もうすぐ絶滅するという子育て専業主婦について

yuco
7 min readApr 3, 2018

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私は専業主婦で幼児2人(今度から幼稚園年中の4歳児と、1歳児)を育てている。

メディアでは、もう世の中は共働きが主流で専業主婦は少数派だ、専業主婦は昭和の一時期だけ成立し得たライフスタイルで今後は絶滅する、と言われている。これが生き物なら、生物多様性のため保護しましょうと言われるだろうが、キラキラ輝いてもおらず、政治的に正しくない存在であり、夫の寄生虫であり税金を払っていないごくつぶしなど、保育園をもっと作って早く絶滅させろと思われているのだろう。

その一方で、少子化が問題だから子育て支援をするべき、と言われていて、最近は3~5歳児の幼児教育無償化の話題もよく見かけるが、それ以前は子育て支援=保育園をもっと作って待機児童の解消を! というのがメインテーマだったと思う。

しかし実際に専業で子育てしてみて、保育園を作るとか保育料を無償化するといった、預ける場所を増やすとか料金を安くするとか以外の子育て支援が欲しいと思うことは多いが、そういう「預ける以外の子育て支援」についてはあまり取り上げるメディアもなさそうだ。

昔は専業主婦が多かったが、特に子育て支援などなくてもうまくいっていた。だから今でも専業主婦の子育てを支援する必要はない、ということなのだろうか。

しかし昔は(私が子どもの頃の経験と母に聞いた話ですが)、

・今より地域コミュニティが生きていた(近所の人にちょっと子どもを預けたりしていた)
・子どもが4歳程度になれば、親がそこまで密着しなくてよいというのが常識だった(たとえば私の弟は小学校の敷地内にある公立幼稚園に年中から通っていたが、自宅から約2kmの幼稚園に子どもだけで徒歩で通っていた。行きは小学校の通学班で、帰りは幼稚園児だけで)
・共働きの子が少なく、かつ子どもの数が多かったので、みんな近所の子と親を知っていて親抜きで近所で遊んでいた。母親は子どもにぴったりついていたわけではなかったが家にいたり近所にいたりで大人の目はあった
・高齢出産が少なかったため、おばあちゃんが若く元気なのでおばあちゃんに頼りやすかった

という状況があった。

そこまで昔でなくても、ひと昔前(10年ほど前?)までは「公園デビュー」という言葉があり、公園に行っていれば近所の同世代の親子と知り合いになれたらしいのだけど、いま公園に行っても、あちこちの保育園からやってくる子どもたちが数十人単位でいて、個人でベビーカーを押して幼児を連れてくるお母さんなんて、自分を含めて1〜2組いるかどうか。絶滅危惧種であることを実感する瞬間だ。そしてその相手とたまたま話すことがあっても、一期一会というか、「いつもここで会いますね」というほど同じ相手とは会わない。

小学校に入ったら、地元の公立小学校に行かせるつもりなので、近所の親子のことも分かるのだろうけど、それまではやや離れた幼稚園の友達はいても、近所に住んでいる同世代の子はまったくわからない状態での子育てになる。もしいても、みんな保育園組かもしれない。これは幼稚園から帰ってからの遊びとか長期休みには結構辛い。

私の経験からこんな行政サービスがあればいいのに、というのを述べる。

転入者のフォロー(ママ友作り、制度の説明)

私は上の息子が1歳半のときに東京に引っ越してきたけど、それから彼が幼稚園に入るまで、近所の同じ年の子どもを持つママ友が一切できなかった。以前に住んでいたところでは母親学級からとかベビースイミングつながりのママ友が少しいたのだけど。

自治体は妊娠中に母親学級をやったり、生まれてからハイハイ前までは赤ちゃんを連れて来て語り合いましょう的なイベントを行っているが、子どもが動き回る1歳台後半になるとそういうイベントもなくなる。歌とか工作のイベントはあるが、子どもと話したりイベントに参加させたりで親同士のコミュニケーションは難しい。

