人の雰囲気は文章と写真だけでは伝えきれないから、動画も使ってみようと思った。「WANTEDLY JOURNAL」の立上げ裏話。

Taichi Hirano
12 min readOct 6, 2015

10月5日、「WANTEDLY JOURNAL」という求職者メディアをリリースしました。

どんな会社があるのか、とか、どんな人が働いているのか、とか、利用企業が11,100社を超えると、素敵な会社の声は意識的に聞いていかないとそろそろ限界が来るころ。今回立ち上げたメディアは、写真だけでなく動画も使用し、求職者の目線に立って会社の雰囲気を届けるよう努力しました。

また、「動画を使っている」ことで、インタビューの雰囲気が分かっていいね、という反応が多くてうれしかったです。写真だけでなく短尺の動画にすることによって、その人について知ることができる情報量がふえて「その人がまとっている空気感」も表現することができる。やってよかったなあと思っています。

昔から「好機逸ずべからず」と言うように、注目していただいているうちに、このメディアの企画から編集体制、リリースに至るまでを、少し長いですが振り返ってみたいと思います。

どういうコンセプトにする?

そもそも、ここらへんを長い時間悩んでいました。仕事に関するメディアって、ここ最近の「オウンドメディアブーム」もあって、よく見つけるパターンではなく、どこか差別化を図り、Wantedlyらしさを加えたいな、と考えていました。

そこで考えたのが、以下のポイント。

■ 写真を大切にする(写真のクオリティを重視する)
■ シンプルで読みやすいデザイン(記事の邪魔になるものは極力排除する)
■ 応募の導線が強すぎないデザイン(読み物感を重視する)
■ 実際にその場にいる感を出す(相づちなども入れる)
■ 人にフォーカスしたインタビュー記事(会社なら会社、人なら人、の「空気感」を文章でもがんばる)
■ Wantedlyで掲載しているかどうかに関わらず、幅広い業種を対象にする

また、Wantedlyのメディア(自社サービスの外ではなく自社サービス内でメディアを持つことに今回は意義を持っています)なんだから、Wantedlyの強みである「人となりが見えること」を活かせるといいね、と話していて、その空気感を伝える…、写真と文章だけじゃ難しいよね…、じゃあ動画もやってみる?ということで始まったのが、今回の一番のヒキになった「記事内動画」。

https://www.wantedly.com/journals/4

あれ、GIF画像ではなくて、mp4で5秒の動画をループさせているんです。最初から構想に入っていたわけではなかったので、初回公開の記事は動画編集側のスタビライザーで何とかブレを軽減させています。今後公開していく記事は、自分のManfrottoの三脚を使うことで、ブレは少なくなるはず。動画含め、Webメディア全体の機能の実装は、Webエンジニアの今井さんとデザイナーのフィラースさんがつくってくれました。

それに加えて、読み物感を出しつつ、応募につながるような導線もつくりたいなと考え、両者がバッティングしないようないい感じのWantedlyぽさもあるデザインを、デザイナーのフィラースさんがつくってくれました。

最終的に決まったタグラインはこれ。

シゴトでココロオドルってなんだろう?

シゴトでココロオドル人をふやす、って言うけど、自分たちはWantedlyというサービスを通して、どんなココロオドル人をふやせているだろう?というのが課題としてありました。なので、「人」にインタビューする場合の選ぶ基準は、【Wantedlyを通じて転職した人】に限っています(企業の場合は違うけど)。今後の編集方針としても、Wantedlyを通じて転職した人に話を聞く機会を増やしていこうと考えています。それが、メディアとしての強みにもなりそうなので。

どういうカテゴリーにする?

今回は、「人(PEOPLE)」と「企業(COMPANY)」の2つのカテゴリーに分けて、それぞれ違いを意識した記事を作成しました。

□ PEOPLE

Wantedlyを通じて転職した人自身にフォーカスし、転職までの経緯や現在の仕事の内容、今後の展望などを率直に伝える。

記事を通して、Wantedlyの使い方や温度感、つぎの働き方のヒントになること、まだリーチしてないような候補者にも認知してもらうことが目的です。

□ COMPANY

企業で働くメンバーに話をきき、創業エピソードや事業内容、会社の魅力を伝える。

第三者がインタビューすることで、募集要項では書ききれなかった会社の魅力やそこで働く人の雰囲気を引き出し、応募増につなげることが目的です。

どういう編集体制で進めた?

