自分の人生をデザインする

2006年、二十歳になったその年に、僕はアコースティックギターと現金4万円、必要最低限の衣類とタバコ2箱だけを持ち、日本を飛び出してイギリスに向かった。

(きっと僕の友人や知人はすでにこのエピソードを何度か読んだり聞いたりしたことと思う。しょうがないんだ、だってこれくらいしか自分の生きて行きた中での強烈な武勇伝がないんだもの。まあ、とにかく続ける。)

夢はミュージシャン。どうせやるなら音楽の本場で勝負してやろうと意気込んでいた。ネットで知り合った英国人の友人を頼りに「行けばなんとかなるだろう」という、今思えば若気の至りとしか言えない、楽天的な、無謀な挑戦だった。

日本の普通科高校卒。偏差値も普通、というか中の下。ようするに、英語力などほとんど無かった。それでも、現地に行ってからの勉強でなんとかなった。(これから留学する英語学習者のみなさんには、語学力なんてあとから身につくので気に病むことはないよ、とアドバイスしたい。)

英国の場合、日本人だと観光ビザで最長6ヶ月までは無許可で滞在可能だった当時。たった6ヶ月で音楽の本場で成功の尻尾をつかもうとしていたんだから、本当に大したもんだ。あるいは、ただのバカだ。

当時の自分が写った写真を見ると、瞳がキラキラぎらぎらしていて、20歳位の若者特有の無根拠な全能感ってすごいな、と思う。同時に、どうして今の自分にそれが無いのかという悔しさや憧れの入り混じった複雑な感情を覚える。

現在31歳。帰国してちょうど10年が経った。憧れていたミュージシャンには、まだ成れていない。「その代わりの“何者”かになれたか?」と問われれば、それも成せていない。帰国後にバンド(Wicked…!売れなかった)をやって、調理師になったあと、転職していまはデザイナーを名乗ったりしているが、公に褒められるような功績を残していないため、なんとなく大きな声では言い辛い。

ただ、ちょっと自慢したいこともある。愛する人と結婚して子供が3人もできた!愛する家族があるというのは生きる上でこれ以上ないほどに素晴らしいことだ。

最近、とあるデザイナーのインタビューを読んだ。

「デザイナーはまず自分の人生をデザインしなくちゃだめ」

この言葉が目に飛び込んで来たとき、なにかで後頭部を思いっきり殴られたような衝撃を覚えた。

デザイナーとして、いやむしろ社会人として自分に足りていないのはこれだ、この意識だ。経験が浅くても、日々の仕事でそれなりに評価され、ちょっと褒められることで、満足してしまっていた。知らぬ間に流されていることに気付いていなかった。

言われてみればたしかに、仕事で踏むプロセスと同様に、自分の人生や日々の生き方をデザインすることができれば、流されたり、ブレたりすることはなくなるはず。よし、やろう。人生をデザインしよう。

まずそのために、今はそれをデザインする作業の手前の段階だ。デザインのゴールを決め、情報収集をし、ドラフトをする、レビューを受け、練磨していく。このブログをはじめたのも、そのため。だから、まだこのMediumの方向性も定まっていない。ただ、一日に最低1記事投稿すると決めたのでそれは守りたい。正直言って辛い制約なので、当面は短文やポエムチックな投稿が続くかも。ただ、いずれ洗練されていくはずなので、それを楽しんでもらうのもいいかもしれない。

繰り返す。自分の人生のデザインの詳細はまだ詰まっていない。だから先にコンセプトとなるアイデアをここに書き残す。僕の人生をデザインするための重要なキーワードは「冒険」だ。いつか日本を飛び出してイギリスに行ったときのように、野心と冒険心に溢れる、規格外のデザイナーを目指して。

“Life is either a daring adventure or nothing at all.”

Helen Keller