走行後、洗車後、どちらもなのですが、リアハッチ上部からの水を逃がすルートがリアハッチ内側の左右にあるのですが、ここから垂れてきた水がリアバンパー部に出てくるので、そこだけ汚れてしまうのが気になっています。またリアハッチガラス下端の排水が左右端なので、リアハッチを開けるときに角度が付いてそこから垂れてくる構造になっています。もう慣れましたがちょっと嫌でした。

あとは洗車時のワイパーの取り扱いです。ワイパーの初期位置(非作動時の一番寝ている状態)だと、フロントワイパーを立てることができないタイプの車です。それはまあ、そういう車も世の中にはたくさんあるので良いのですが、問題はワイパーを立てるための操作(電源OFF後にワイパースイッチをMIST方向に長倒し)をすると、ワイパーが動くのですが、なぜかこの時にリアワイパーも同時に動きます。普段のMISTの時には動かないくせに。
つまり、ワイパーを立てようとしていることを分かっていて敢えてリアワイパーも動かしている筈なのですが、問題はリアワイパーは初期位置でないと立てられないのです。立てようとするとリアスポイラーにぶつかってしまうのです。さすがにこれはユーザを馬鹿にしているのかと思いましたが、アンケートなどでも伝えている(伝えたと思う)ので、対応を待ちたいと思います。

⑨ユーザによるタイヤ交換を非推奨としている点
KONAには車載ジャッキが有りません。取説にはタイヤローテーションの記述はあるものの、EVということで車両重量が重いためにユーザによるタイヤ交換は推奨しないという立場を取っているとのことでした。これについては別記事で書いていますのでそちらをご覧ください。

ただこれについては、納車をHyundai Mobility Lounge 東京ベイ東雲(A PIT AUTOBACS SHINONOME)で行い、その際にスタッドレスタイヤも購入していたので、そこで教えて欲しかったと思います。そうしたら真面目にオールシーズンタイヤも検討したかと思います。DUNLOPのSYNCHRO WEATHERは未発売でしたが予告されていましたし…。

⑩前輪駆動だということ
これは分かっては居たものの実感が無かった点になるのですが、エンジン車と違ってEVは一番重いものが前後輪の間にあるので、一番駆動力が欲しい場面(登坂時)に前輪駆動だとトラクションが掛かりづらいという構造上の問題を抱えています。EVの場合、プラットフォームが許せば後輪駆動にすべきというのはこれが理由です。
エンジンを積んだ乗用車でも同様なのですが、まだエンジンが前輪付近に有るのでEVよりは前輪に荷重を掛けやすいのかなと思います。

⑪一定以上の減速度が発生すると減速してなくてもブレーキランプが点く(法規)
これはもう法律なので仕方ないのですが、一定の減速度が出ている場合はブレーキペダルを踏んでいなくてもブレーキランプが点きます。平たん路であれば問題ないのですが、降坂の場合、車速は一定(減速していない)でもブレーキランプが点くことになります。
橋を越えるような、登って下るような道の場合、ACCを使って走行していると、登り切って平たん路に入った瞬間や、下りに入った直後などに点灯することもあり、後ろの人は「何やってるんだ」って思っているだろうなと思うこともあります。法の趣旨は分かるのですが誤解の元なので、減速度ではなく実車速の変化で点灯させるようになって欲しいなと思います。

どういう人にはお勧めできて、どういう人にはお勧めできないか

《お勧めできない人》

①他人と違う物を選ぶのが不安/嫌な人
②アフターマーケットの既成品で足回りとかカスタムしたい人
③毎日とにかく長距離(200km以上)乗る人(頻繁に充電が必要)
④エンジンの音・振動、排気の匂いなどが好きな人
⑤気が短い同乗者が居る人(長距離移動時に限る)
⑥ゆったりスペースで車中泊をしたい人(もっと広い車がおすすめ)
⑦基礎充電環境が用意できない人

《お勧めできる人》

以下の①~⑤全部に当てはまった上で、悪路やキツイ雪山に走りに行かない人
①人と違う物、新しい物を所有することに抵抗が無い/好き
②毎日の走行距離は程々で、一度に500km以上走るような機会は月1回以下
③外国製品特有の「気が利いてない」感じを許容できる/楽しめる(アフターサービス含む)
④EVが欲しいが大きな車は嫌で、5人乗りは欲しくて、BYDは試乗したけれどイマイチだった(試乗大事)
⑤車内にAC100Vのコンセントが付いていると嬉しい
それとは別に、デザインが気に入った人(これは何にも勝る)

最後に(まとめ)

結局のところ、フツーに出来が良いEVで、EVの中では比較的お手頃価格なので、EVに興味が有るのであれば一度試乗イベントなどで見ていただく価値はあるのではないかなと思います。

ただ、全国にディーラー網やサービス網が「充実している」というレベルではないため、購入時には注文者の住所を見て「そのエリアには直営サービス拠点は無いが本当に良いか」という趣旨の確認メッセージが表示されるなど、売り手もそのあたりは気にしています。ちょっと困ったらお店に駆け込んで担当営業に相談したい、という人にはヒョンデ車は無理だろうなと思います。これはテスラも同様ですが、テスラの方はもう市場にたくさん出ているので、情報は豊富にあるのかなと思っています。

逆に、個人的にはテスラよりもヒョンデを信頼している面もあって、あまり報じられていないのですが(ヒョンデが日本に再進出するときに一部で報じられていましたが)、かつてヒュンダイとして日本で乗用車を売っていて撤退した際、アフターサービス機能は残し、オーナーへのサポートは継続していたとその記事には書かれていました。これはとても大切なことで、外資はどうしても「撤退」の可能性があるので、使い捨ての安い製品でなければ購入の際には多少はそのリスクを考えざるを得ません。そういうことをしない(将来そうしないと言っているわけではないですが)会社なのだな、というところで安心して買っています。そういう過去が無いだけでテスラがダメという訳ではないですが、リスクとしては残ると思います。
一年で乗り換えとかする人には関係ない話ですが、僕はアフターサービス/サポートへの信頼感というのは大切だと思っています。

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watabow

An engineer in automotive industry. Living in Japan, loving listening to music, reading books, traveling country side, taking pictures. Kayaking beginner.