アライアンス 約束をすることの贅沢

東京糸井重里事務所CFO篠田さんの東洋経済のインタビューを読み、仕事の選び方や挫折の内容、そのタイミングにとても共感しました(篠田さんほどしっかりしたキャリアではぜんぜんないのですが)。今現在も、惑いの最中にあることもあり、何かヒントになるようなものを得られないかと、篠田さんが翻訳されている「ALLIANCE アライアンス」を読みました。

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http://toyokeizai.net/articles/ -/20193

まえがきにも書いてある通り、シリコンバレーと日本の労働環境や社会慣行の違いから、アライアンスという制度そのものをそっくりそのまま日本で実行に移すことは、企業の側からも個人の側からも、なかな難しそうです。ただ、自分自身の「価値を見直す」という点で、とても大きなヒントがありました。

「アライアンス」は、世界的な規模で進行している「終身雇用の終わり」と働く人の「フリーエージェント・クラウドソーシング化」という、企業と働く人の「信頼関係の解体」が進みつつある中で、企業と働く人の新しい「信頼関係のかたち」として提案されています。

「アライアンス」は、企業と働く人の関係を「取引」ではなく「関係」として捉え、企業と働く人が互恵的な提携関係を築くことを目指しています。そのためには、「期間」と「期間内に達成する成果」を「約束」することが必要で、その約束を通して、企業と働く人はそれぞれ「強いビジネス」と「優れたキャリア」を手に入れる。ざっくりと言えば、「アライアンス」とはそういうことのようです。

全体的に、ふんふんなるほどという内容で、個人としてもマネジメントとしても参考になる内容でしたが、今後の個人の働き方として「『期間内』に達成する成果」と「約束を通して成長する」というふたつの考え方がとくに特に心に残りました。

以前、「何によって憶えられたいか」というドラッカーさんの言葉に出会って以来、折にふれて「何によって・・・」と考えているものの、なかなかピンとくる答えが見つかりませんでした。「一生」は、重すぎます。ただ、「2年後に」「5年後に」といことであれば、ひとつ気軽な気持ちで思い定めることができそうです。そして「期間」の概念があったほうが、より多様な人生を歩めそうです。村上春樹さんも「遠い太鼓」の中で、「僕が怖かったのは、あるひとつの時期に達成されるべき何かが達成されないままに終わってしまうことだった」と言っているように。

また「約束」を守るという考え方も、(当たり前ではあるのですが)とても新鮮でした。「はたらきがい」という言葉が、「はたらきがいがない」「はたらきがいが見つからない」などネガティブな意味合いで使われることが多いのも、「一生の」的な形容詞をつけてしまうことがその原因なのではないかと思います。自分の一生をかけてもいいような「はたらきがい」は、ちょっとやそっとでは見つかりそうにありません。ただ人と「約束」をして、それをしっかり守ることであれば、それは頑張ればできそうです。そして、頑張りようがあるのであれば、「はたらきがい」などは置いておいても、頑張ることができそうです。「頑張ることができる」って、贅沢ですよね。

そんなわけで、「期間」と「約束」のふたつの言葉は、35歳を迎えた新たな惑いの中にありながら、今後の道標になってくれそうです。

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