母校の就職懇親会でお話してきました

昨年の話になりますが, 12月に母校である沼津工業高等専門学校の就職懇親会なるイベント(授業?)にお招きいただき, これから進路決定を控えた3年生と4年生の学生さんたちへ, 仕事やキャリアに関するお話をする機会をいただきました. そのときの話を書きます. (高等専門学校(高専)に関する一般的な説明は割愛します. )

どういったお話をしようかととても悩みました.

せっかく話をしに行くのですから, 何らか有意義なものを持って帰ってほしいなとは思っていたのですが, 何か主題主張を設定すると, どうやっても説教臭くなってしまう懸念があります. 私の年齢は学生さんからすればダブルスコアに近いですし, これまでの生き方も時代もずいぶん違うのですから, 自分の解釈を伝えたところでそれが身になるとも限りませんし. (そもそも, 自分より適任なキャリアのOBもいっぱい居ると思うんですよね. )

とはいえ, そこは学生さんたちも承知の上でしょうから, 開き直って, 当時の自分のことを振り返りながらありのままに, 何を考えてきて, どういう選択をとってきたか, をお話することにしました. その上で, 「こういうことを以前に考えられていたら, もっと質の良い意思決定ができたかもしれない」というようなヒントを, あくまで “提案” として, 参考までにお話するというスタイルをとりました.

というわけで捻り出したタイトルがコレです. (ちなみに, 「高専卒で〜」という部分は, あえて付け足しただけで, 用意した内容は一般的なものだったと思います. )

このタイトルを出したときの学生さんの顔色をうかがいましたが, 結構興味をもってもらえたように見えました.

まずはアイスブレイク的に, 簡単な質問から. よくある「大企業と中小企業(ベンチャー), どっちが良い?」な質問です.

授業のようなスタイルですと, どうしても一方通行になってしまいますし, まだ進路を決めるということにピンときていない学生さんも多いと思った(自分もそうだったような)ので, 最初にこういう “キャリアに関して, 絶対解が無いような問いを考えて議論する” 時間を作りました. この時間を自分ごとにしていただくことが, より有意義になると考えたためです. 問題があれば, 解きたくなっちゃいますしね.

ただし, このディスカッションを始めるときは, ひとつだけルールを置きました.

「ここでの発言は, 必ずしも自分の立場で発言してもらう必要はないです. どちらの立場で考えてもらってもいいので, 自分を論理思考ロボットだと思って, 相手方の意見を打ち負かすことだけ考えてください. なので, ここでたとえば大企業派の発言をしたからと言って, あとから『お前大企業派だったのかよ〜』とか, そういうのは, ナシ!」

この設定がうまく機能したのかはわかりませんが, 意外なほどにこのディスカッションが盛り上がってしまいました. どちらかというと, やはり進路決定が近い4年生のほうが盛り上がりましたね. このやり方でいくつか質問を出していった方が良いんじゃないか, 自分の用意してきた話, 要らなかったんじゃないかとすら本気で思いました.

さて, 会場が温まったところで, 私からのお話です.

新卒の通信事業者を選ぶまでの話や, ソフトウェア開発会社でのエンジニア経験, 創業, 事業会社への転職, 再度の創業について, そのときそのときに感じていたこと, 考えていたこと, どうしてそういう(環境を変える)判断をしたのか, などなどを, わりと赤裸々にお話させていただきました. 当時の雰囲気が伝わりやすいよう, 写真も多く入れました. お話したことを文章にしたり, スライドを公開したりすることはとても恥ずかしいので, ここでは割愛します.

お話の随所には, 冒頭で書いたような “提案” を織り交ぜました. 
以下のようなものです.

  • まず, 「(進路を)決める」という覚悟を持とう
  • そのうえで, 良き問いを設定しよう
  • そのための, 良きパートナーを見つけよう
  • (卒業に向けて)がんばっている自分に, 自信をもとう
  • 自信をもって, もっと広い世界に目を向けてみよう

この記事をお読みの方には, これだけを挙げてしまうと, ちょっとハイコンテキスト過ぎるかもしれません. 当日は, 私の経験を織り交ぜながら, なるべく自然に, 丁寧に, これらの提案に繋がるような流れにした, つもりです. 時間切れ感は否めませんでしたが.

年齢差もありますし, 技術の話をまったく含めないでお話することは, ややもすれば退屈な時間になってしまうのではないかとかなり不安だったのですが, 学生の皆さんにはとても真剣に耳を傾けていただけたようで, 正直ホッとしました. 自分がこのくらいの年齢のときに知っておきたかったな, というようなエッセンスをぎゅっと絞り込んだつもりだったので, それがちょっとでも伝わって, 何か得るものがあったと思ってくれたら良いな, と思いました.

事後のフリートークでは, 多くの学生さんとお話させて頂くことができました. 「どういった(プログラミング)言語をやっておくのが良いのか」「SEって呼ばれてる仕事は, 実際どういうことをやっているのか」「何か資格を取っておいたほうが良いのか」など, 目の前のことや, これからの進路のことに対しても具体的な質問が出てきて興味深かったですね. こういった話は質問ベースで応えたほうが良いと思っていたので, 良い感じに温められたな, と. 20歳前後の学生さんと Perl の話やエディタの話で盛り上がったのは, 私にとっても非常に楽しい時間でした.

終了後, 個別に連絡先を送ってくる学生さんもおり, 引き続き何らかの形で応援していけると良いな, と考えています.

なお, 今回のお話を準備/検討するにあたって, ご縁あって知り合えた「りゅーかんの高専キャリア教育論」のりゅーかんさんと, 彼の声がけで集まった全国さまざまな高専のOBの方々との情報交換(という名の飲み会)では, 多くのヒントをいただきました. また, 急な声がけにも関わらず, 駆けつけて相談に乗ってくれた同級生諸氏にも, メモ帳に書き切れないくらいの気づきをもらいました. この場を借りて, りゅーかんさんと皆さん, それから今回, 後輩たちに向けてお話する機会を設けてくださった母校の先生方に御礼申し上げます. ありがとうございました.

当日の日当は尚友会館(学食)のカツカレー. もっとも高価なメニューで, 学生時代は滅多に食べられなかった.