1歳台でも児童館で子どもがおもちゃで遊んでいれば親同士話くらいはできると思うし、実際イベントでないときにほかのお母さんと話をしたこともあるのだけど、上に書いた通り一期一会的な感じ。

まあ、今になって思えば、少人数制の習い事をすればよかった。息子と体操教室に通っていたのだけど、ここは公立の体育館を借りて運動するもので、人数がいくら増えても断らない方針とのことで、通い始めてからわかったんだけど借りている部屋に対して人数が多すぎ、20組以上の親子がいた。しかも、本来4月スタートだったのをあとから加入したので、もうコミュニティができていて、結局挨拶とかちょっとしたその場での話しかできないまま私が妊娠し、親も参加するタイプの運動ができなくなって辞めた。

幼児教育について、「あまりにも早期からの教育は必要ない」と言われることが多いのだけど、習い事でもしなければお互いに顔と名前を認識して定期的に会える近所の同世代の子持ちの知り合いが作れないという現実がある。

また子育て支援サービスは自治体ごとにかなり違うので、引っ越すと仕組みが分からないところに知識ゼロで放り込まれる。同じ「子育て支援センター」という名前の施設が、A自治体では平日昼は毎日空いていて、いつ行ってもよくて幼児を遊ばせつつスタッフの人と話ができる(育児のアドバイスや自治体の制度について聞ける)施設だが、B自治体ではそうではないしそれに相当する施設も存在しない、とか。A自治体では予防接種の予診票は病院に置いてあるので熱だけ測ってきて最悪病院で書けばいいけど、B自治体ではそこで出産した人は予診票の束が自宅に送られてくるが、転入者はそのつど保健センターに予診票を取りにいかなければいけない(私はこれを知らずに予防接種のため小児科に行き、保健センターに行ってまた小児科に引き返した)とか。

特に長期休み中の、幼児向け屋内遊び場の確保

長期休みに親子で行ける、身体を動かして遊べる室内施設が東京に欲しい。

小学生には児童館がある。小学生が小学校に行っている平日の日中は乳幼児に使わせてくれて、広い体育館的な部屋があるのだけど、午後2時くらいになると小学生が来るので乳幼児親子は追い出される。あとは常時使える幼児室という部屋があるだけで、狭くて運動向けじゃないし、0~2歳くらい向けのおもちゃはあるけど、3~6歳が遊ぶのには物足りなかったり。

冬・春・夏休みの長期休暇も同じで幼児室しかない。特に夏休みは、外遊びは蚊に刺されるし熱中症なども心配だ。児童館はうちのあたりでは一小学校区に2つくらいある。なぜ小学生向けの広い室内遊び場がこれだけあって幼児向けのはないのか。保育園組には長い休みがないから必要ないのだろうが、長期休暇には幼児のための広い室内遊び場が地域に存在しないというのは、専業主婦も幼稚園児もいずれ絶滅するからってこと??と言いたくなる。

幼稚園のママ友は、実家が地方にあれば長期休みは帰省する人が多い。私の地元の場合、イオンモールにキドキド(民間の有償遊び場)があり、児童館もキドキドほどじゃないけど幼児専用の部屋がいくぶん広い。なのでこの春休みも帰省してキドキドと児童館にほぼ一日おきに行き、たまに博物館などその他の遊び場に行って過ごした。

各政党は、「親が子どもを安心して遊ばせることが出来る無料屋内施設の充実」という政策を検討してもらえないものでしょうか

こちらを見ると、以前は東京にもあったのがなくなりつつあるみたいですが、やっぱり専業主婦も幼稚園児もいずれ絶滅するからなんですかね?

気が向いたらまた続きを書きます。

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yuco

前世紀からネットで遊んでいますが、最近は日中は3歳息子&0歳娘と遊んでいます。