Yahoo!が10億ドルで買収したTumblrを全損処理した話について
数年前にYahoo!がマリッサ・メイヤー体制になってからおそらく最初のビッグニュースであったTumblrの10億ドル買収。その買収が結果的には失敗に終わったらしい。おそらくこの当時(2012年~2013年)はFacebookがInstagramを買収したり、Snapchatの買収に失敗したり、TwitterがVineを買収したり、巨大SNSが新興SNSを買収していくのが良い戦略、というかブームだった気がする。その中でやや減退気味だったYahoo!に新しい風を吹かせる意味で、当時10代に人気のあったTumblrを買収したのかと邪推する。
そしてこの度10億ドル買収を全損処理したということは、買収後うまくシナジーを発揮したり、サービスとして大きく成長できなったことを意味する。ただ最近仕事で多くの大学生に会うことがあるが、意外と日本でもTumblrの知名度は一定程度あり、直接話した肌感だと今の関東圏の有名大の1~2年生の女子大生のうち30%くらいはTumblrというサービスを聞いたことがあり、10%程度はつい1~2年前や何なら今現在も”たまに”使っているような感じがしている。ただし、激ハマりしている人はほぼおらず、大体は何らかのアーティスティックな作品を載せる場が他にないので、選択肢がないのでTumblrを使っているという感じだ。写真や動画だけであればインスタでサブアカウントを作るが、もっと音楽やGIFなど様々な表現をしたい人にとっては、何でもありのTumblrはもってこいなのだろう。また、ヒアリングした中には「自分のお気に入りを集めた箱」みたいな感覚で使っている女子大生もいるようだった。
ただ全損になったとはいえ良いチャレンジだったのではと思う。少なくとも当時同程度の金額でFacebookが買収したInstagramはその後数倍に価値を高めたし、買収金額自体はかなり小さいが同時期にTwitterが買収したVineも一定のポジションを維持できている。結果的に何がどの程度成長するかは誰にも分からないわけだから、ドラスティックな改革の一環として他社に先駆けて思い切ってTumblrを買収したこと自体はマリッサ・メイヤーさすがだなと。結果が伴わなかったのは残念だけど。
いずれにせよ、SNSは数年毎にサイクルが来るので、また数年以内に「お気に入りを集めた場」や「あらゆる作品をまとめて公開できる場」といった、かつてのTumblrがニーズを掴んでいた市場を席巻する新たなサービスが生まれるのかもしれない。これだからIT業界は面白いなぁ。