#001 Surf

Donnie Trumpet & The Social Experimentのフリー・アルバムSurfを繰り返し聴いている。現状、ダニー・トランペットや他メンバーからの公式な発表はUS iTunesのみなので、ダウンロードにはiTunesのUSアカウントが必要だが、親切な誰かがDatpiffAudiomackにアップしてくれている。最近注目を集める「バンド編成のヒップホップグループ」群の先頭を行くコレクティブが奏でた音楽は期待以上のものだった。

Donnie Trumpet & The Social Experiment - Surf - download and stream Recorded alongside Nico “Donnie Trumpet” and members of The Social Experiment.
2014年に発表され、Surfにも収録された名曲Sunday Candy。今年になって制作されたMVで名曲度を大いに上げた。

まず、彼等の特徴と言ってもいい「隙」がある(空間を感じる)バンドでの音作りは健在。詰め込まず、あえて間を埋めない=ミニマムな構成でライブをやる際に元の音源からの違和感を感じさせない(逆にアレンジして楽器やゲストを加えると大きく変わった印象を与える効果)。生演奏とプログラミングの組み合わせの妙も楽しめる。

そして、これは嬉しい驚きだったが、ゲストが豪華。ベテラン(Busta Rhymes、Erykah Badu)から現行ヒップホップ~R&Bシーンの担い手達(J Cole、Big Sean、B.O.B.、Janelle Monáe、BJ the Chicago Kidら)、これからの注目株(MigosのQuavo、Raury、Saba他)までバランスも考えられている。Chance The Rapper参加のプロジェクトでなければ彼も必ず呼ばれているであろう布陣。チャンス・ザ・ラッパーと比較して知名度の低いダニー・トランペット名義という事もあるからなのか、関心を持ってもらう方法として非常に効果的なメンツが脇を固めた。好き嫌いの分かれるチャンス・ザ・ラッパー色(クセ?)が出過ぎていないのも好印象。自分は彼の十八番である「ア”ッ」って声、大好きなんですけど。

楽曲はどれを取ってもジャンルを超えた魅力を放っている。インスト(スコア)、歌もの、ラップだけの曲、ラップと歌を混ぜたもの、と収録曲の種類は多岐に渡る。サントラ盤の構成っぽいなと感じた。先に公開されたNothing Came To Meが映画っぽい作りだったからか。途中のトランペットのメロディーには“It’s only just began〜”って口ずさみたくなる。Taylor SwiftのMVにも顔を出してたモデルのCara Delevingneが出演。ストーリーはよく分からないけど、最後の逆光に心が震える。

心が震えるといえば、14曲目のRememoryでエリカ・バドゥが登場した瞬間。出番自体は短いけれど、全部を持って行ってしまう存在感は流石。

Anna Kendrickもついつい歌っちゃう各曲のフックのキャッチーさも挙げておくべきだろう。

ところどころに子供の歓声等のSEが上手くはさみ込まれているところも「日常生活のサウンドトラック」感を醸し出すのには十分な効果。

今回Surfに入らなかった名曲達もチェック!

さぁ、ここまで読んでSurfを聴かない理由ってなにかある?