今回初回で引き受けてくださった方はみな寛容で、Google Docsで編集することを快く引き受けてくれたため、修正・反映をリアルタイムでスムーズに行うことができました。通常、Microsoft Wordで校閲機能を使って文書のやり取りをするのが一般的だそうですが。

「共有」部分をクリックして、「リンクを知っている全員がコメント可」にした状態で先方に原稿を共有すれば、変更履歴が残るので、修正・コメントをもらったらすぐに反映させていけばOK。リアルタイムな感じがたまらなくて(個人的な趣味)、今後も続けていきたいと思っています。

自分が作成する場合、記事を作成から公開までの流れは、いつもこうやっていました。自分流なのでムダが結構ありそうだけど。

■ すべて文字起こしする(「えー」とか「なんか」とかも含めて。雰囲気をつかむことが文字起こしでは大事かなと思っています)
■ 文字起こしの中からヒキになりそうな文言を太字にする
■ もう一度確認して、タイトルに使えそうなキーワードをいくつかピックアップする
■ 全体の構成を決める(大見出しと小見出し、その段落で何が言いたいかをざくっと決める)
■ 文字起こし生データを流し込む
■ 順番を意識して編集していく(このときに写真も差し込んでバランスを見る)
■ 一回下書きができたら読んでみて、流れを意識して再度編集する
■ (印刷して)流し読みして気持ち悪いところがないか確認する

■ 一緒に取材に行った他のメンバー(メディアチームのエンジニア)にファーストインプレッションの感想・コメントをもらう
■ もらった意見を反映させて先方に提出する

■ 先方にいただいた修正・コメントを反映させて記事FIXする
■ 画像レタッチをデザイナーに、動画編集をエンジニアにお願いする
■ その間に原稿内容を編集画面に流し込む
■ 画像、動画をアップロードして、完成
■ 公開!

https://www.wantedly.com/journals/1

撮った写真は、デザイナーがすべてレタッチしてくれました。コントラスト抑えめの明るくシャープな感じで統一。動画はエンジニアが編集してくれました。自分は記事を書く&先方と連絡を取る、というように、チームメンバーがそれぞれ役割を持ってゴールに進んでいく感じが、まるで学園祭の準備をしているみたいで楽しかったです。

一部抜粋

実は、「WANTEDLY JOURNAL」は編集画面も自前でつくったという、結構頑張ったメディアでもあるのです!Mediumライクな「medium Clone」というやつ(?) を使って今井さんがつくってくれました。編集画面はこんな感じ。Mediumを使ったことがある人だったらこの「WYSIWYGエディタ」の使いやすさが身にしみるはず。すごいなーこういうのつくっちゃうところがWantedlyのエンジニアだなと思います…。

あと、今回のメディア記事の文字数は結構多いんです。だいたいどの記事も4,000文字くらいはあるはず。かなり文字数がある記事でも読んでもらえるかどうかは、自分なりの挑戦でした。うまくいっているかはわかりませんが、動画のおかげもあって、おおむね読まれてそう、という印象です今は。

やはり、動画は「記事に飽きないためのヒキ」であり「雰囲気を伝えるためのコンテンツ」でもあったので、動画万歳!という感じです。

今後の運営体制について

自分がコンテンツチームからビジネスチームに少しだけ移動するので、少し更新頻度は落としていこうと思っています。やはり「人」にフォーカスしたほうが見てもらいやすいということが分かったので、今後は「PEOPLE」メインで行くかなと思います(まだ決まっていないけど…)。あとは、「SPECIAL」というようなカテゴリーをつくって単体コラボのようなものもやっていければと考えています。今ひとつ進めている案件があるので、近々お見せできるかなと思います。

あと、自分が取材して写真を撮って(自分が聞いているときには写真撮影をお願いする)、記事を書いて、となると、ちょっと負荷がしんどいので、属人化をなくすプロジェクトをはじめました。外部ライターさん候補にも何人か会っていく予定なので、今後は自分があまり書かなくても進むようなメディアにしたいと思っています。

最後に

これまで公開している記事を紹介します。是非お時間あるときに見てみてください!

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